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『八路軍』

2010年8月22日 (日)

『八路軍』2話~4話

あらすじ

 平型関の戦いに備える八路軍一一五師の戦士・劉宝和は、副師長・聶栄臻から優秀な宣伝員として趙栓柱を紹介される。趙の任務は三味線を武器に、歌で部隊の士気を鼓舞することであった。

Cap1023

三味線と歌で舞台を鼓舞する趙栓柱

 平型関で一一五師は日本軍を奇襲し、熾烈な白兵戦を繰り広げる。長時間の激戦の末一一五師は勝利を収めるが、戦場の狂気にあてられた趙栓柱は半ば正気を失い日本兵の死体を叩き続ける。趙は劉宝和によって正気にもどされるが、二人はあまりのむごたらしい戦場の様子に言葉を失う。

 一方、閻錫山は次の戦いで劉伯承率いる八路軍一二九師を正面から日本軍に当てようと計画する。しかし、一二九師の戦力では正面決戦は不可能であり、総司令官の朱徳は国民党軍は正面戦場、共産党は遊撃戦争を担当するという国共両党の取り決めを守るよう話し合いに行く。

 周恩来,第二戦区長官・衛立煌,閻錫山らは山西省省都・太原防衛について話し合う。周は毛沢東の戦術案を話し、衛の賛成を得るが、閻は自分の意見に固執して退けてしまう。 賀竜率いる八路軍一二〇師は、太原防衛線の一環として、雁門関で日本軍の補給線を切断する作戦を計画する。

 出征大会で、王鉄錘は自分の村が日本軍に襲われた時の様子を話し、戦士たちの復仇の意思を高める。しかし支給される武器の少なさに不満を持った王鉄錘は、老紅軍である指導員が持つ大刀を欲しがるが、逆にその態度を叱責されてしまう。

Cap893

銃弾は軍帽に入れて支給してもらいます、一人十発まで?

しかも、村で鍛冶職人をしていたことを買われ、戦闘には参加せず騎兵隊のために蹄鉄を打つ任務を与えられる。戦場で英雄になることを夢見ていた王は大いに失望し、戦場へ向かう仲間をうらやましがり自分が鍛冶職人の家に生まれたことさえ悔やむ。

 激戦の末、雁門関戦に勝利した一二〇師。その中で指導員が犠牲になり、王鉄錘は自分の浅慮を恥じ、これからは裏方の任務でも全力を尽くすことを形見の大刀に誓う。

 一方、太原の最後の防衛線である折口を国民党軍は全滅覚悟で必死で守るが、陸と空からの攻撃で多大な犠牲を出し、ついに日本軍に突破されてしまう。折口陥落によって閻錫山は太原陥落も時間の問題となった、と絶望する。

 日本軍の空から爆撃が戦闘の上で大きな障害になっているとして、八路軍一二九師は日本軍が建設した飛行場を探し、つぶすことにする。

 劉茜茜は飛行場の場所を探るため、学生時代の交友関係を利用して、今は日本軍の協力者になっている王晋財を訪ね、張黒白は護衛のため一時的に僧侶に戻って同行する。張は、「黒白」という名を奇妙に感じる一二九師の幹部たちに、いつか「黒水白山」と呼ばれる東北の地を取り戻すことができるようにと願って、父母が日本軍に殺される前につけたのだと説明する。

 劉茜茜と張黒白はうまく王晋財の客となるが、実は王は二人の正体を見抜いていた。劉茜茜の危機に、張黒白は僧侶の「不殺」の戒を破って王を殺し、飛行場の地図を手に入れる。

 一二九師は夜の闇にまぎれて日本軍の陽明堡飛行場を奇襲。

Cap903

129師の陽明堡夜襲

 飛行場と二十四機の飛行機の破壊に成功する。衛立煌は八路軍の総司令部を訪れて彼らを賞賛し、その戦術思想を学ぶ。連勝に沸く世論であるが、毛沢東はやはり太原の陥落は時間の問題と考え、抗戦継続のため山西に抗日根拠地を築くことを提案。

 太原を失うことにパニックになった閻錫山は、八路軍に娘子関の戦いに協力するよう強要する。それは困難な要請であったが朱徳は共同戦線のことを考えて承諾するものの、自分たちを利用することしか考えていない閻に副総司令官の彭徳懐は怒りを爆発させ、部屋に閉じこもってしまう。八路軍の幹部たちは、また彭徳懐のかんしゃくが出た、と困るが朱徳が説得に行く。




感想

 やばい、おもしろくない!

 そんな・・・・・・何故だ、題材が「八路軍」でなんでおもしろくならない? くそっ、CCTV(国営放送)め・・・・・・。こんなドラマに料理しやがって。

 そう言えば、同じくCCTV作成の『井崗山』も、せっかくの題材を際限までおもしろくなくしていたな。

 どんな題材もつまらなくする国営放送マジック!!

 いやだぁぁ、そんなマジック・・・・・・。民放が作ったドラマに出てくる八路軍の方がよっぽど魅力的だよ、見習えよ・・・・・・ってか

 もう国営放送は民営化したほうがいいんでない?

 さて、一応簡単な内容だけど、上述のように2話で115師,3話で120師,4話で129師が活躍し、それぞれの顔見せ回だったようだ。

 しかし、個々のキャラクターのエピソードにあまりインパクトも個性もないため、ストーリーとして残念な結果になってしまっている。

 その中でもかろうじておもしろいと言えるのが4話。

 これは主要登場人物の5人のうち、張黒白と劉茜茜が僧侶と女学生に変装して情報を探りにいく、というキャラクターが動くエピソードがあったためだろう。(2話の趙栓柱と3話の王鉄錘は、「一兵士」という縛りがあるせいで自由に動かせなくなってしまっている・・・)

 あと4話がおもしろいもう一つの理由は、ラスト付近で「彭徳懐の暴走」があったから(笑)・・・・・・まあ、「暴走」というほどでもないが。

 閻錫山から無理難題をふっかけられ、八路軍の副総司令官・彭徳懐がぶち切れてしまったシーン。

彭徳懐「閻錫山が軍を出さないと言うなら、我々だって知ったことか!」

(怒鳴って出て行く彭徳懐)

朱徳「あっ、老彭、老彭、老彭・・・・・・おいっ、老彭!」

(朱徳の呼びかけを無視して宿舎に帰り警備員に声をかける)

彭「警備員」

警備員「あ、はい」

彭「おまえは出て行きなさい。私は寝る」(帽子を机に叩きつける)

(中略)

(指揮所でため息をつく朱徳)

朱徳「やれやれ・・・・・・あいつめ、なんてことを」

任弼時「老総(朱徳)、焦らないで、私が彼と話してきます」

朱徳「彼は間違っている、誰があいつの間違いを正してやることなんてできる?」

佐権「彭総ときたらかんしゃく持ちですからねぇ」

任弼時「まったくです。あ、老総、とりあえず座ってください。あんまり怒らないで、私が彼を連れ戻してきますから」

朱徳「いや、だめだ、私が行こう」

  彭徳懐(のかんしゃく)キタッーー!

 やっとシナリオの王朝柱も本領を発揮してきたか?

 どうも今まで幹部クラスの描き方が「模範的」すぎて不満だったけど、4話目にして(やっぱり)彭徳懐がやってくれました。

 ぶち切れって会議を投げ出し家に帰ってしまう短気でかんしゃく持ちの彭総がステキ。朱徳をはじめ、司令部の「やれやれ、また彭総か」な雰囲気もいい感じ。・・・・・・つーか佐権副参謀長、達観しちゃっているな(笑)

 さて、家に帰ってしまった彭徳懐をどうやって連れ戻すか。5話目の展開になるが、ここで朱徳総司令の一枚上手ぶり(というより彭徳懐の単純ぶり)が遺憾なく発揮されることになる・・・・・・。



ピックアップ場面

 

 いまいちおもしろくならなかった2話~4話だが、その中でもちょっと良かったのが、2話で平型関の戦いが終わった後、戦場の狂気に当てられてしばしおかしくなってしまった趙栓柱。

 平型関の戦闘が終わった後も正気の状態に戻ることができず、すでに死んだ日本兵の遺体を叩き続けながら、何かえんえんとつぶやき続ける趙柱栓。

 彼がえんえんと唱え続けていた言葉は・・・・・・

「全国人民団結緊 一致来打小鬼子 全国人民団結緊 一致来打小鬼子 全国人民団結緊・・・・・・・・・」(「全国の人民はしっかり団結し ともに小鬼子を倒そう」)

 趙栓柱は宣伝員だ。上の言葉も最も典型的な宣伝文句である。

 そんな宣伝文句をはっきりと場違いな戦場で泣きながらえんえんと唱え続け、日本兵の遺体を壊れた機械のように叩き続ける光景は異様なものであった。

Cap866

 戦場の狂気に取り付かれた趙栓柱

 この時の役者さんの声や表情の演技が、趙が精神の均衡を崩した様がしっかりと伝わるなかなか凄惨なもので良かった。

 趙は駆けつけた戦友の劉宝和によって、何とか正気に返る。それでも「栄光の勝利」の後で、勝者である八路軍兵士が精神の均衡を崩す描写を入れたのは、製作側が戦争そのものが持つ狂気・悪を表現しようと試みたためではないかと思う。

 この時、趙が唱え続けていた言葉として「典型的な士気鼓舞の文句」を選んだのもなかなかのセンスだ。



以下、兄弟萌え腐女子の戯言語り。

林彪兄弟について。

 

 

 

 

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2010年8月 5日 (木)

『八路軍』1話

※通常、共産党系人物が赤字で表していますが、『八路軍』においては歴史上の人物とオリジナル人物が混在しており、両者を区別するため、オリジナル人物は共産党非共産党系人物でも緑字で表すことにします。



あらすじ

 1937年8月、日本の本格的侵略が始まったのを機に、共産党と国民党は合作を行う。

 国民党の国民革命軍に組み込まれた共産党の紅軍は、軍服も紅軍のものから国民革命軍のものへ換えることに。しかし、趙栓柱を始め、一部の兵士たちは仇敵の国民党軍に組み込まれることが大いに不満で軍服を換えない。朱徳は、民族のためにも階級のためにも合作は必要だと説き、彼らを納得させ、大雨の中で出征大会を行う。

 Cap848

国民党軍との戦いで傷ついた身体を見せる趙栓柱

 進軍しながら途中の村を襲う日本軍。村人のほとんどが虐殺される中で、王鉄錘馮玉蘭は何とか窮地を脱する。

Cap849

日本軍に襲われた王鉄錘の村

 一方、日本軍の侵攻に遭った山西省の軍閥・閻錫山は、八路軍の山西入りを歓迎する。だが、弾薬支給問題やかつての紅軍の東征の話を蒸し返され、彭徳懐ら八路軍幹部は不快な思いをする。

 閻錫山より平型関で日本軍を奇襲する任務を受けた八路軍幹部らは、この戦いは全国が注目する重要な戦いとして、すでに出発した林彪と115師に必ず勝つよう命じる。

 八路軍に参加するため山西省の太原大学の王教授を訪ねた華僑の女子学生・劉茜茜は、そこで叔父の元に身を寄せた王鉄錘と馮玉蘭と出会う。

 一方、朱徳ら八路軍総司令部の元には、張黒白と名乗る五台山の僧侶が訪れる。東北出身の張は、すでに満州事変の際に家族を日本軍に殺され、その後山西に移って五台山で僧侶になったものの先日の空爆で師も殺された、還俗して入隊し故郷を取り戻すため日本軍と戦いたい、と朱徳に訴える。朱徳は快く入隊を許可し、また戦争が終われば彼の希望通り僧侶に戻れる、と伝える。

 ちょうどその時、王教授に連れられた王鉄錘,馮玉蘭,劉茜茜も司令部を訪れ、案内役の趙栓柱も含めて5人は知り合いになる。

 5人はそれぞれ、趙栓柱は115師,王鉄錘は120師,張黒白は129師,馮玉蘭は115師の医療部隊,劉茜茜は総司令部で無線係へと配属される。

 王教授は自宅で五人の歓送会を開き、家宝の数珠をばらして5つの玉を五人に分け、別々の戦場に行っても五人は一つであり、いつの日か5人が全員そろってここに帰ってくる約束の証とする。

Cap854




感想

 ・・・・・・おかしい・・・・・・あんまりおもしろくない・・・・・・・。

 あれ? おっかしいな。題材が「八路軍」でおもしろくならないはずがないと思ったのだが・・・・・・。しかもシナリオが、革命モノを書かせたらこの人という(注:私が勝手に認定)王朝柱なのに・・・・・・。

 なんというか、全体的にわざとらしさが目立った。特に朱徳ら幹部クラスは「模範的」に描かれているのが嫌に鼻につく。王朝柱の売りは幹部を大胆に個性的に描くことであるのに。

 オリジナル人物である5人が、一つの数珠から玉を分け合った、また全員でこの玉を持ち合って一つに戻そうね(=生きてまた会おうね)、と誓いあうシーンとそのネタ自体はなかなかいいのだが(でもちょっと死亡フラグが立つネタだよね)・・・・・・そもそも5人がそんなことをする必然性が何もないのが問題(汗)

 だってこの5人って、今たまたま行きずりみたいに出会っただけだよね? そんな感動的な約束をしなくちゃいけない絆や親密さはいつどこで出来たのって話し。いかにもネタのための展開があからさまになってしまっているのがなんとも・・・・・・。ここらへんはせっかくのドラマなのだから、5人の出会いを運命的にするような演出をするべきじゃなかったろうか?

 あと、どこで見たのか忘れてしまったけど、この数珠の珠を分け合うシーンに「八犬伝かよっ!」ってつっこみを入れているブログがあったけど・・・・・・や、まったくその通り(笑)。や、こういうネタ自体は好きだしいいと思うのだけど・・・・・・。

 さて、1話を見た時点ですでに嫌な予感(このドラマもしかしておもしろくないんじゃ・・・・・・)がバンバンするのだけど・・・・・・どうなることか?

 以下、このドラマ最大の(私的)突っ込みどころ。

以下では腐女子が読者完全置き去りで暴走しています、ご了承ください。

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2010年8月 1日 (日)

『八路軍』(TVドラマ)総合案内

Cap850


放送
:2005年(全25話)

監督:宋業明,董亜春

シナリオ:王朝柱

出演:柳淵(馮玉蘭),[イ冬]駿(趙栓柱),徐光宇(張黒白),武文(王鉄錘),黄若萌(劉宝和),朱婷(劉茜茜),周建鵬(原田),王伍福(朱徳),桃居徳(彭徳懐),田甫(林彪),徐光明(閻錫山),徐永革(衛立煌)

評価:(見終わってから追記します)

ストーリー:           人物造詣:

文学度:             エンタメ度:

萌え度:             総合お勧め度:


簡単あらすじ
:1937年、日本の全面侵略によって、共産党は国民党と合作し、労農紅軍は三個師団を有する国民革命軍代18集団八路軍に改編。

 日本軍に家族を虐殺された王鉄錘と馮玉蘭,日本に奪われた東北を故郷とする元僧侶の張黒白,女学生の劉茜茜そして老紅軍の趙栓柱の5人は八路軍の中で知り合う。それぞれ別の部署に配属されるに当たって、5人は5つの珠を分け合い、生きて再会することを誓ってそれぞれの戦場に向かうが・・・・・・。


簡単解説,評価
:抗日戦争勝利60周年を記念して、国営放送が力を入れて製作したドラマ。八路軍の誕生から発展まで、すべての流れをまとめた作品は実は本作が史上初。八路軍の戦いを幹部クラスの視点からも一般兵士の視点からも描き出そうと試みた。(以下、全話見終わった後、随時書き足し)


入手可能なショップ
:書虫(http://www.frelax.com/cdrama/



歴史解説

・八路軍とは?

 中国共産党の労農紅軍が、第二次国共合作によって国民革命軍の一部に改編され、誕生した。正式名称は「国民革命軍第十八集団八路軍」。

 抗日戦争初期は一一五師,一二〇師,一二九師という名の三個師団を有した。初期の組織形態,各幹部とその年齢は以下の通り。

総司令官:朱徳(51)

副総司令:彭徳懐(39)

参謀長:葉剣英(40)、副参謀長:佐権(32)

政治部主任:任弼時(33),政治部副主任:トウ小平(33)

一一五師:師長・林彪(29),副師長・聶栄臻(38),政治委員・羅栄桓(35)

一二〇師:師長・賀竜(41),副師長・蕭克(30),政治委員・関向応(35)

一二九師:師長・劉伯承(45),副師長・徐向前(37),政治委員・張浩=林育英(40)※後にトウ小平と交代。

 以後、発展に伴い、各地で軍区,縦隊など多くの新編制が誕生している。八路軍の当初の人数は3~4万ほどであったが、危機的な時期を乗り越えて終戦時には100万に達した。

 主な活動地域は、山西省,山東省,河北省,河南省,チャハル省,绥遠省(最後の2省は現在の内モンゴル)など華北地方。各地に抗日根拠地を築き、社会改革を行いながら、抗戦の基盤とした。

 八路軍の武器は貧弱であったが、創意工夫に満ちたゲリラ戦術,厳格な規律と民衆との親密さによって得た広範囲な支持,高い戦闘意欲によって、華北の日本軍を苦しめ、抗日戦争を戦い抜いた。


参考文献
→実は日本では八路軍や八路軍史が総合的にわかる文献はほとんどない。

唯一なのは

『中国八路軍、新四軍史』宍戸 寛他著/河出書房新社/1989年

だけど、この本は人が殺せる厚さ(笑)なので、本格的に勉強したい人には必読の書だが、ちょっと知りたいだけの人にはまったく向かない。なのでそういう人は

『中国抗日軍事史』菊池一隆/有志舎/2009年

の中の「第5章 毛沢東の遊撃戦構想と共産党戦場」を読むといいかも。