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2011年6月 5日 (日)

『狙撃手』6話~7話 感想

感想


 今回の見所は芥川の段旅本部への奇襲、竜紹鉄と九児の出会いと突然の恋愛フラグそして大春の大ポカでしょうね。


 まず、段旅本部への殴り込みという芥川の大胆不敵さが描かれ、暗闇の中での銃撃戦が楽しめます。そして夜間射撃は得意ではない竜紹鉄の欠点を補うがごとく、狩人の家系で暗黒の中でも音と気配によって相手の場所を正確につかむことのできる銃の使い手・女八路の九児が颯爽と登場。狩人の出身、鋭い感覚、女スナイパーと実に八路軍らしい設定のキャラクターです。

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九児は音と気配で敵のい居場所をつかむ

 で、ここで何の脈絡もなく(笑)この九児と竜紹鉄は出会った瞬間に魅かれあいいい感じな雰囲気になってしまうという展開に・・・・・・・・・・・・。

 ・・・・・・う~ん、なんというか、その恋の落ち方の脈略の無い唐突さといい、この二人の良く言えば清純さ、悪く言えばもどかしさは見ていてとてもむずがゆくなります(汗)。別に私が腐だから男女カプを嫌うわけではないのですが(むしろ好きですよ)・・・・・・なんともわざとらしくぎこちない恋愛関係なもので(笑)。ぶっちゃけあんまリアリティを感じませんね。竜紹鉄と蘇雲暁の関係も毎回毎回なんの変化もなくグダグダですし、もうちっと男女関係の描写はなんとかならないものかと思います。


 この展開にたまらないのが大春。彼はどうやら昔から九児のことが好きで、将来嫁に迎える予定だった模様。たしか大春は3話で「俺の嫁はどこ?」とか言っていたけど、九児のことだったんですね(「俺の嫁」って・・・・・・)。でも九児からはまったくこれっぽちも相手にされていない模様・・・・・・。

 その大春は、7話で「小さな鏡のついた銃」(狙撃用ライフル)欲しさに団の上層部には内緒で日本軍駐屯地に盗みに入ろうとしたあげく、失敗して仲間を死なせてしまうというありえないくらい馬鹿なまねをしてしまいます。

 ・・・・・・いや、これは本当に馬鹿ですね、成功するわけないだろ、って。

 これは与えられた任務の中で判断をミスってとか、功を焦って無茶な作戦をやってとかの結果、死ななくても良かった仲間を死なせてしまった、とかいう類のものとはまったく違います。許可がおりなかったため、団長らには秘密で私欲のために行った勝手な行動の結果です。仲間の死は戦争のためでも任務のためでもないものでした。

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大春の私欲に基づく勝手な行動で仲間が死んでしまう

 芥川の段旅襲撃騒ぎで中断されましたが、5話のラストで大春と部下達が向かおうとしていたのは日本軍駐屯地だったんですね。その時もみんなまるでちょっとしたスリルある冒険に行くような軽い気持ちでいるように見えました。それがこのような惨事になったわけです。


 八路軍が駐屯地近くまで来て銃撃戦となった、と聞いた大野と芥川は

芥川「八路が奇襲? あんな少人数で?」

大野「八路軍はずるがしこい。何かたくらんでいるのかもしれない。深追いは禁物だ」

 と、言っていますが・・・・・・いや、何かたくらんでいるのではなくて、むしろ何も考えてませんから! (しかし、大野のその勘違いな警戒心のおかげで大春らは追われずに逃げ切れたのだから笑える。「待て、これは孔明の罠だ」ですね)


 大事な仲間が死んだことで、大春はやっと自分が取り返しのつかないことをしたのに気がつき深く悔やみます。林団長に自分を銃殺刑に処してほしいとさえ頼みますが「おまえに自分を銃殺刑にするかどうかの権限を持っているとでも思うか!」と一喝されます。その後も再び自分を銃殺刑を希望しますが、林団長はそれを厳しく批判。

  この時の林団長の言葉がいい。

林団長「そんなに死にたいか。おまえはただ死んで自責の念から楽になりたいだけだ。・・・・・・泣くな! 泣いても戦友の命は返ってこない。どうしてこんなことになったのか、おまえは心から考え抜かなければならない。何度注意してもおまえは聞く耳を持たなかったが、今まで何事も起きなかったのはただ運が良かったからに過ぎない。しかし、ひとたび何か起これば、このような取り返しのつかないことになる。・・・・・・同志、我々は戦争をしているのだ。愛すべき戦士たちの命は我々指揮者の手に預けられている。おまえはほんの少しでもいい加減であってはならなかった。それがわからないのか!」

 その後、九児たちの嘆願もあって大春は連長から一般兵への降格処分だけで済みますが(この処分は軽すぎるように思えますが、死んだ二人は大春を救おうとして死んだのですし、そういうこともあって「最も厳しい処分」は避けられたのでしょう)、これを境に大春は人としても戦士としても格段に成長していく感がありますね。まあ、これだけやって成長しなかったら救いようのない馬鹿ですが。

 大春役の于賓も「大春は彼のあまりに軽率な行為で仲間を死なせて以来、よく反省し、成長した」と言っていますし。

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泣きながら自らの過ちを悔やむ大春



 ところで、大春はこの時点ですでに軍歴10年近くという設定です(彼の年齢に関する考察はまたいつか)。中国のネット上でもいくつか同様の疑問をみかけたのですが、そんな「老兵」である彼がこんな馬鹿な成功するはずもないことをやるでしょうか? これを監督のご都合主義、脚本のミスという声もありますが・・・・・・ちょっと好意的に解釈してみましょう。

 まず過ちを犯すことが大春の成長に必要な展開という理由だけでしたら、それこそ正規の任務の中で何か過ちを犯させて自省させるという話でも良かったはずです。しかし、大春がこんな馬鹿なまねをしたのも竜紹鉄が持つ「鏡のついた銃」(ドイツ製の98Kという種類みたいです)を見て以来、すっかりそれの虜になり自分も同じのが欲しくてたまらなくなったからです。

 貧弱な武器しかない八路軍の大春にとって、国軍や日本軍の武器は羨望の的であり、そんな武器があれば自分もひとかどの戦士になれると思ったのかもしれません。いわば「立派な武器」を手にすることにとりつかれていたのでしょう。

 4話で竜紹鉄は蘇雲暁から「あなたは自責の念にかられているように見えて、本当は(戦争を)楽しんでいるのよ!」と言われ、視聴者に竜紹鉄が実は戦争の魔力に絡め取られている可能性が示唆されています。同様に、大春が武器へ執着し老兵である彼をしてあまりに愚かな行動をさせてしまうほどに目が眩んでいるのは、彼が戦争の魔力にとりつかれていることの象徴だったのかもしれません。




 さて、そんな騒動はあったものの、芥川を倒すため段旅と林団は再び共同戦線。竜紹鉄の国軍部隊と一兵士となった大春が所属する部隊は、芥川が出没するという場所へ向かいます。

 そして、その途上でついに国軍と八路軍の対立が発生!

 ・・・・・・まあ、最初からあまり仲良くなかったですけどね。

 急行&隠密で行動しなければならない時に、両部隊はとある村が日本軍に襲われ、民衆が虐殺されているのを目撃してしまいます。 ここでどうするか? は両部隊ではっきりと別れます。


 芥川を倒すための千載一隅のチャンスを逃すわけにはいかない、とする竜紹鉄は

「芥川を倒すのは、日本軍の中隊を一つつぶすのと同じくらい価値がある」

「我々軍人が責任を負うのは任務に対してであって、他のことまで責任を負えない」

と主張します。その声は苦渋に満ち、また大春の怒りの声に対して怒鳴り返していますが、それは民衆を見殺しにしようとする彼の良心の咎めによるものなのでしょう。

 彼の論理は完全に「軍人」の論理と言えます。彼からすれば、芥川を倒すことは今後の戦いにおいて自軍を有利にすることであり、引いては今その作戦を壊して助ける民衆よりもより多くの民衆を救うことに繋がる、という論理なのでしょう。


 一方、目の前で殺されていく人々を見捨てることができず(しかもそれは彼らの知り合いだ)、また民衆に基盤を置く八路軍の大春は竜紹鉄の対応に怒り狂い

「おまえはあれが見えないっていうのかよ!」

「おまえのその狙撃術はなんのためにあるんだ!」

「この冷血動物! ドイツのファシストが生んだ小ファシスト!」(小説版)

とかなりの勢いで竜紹鉄を罵倒します。

 国軍と八路軍のあり方に基づくとも言える両者の論理の違いが真っ向から衝突し、ついには互いに銃を向けるまでになってしまったのだが・・・・・・。

 竜紹鉄の言い分には道理がある。それが認める。しかし、もし私がその場に居合わせたのなら・・・・・・やはりどんな理由があっても何と言われようと大春の側に立つかな。

 大春は、「おまえは何のために戦うのか」と問うている。





ピックアップ場面


夫婦漫才

 さて、深刻な話ばかりでなく、ここらで大春と九児の夫婦漫才(いや、夫婦じゃないけど夫婦漫才な感じ)でも。

 まず、芥川の襲撃を退けた後、竜紹鉄と初めてあった九児(足を負傷)の感想。

九児「なんだかあの人、かわいそうな人に見えるわ」

大春「あっ? おまえ頭も怪我したのかよ?」

 なかなかうまい掛け合いですね(違う)。



 続いて八路軍に戻ってきた九児は、衛生員の少女・小梅に手当てを受けるが、そこに大春が見舞いに来て

大春「そうだ、小梅。俺は九児と任務のことで話があるんだ。おまえがいると都合が悪い。はい、出て行って出て行って」

小梅「ええ、ちょっと連長ぉ・・・・・・」

大春、小梅の背中を押して外に出す。

九児「大春! 小梅はあなたのこと気にしているのよ。あなたが任務に出ている間はいつもとても心配しているわ。なのに、その態度はないでしょ?」

大春「へぇ? そりゃな、昔から「美女は英雄を愛す」って言うだろ? おまえに教えておいてやるけどな、俺のこと気になっているのは小梅だけじゃないぞ。町のたくさんのお嬢さんや女学生が俺のこと英雄だった憧れているんだ」

九児「あら、本当? あなたもやっと女運が良くなったのね。おめでとう」

 ・・・・・・あれ? っていう顔になる大春。

 俺って超モテるんだから! とうぬぼれるのはいかにも大春らしいけど、ここはちょっと九児に嫉妬させてやろうという気持ちもあったんでしょうね。なのに九児ときたら本気で全く微塵も一ミリグラムも嫉妬せず、おもしろがって「おめでとう」と言う始末。笑える。


  さて、九児は足を負傷していたため、昨晩は段旅の医務室に泊まらざるをえませんでした。そこで竜紹鉄と九児が二人きりで会ったことを知っていた大春は、いかにもさりげないふうを装って(だがかえって気になって気になって仕方ない様子が丸分かりなのだが)聞きます。

大春「なあ、昨日、あの竜大少爺(竜紹鉄のこと)と二人で話したんだろ? ・・・・・・何を話したんだ?」

九児「彼は段旅長に連れられて、病院にお礼を言いに来たのよ」

大春「・・・・・・で、なにを話したんだ?」

九児「ん~、べつに何も話してないわ。彼はとても無口な人みたい。私は話しながら眠ってしまったくらいよ」

大春「えっ・・・えっ! 眠った!? あいつがまだそこにいるのに!?えっ、で、で、あいつは何をしたんだ、なあ?」

九児「知らないわよ、私は眠っていたんだから」

大春「ちょっ、おま、なんでそんなに警戒心が無いんだよ!」

九児「なに騒いでいるよ」

 大春(泣)。なんかあまりの空回りっぷりに泣けてきたな。




恋の奴隷・大春

 さらに哀れなことに、大春は惚れた弱みから九児にはまったく頭が上がらない。

 この後、大春の混乱をまったく気にかけない九児は「ちょっと外に出たいから松葉杖取って」と言うが、大春がすぐに反応しなかったため、実に不機嫌な表情でいかにも『使えない奴!』とばかりに舌打ち(中国の女性は普通に舌打ちします)。

 慌てて松葉杖を渡し、椅子から立ち上がって道を開ける大春。しかも彼の座っていた椅子が邪魔だった九児に不機嫌な口調で「椅子が邪魔なんだけど」と言われると、『気が回らずにすみませんでしたー!!』といった感じでまたもや慌てて椅子をどける・・・・・・。

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「椅子どけてよ」と言われ、慌ててどける大春

 大春、あなたは九児の犬か何かですか?

 大春は九児を将来嫁に欲しがっているけど・・・・・・いや、万が一二人が結婚したら当人は幸せかもしれないが、周りは完全に下僕状態の大春が哀れすぎて目も当てられないかもしれない。



八路軍はビンボーです

 林団長と会談するため林団駐屯地を訪れた段旅長。歓迎する林団幹部たちだが、大春らは段旅長らが乗ってきたジープを見て

二勇「なんだ? あの車?」

指導員「あっ、これジープだよ! ジープ!」

大刀「アメリカ製だな。アメリカ軍が国軍にあげたんだろうよ」

二勇「へぇ、いいな」

大春「まったく、不公平だぜ!」

 ジープが珍しい八路軍の兵士たち。しかもうらやましがっています。このまま「なんかむかつくから十円傷(←?)つけちゃえー」とか大人気ないことやりだしても違和感の無いノリです。落書きくらいはしたかもしれない。で、後で林団長らにみっちり叱られる(笑)。なんとなく、『私たちは国共合作を破壊しません』という看板を首から下げて正座(←?)させられている図が目に浮かぶ。

 そんなビンボーな八路軍が好きなんだけどね☆




歴史解説

国民党軍の「スナイパー」と八路軍の「神銃手」

 ドラマ中で竜紹鉄はドイツの軍事学校で狙撃術を学んだとあり、また九児は狩人の家系であるという設定になっている。これには歴史的な根拠がある。

 まず、国民党軍(国軍)であるが、日中戦争前に国民党政府はドイツと親密な関係にあり、若い軍の士官をドイツの軍事学校に留学させていた。そこで特に力を入れたことの一つがスナイパーの養成であった。国民党サイドでは多くの若手士官がドイツで狙撃術を学び、彼らは日中戦争時の上海戦において日本軍を悩ませたという(ただし、竜紹鉄は国の斡旋ではなく、父親の希望でドイツに自費留学したようだ)。


 一方、九児は狩人の出身であるという。

 八路軍には厳密な意味で「スナイパー」と定義できる存在はいないという(なんで定義できないのかはよくわからん)。代わりに、著しく狙撃の腕がいい者を「神銃手」(神業的な銃の使い手)と呼んだ。武器の乏しい八路軍には狙撃専用のライフルは無く、三八式歩兵銃を使っていたことと思われる。

 八路軍もこの「神銃手」の獲得に力を入れた。なぜなら、3話で銭国良がいみじくも指摘している。

銭国良「そりゃ、あいつら(八路軍)弾が足りないんですからね、嫌でも銃の腕前があがりますよ」

 そう、八路軍は貧乏なので銃の弾も慢性的に不足しているのだ(だからよく白兵戦をします)。そんな八路軍にとって少ない弾で確実に敵を仕留める「神銃手」は必須の存在である。しかし、八路軍の幹部の中には日本やソ連の軍事学校で学んだ者もいるが、狙撃術を学んだ者は皆無であったろうし、一般兵士には全く学ぶ機会がなかっただろう。

 そこで八路軍は狩人を生業とする若者たちを積極的に軍に組織した。彼らは銃の腕前が確かなのはもちろん、野山を駆け回ることに慣れているだけでなく、夜間でも自由な行動が出来、自分の気配を殺すことができる一方、相手の気配を敏感に察することができる。後に「神銃手」として賞賛された者の中には多くの狩人出身の兵士がいたと思われる。


 ところで、ドラマ中では国軍と八路軍の射撃練習のシーンでも両者の装備の違いをはっきりさせていておもしろい。

 例えば、竜紹鉄は射撃練習の時、ちゃんと実弾を使っている。しかも竜紹鉄と喧嘩した蘇雲暁などはほとんど自分の苛立ちを発散させるために射撃場で実弾で撃ちまくっている。竜も自分を尾行する文軒の部下を追い払うために、実弾で威嚇射撃をしている。・・・・・・たぶん大春がこれらの光景を見たら怒るだろう。

 一方、大春の射撃練習だが、なんとこちらは実弾を全く使っていない。ただひたすら素振り百回のごとく、弾をこめる(ふりをする)→構える→引き金を引くという動作をいかに早くできるかだけをやっている。・・・・・・とりあえず、銃を構える動作だけは早くなりそうな訓練ではある。それもこれも演習で実弾を使うなどという「ぜいたく」が出来るほど弾丸が無いからであろう。大春から見れば、竜紹鉄や蘇雲暁などは無駄使いもはなはだしいことだろう。

 

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