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2011年6月

2011年6月26日 (日)

『狙撃手』8話 感想

あらすじ



※以下の記事は以前別のブログに書いたものの改編です

 ・・・・・・客観的にあらすじをまとめてみたけど(『狙撃手』8話 あらすじ)・・・・・・充分BLっぽいな(汗)。まあ、これはドラマ自体の本質がそうだということの証かな(えっ?)



 では、今回はまずドラマの中の問題シーンを。

村人のみなさん! 私達は八路軍です! 私達は人民の軍隊です! ここに留まるのは大変危険です。今から根拠地へ避難しましょう。どうか我々を、共産党を信じて、安心してください。みなさん、私達は八路軍です! 私達は人民の軍隊です!

 日本軍に親族を殺され村を破壊されて絶望している村人たちに、八路軍指導員の鄒文が呼びかけるシーン。

 こういうふうに共産党員(あるいは八路軍)が、絶望的な気分になっている民衆に共産党(八路軍)を信じるように呼びかけ、鼓舞し、導こうとする場面は抗日や革命もののドラマ・映画で非常によく見られるシーンです。(それでだいたいこの後、民衆は共産党を信じることにし、奮い立つという展開につながります)


  ところがこのドラマの当該シーンには、八路軍だけでなく竜紹鉄ら国軍の兵士たちもいました。しかも一緒に戦いました。なのに、指導員の台詞は彼らの存在・活躍をまったくきっぱり無視するものです。

 画面は鄒文の調子に乗った(わけではないだろうが、そう聞こえるように演出されている)共産党賛美の声をバックに、その一方的な言い方を満面に不満と怒りの色を浮かべて黙って聞いている国軍兵士たちを前面に出します。

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 明らかに視聴者を民衆や彼らに呼びかけている共産党員ではなく、無視されて忸怩たる思いの国軍(国民党)側に同調させようとする演出です。非常に険悪かつ気まずいシーンです。

 や、革命ものではいっそテンプレとも言える盛り上がりシーンを、視点を少し変えただけでこうも180度逆の後味の悪い場面に作り変えてしまうとは・・・・・・その是非や妥当性はともかくなかなかすごいことでしょう。

 ・・・・・・って言うか、見ているこっちまで空気の重さがはんぱじゃなかったよ・・・・・・。いいのか、このシーン、とか思った。

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 ・・・・・たださ、冷静に考えてみれば、7話のラストで国軍の兵士たちは日本軍に襲われる村人たちを見殺しにしようとしていたんだよね・・・・・・。もちろん進んでそうしようとしていたわけじゃないけど・・・・・・八路軍側が強硬に救助を主張しなければ確実に見殺しにしていたよね。指導員の演説に一番不満を持っている銭国良なんか飛び出していこうとする大春たちに銃を向けてまで止めていたような気が・・・・・・。なのに、村人は八路軍にばかり感謝して俺らはバカを見た、とか文句を言うのはちょっとお門違いなのでは? とか思いました。


 しかしドラマは国軍兵士の言い分ばかり描くわけではありません。

銭国良「竜紹鉄はお偉いさんだし旅長のお気に入りだ。罰なんてうけるものか、代わりに俺たちが犠牲の羊になるに決まっている。きっと何ヶ月分かの給料がなくなるんだ・・・・・・まったくおまえら八路軍はこれをどうしてくれるんだ。俺たち兵士が給料のためにどれだけ苦労していると思っているんだ」

二勇「おまえらは金のために兵士をやっているのかよ、なんて覚悟の無い奴らだ。それにおまえらのその給料っていうのは元は民衆が払った金だ。なのに彼らの危機を救わないなんて、忘恩の輩のやることだぞ」

 と、処罰の心配ばかりする銭ら国軍兵士に八路軍の二勇が反論。二勇ら農民出身であり兵士になった後もそのことに立脚し続ける八路軍兵士には自明でありながら、上官や軍組織との関係ばかり気にする職業軍人がなにを忘れてしまっているかを指摘した場面、と言えると思います。



  さて、もう一つ注目すべきは大春の反応。

 7話ラストで任務を優先して村人を見殺しにしようとした竜紹鉄をさんざん罵って(TV版では長々とした台詞は無かったですが、その表情と声で大春がいかに竜に対して怒りをぶつけたかがわかります)、飛び出していった大春。でも竜紹鉄は結局、加勢に来てくれました。そして戦闘が終わった後、大春は一貫して浮かない顔をしています。


 指導員が国軍の加勢を無視するような発言をして、そのせいで村人たちも竜紹鉄たちには感謝をしていないこともだいぶ気にしているようで、同じ事を気にしていた九児に↓のように言っています。

九児「一緒に戦ったのに、(指導員の)あんな言い方は良くないわ」
大春「ああ、俺もそう思う。・・・・・・付け加えてこいよ」

と九児を促し(この時の大春役の役者さんの真剣に何かを思い悩んでいる表情がすばらしい)、促された九児は村人たちに対して国軍の活躍や竜紹鉄の素晴しさについて訴えます。(←まあ、この九児の演説もわざとらしさがハンパなくてちょっと正視に耐えぬものがありましたが・・・・・・そして竜紹鉄の悪感情が九児一人に対してだけ和らいだのも納得いかんもんがある)


 そして国軍兵士と二勇・大刀の間が険悪になった際には慌てて間に入り、正論を言った二勇はともかくとして、「罰せられるのが嫌なら、そんな反動軍隊辞めてこのまま八路軍に入れば?」と無神経な失言をした大刀には「時と場合を考えろ」と諌めています。


  さらについに竜紹鉄と別れる際には、意を決して彼の元に行き

大春「竜上尉・・・・・・今回のこと、とてもなんと言っていいかわからないけど、とても感謝している」

と言って握手(←言葉では言い表せないことの表れ)を求めます。


 明らかに大春はずっと、竜紹鉄に対して申し訳ない気持ちでいっぱいだったようです。

 きっと戦闘が終わって冷静になった大春はあることに思い至ったのではないかと思います。


 まず、彼は民衆を見殺しにしようとした竜紹鉄のことを「冷血動物、ファシスト」などとさんざん罵りましたが・・・・・・よく考えてみれば、そのような選択をすることが竜紹鉄にとって辛くなかったはずはない、と。

 かつて、逃亡した少年兵を撃ったことを、竜紹鉄にとってどうしようもない選択でありどれだけ辛いことだったかを想像したのは他ならぬ大春でした。むしろあえて村人を見捨てることを言わなければならなかった竜紹鉄の苦痛に今回も気がついたと思います。


 さらに竜紹鉄の「芥川を倒すことで日本軍に与える影響ははかりしれない」という主張は、つまり日本軍に打撃を与えることはもっと広範囲の民衆の利益になる、という主張でもあります。そのために目の前の民衆を見捨ているというのは、大春にはどうしても受け入れられないことでしたが、竜の主張もそれはそれで道理があったことでした。

 この2点だけを見ても、「冷血動物」だとか「ファシスト」だとかいうふうに竜紹鉄を罵るべきではなかった、と大春は思い至ったのだと思います。


 さらに言えば、民衆を助けに行くとき大春は九児に「でもあなたは批判されている身よ! また勝手な行動をしたら・・・」と言われ「俺のことはどうでもいい!」と言い、例えいかなる処罰を八路軍で受けようと民衆を助ける覚悟を決めています。

 しかし、大春が動けば必然的に竜紹鉄の任務も失敗してしまい、そして竜は竜でその責任を国軍で問われることになるのです。そして自分たちが竜紹鉄を巻き込んだにも関わらず、八路軍に属する大春がそれを肩代わりするわけにはいかない・・・・・・。(まあ、竜も八路軍をあくまで強硬におし留めなかったので責任は発生しますが)

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 竜紹鉄らの加勢で日本軍に勝利した大春だけど、そこに晴れがましい気持ちは少しもあないようです。まして、竜紹鉄らの加勢を当然視し、最終的に国軍が八路軍の論理に屈服したなどというふうにもちろん考えていません。

 私、ここが大春のいいところだと思うのですが。
 

 大春は民衆を助けることを優先したこと自体は間違っているとも思わないし、後悔もしていないでしょう。たぶん、事前に竜が責任を問われることに気づいていても、同じ選択をしたと思います。

 しかし冷静になった時、自分の選択がいかなる結果をまねいたか(肩代わりできない責任を竜に負わせた)、そしてたとえ正しいことでも言うべきではない(「ファシスト」だのなんだの)ことがあることに自ら気づいたのでしょう。それは自らの「正義感」「信念」を大事にしながらも、それがもたらす別の側面についても考え至ることができるということです。

 ・・・・・・まあ、後30分くらい早く気づけばもっと良かったのですけどね(笑) 





ピックアップ場面



死への衝動、生の呼びかけ 


 さて、そうこうするうちに芥川の狙撃によって重傷を負った竜紹鉄は、部下に自分を置いて逃げるよう命じ、あくまで竜を助けようとする大春にも「俺にかまうな・・・戦場で死ぬのは軍人にとって光栄なこと」と言います。

 それに対して大春は必死で竜を助けようとし、瀕死の彼が意識を失ってしまわないよう呼びかけ続けます。

 しかし八路軍の病院で手術を受けても竜紹鉄は相変わらず危険な状態が続き、看護兵の小梅は大春らにこう告げる。

小梅「医者の先生が言っていたわ。この人には生きようとする意志が弱い、あまり生きたいとは思っていないようだ、って」

 おそらく4年前に村が日本軍に襲われ自分のせいで村人が虐殺された時から、竜紹鉄には生きようとする意志があまりなくなったのではないでしょうか。しかも最近は立て続けに耐え難いことに見舞われ、ますますその傾向が強まったのではないかと思います。

 しかし、日本軍と戦うという使命を負った身として積極的に自殺することはできない。それでも心のどこかで死んでこの辛さから逃げてしまいたい、という願望が深層心理の中にあったのかもしれません。

 
 ならばいったいどうやって死ぬか?

 
 その彼の秘かな願望を叶えてくれるかもしれない存在が芥川だったのではないでしょうか? 

 竜紹鉄は、自分を殺してくれる存在として、それにふさわしい相手として芥川に魅かれていた、と考えるとおもしろいかもしれません。

 言うなれば、芥川は竜自身の死への願望の象徴的存在であり、そして8話目にしてついに彼を死の淵に突き落としてくれました。


 しかし、生命には死に抗い、生きようとする力もまた同時に存在します。

竜「このまま安らかに死なせてくれ」(小説版)

とまで言う竜の意思を強引に無視して、大春は竜を救うために死力を尽くします。竜を背負って逃げながら、何度も何度も「生きろ!」と叫び続けます。手術後、意識の戻らない竜紹鉄に

大春「戦争の中で、死ぬのは生きるよりもずっと楽なことだ」

と呼びかけ、楽な道に逃げようとする竜紹鉄を生の側に引きずり戻そうとします。


 芥川が竜にとって「死」の象徴なら、大春は「生」の象徴なのでしょう。

 竜紹鉄の中でこの二人のどちらの存在が大きくなるかは、単に人間関係の問題だけではなく、竜の死生観の変化と密接に関わるように思えます。

2011年6月25日 (土)

コメントレス(>「ドラマ規制の腐女子的見解」へ)

※以下には腐女子話題があります。

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2011年6月21日 (火)

シスター蒋介石

 私の住んでいる所でも『建党偉業』が公開されております。

 見に行く気はほぼありませんでした。

 2009年に『建国大業』が公開された時、先に見た友人の「映画館で見るもんじゃないよ~」という忠告をスルーして映画館で見て・・・・・・さすがの中国近現代史スキーの私も相当苦痛だったので(まだ終わんないのかよ、これ! 、って思っていた)。

 その姉妹編である『建党偉業』もまた映画館で見るようなものではないでしょう(どうせ建党時期の話じゃ林彪も出ないだろうし)。



 
 が。

 こちらに紹介されていた映画の蒋介石の画像見て気が変わりました。

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ドラマ規制の腐女子的見解(あまりに電波なので後で消すかも)

 もう旧聞に属することですが、7月の中国共産党誕生90周年にあわせてこんな通達がTV界に出されています。

 【5月6日 AFP】中国当局がこのほど国内テレビ局に対し、5月~7月に犯罪や恋愛、スパイ活動を扱ったドラマを放映しないようにとの通達を出したと、国営英字紙・環球時報(Global Times)が6日、報じた。

 7月1日の中国共産党創立90周年を前に、中国の放送監視機関「国家広播電影電視総局(State Administration of Radio, Film and TelevisionSARFT)」が4月末に出した通達で、代わりに愛国的ドラマを放映するよう求めている。好ましいドラマとして、創成期の中国共産党を描いた歴史ドラマ「東方」など、40本を奨励しているという。

 前月には、中国王朝時代へのタイムトラベルを扱ったドラマの放映を禁じる通達が出されたと報じられたばかり。このとき当局者は、登場人物が過去の時代へ行くタイムトラベル物は「歴史への敬意に欠ける」と説明していたとされる。

 環球時報は、浙江(Zhejiang)省の衛星テレビ局職員の話として、全テレビ局は5月から3か月間、中国共産党の創立か人民解放軍に関する番組を集中放映することになると伝えた。(c)AFP

http://www.afpbb.com/article/politics/2798529/7180794

 え~と、先に一言事実関係をつっこんでおくと、ここに例示されている『東方』は、「創生期の中国共産党を描いた話」では全くありません。1949年の建国から1957年までの社会主義国建設期のあれこれを描いたものです(たぶん大元の中国紙はちゃんと伝えているんでしょうが、AFBが報じる段階で間違いが生じたのでしょう)。

 もちろん私は建国後の林彪というレアなものを見たい一心でこの『東方』DVDを買いました。

 ちなみに建国以後のことを革命幹部を中心に据えて総合的に描いたドラマは極めて珍しいと思います。オリジナル人物が主人公のドラマや石油開発,国民党残党討伐で革命幹部を断片的に描くドラマはありましたけど。

 ・・・・・・今冒頭とラストだけ見ましたが、あまりのどうしようも無さに年末企画の映画・ドラマランキングで早くもワースト作品賞第一位に8割がた決定しております(あとの候補はまだ見てないけど映画『建党偉業』と冒頭10分だけ見たドラマ『紅色揺籃』)。

 
 

 で、本題の記事に戻ると・・・・・・まあ、何というか、何というかですね。

 これに対するマトモな批判は各所で展開されているようですので、ここではそれは置いといてマトモじゃない話でも。(マトモな批判を見たい人はよそに当たってください)

以下、腐女子な話しかないですよ。(いろいろ差し障りがありまくるので人名などひらがな表記します、もちろん反転)とっても電波すぎる内容となっています。

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2011年6月18日 (土)

『狙撃手』8話 あらすじ

あらすじ

 日本軍に襲われる村人の救援にかけつける八路軍竜紹鉄も部隊を率いて八路軍に加勢し、九児を窮地から救う。

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あいかわらず白兵戦場面は凄惨

 大春は竜紹鉄の加勢に驚き、感謝する。一方秘かに行動していた芥川もこの事態に気付いていた。

 段旅(新八旅)では張脆文軒に、竜紹鉄は八路軍とともに何かの作戦に従事していることを告げた。文軒は竜紹鉄や段之凡旅長に欺かれたことに怒り、また彼らが八路軍と親密すぎることを憂慮するが、大局を見て重慶方面への報告は控えた。

 日本軍の撃退に成功したものの被害が甚大な村人たちを九児らは慰め、再び日本軍の増援が来る前に彼らを抗日根拠地に避難させることにする。指導員の鄒文は村人たちに向かって、八路軍と共産党を信頼するよう呼びかけ、彼らの避難を主導する。しかし自分たちの戦いは無視するようなこの言い方に竜紹鉄や国軍の兵士は大いに不満を覚える。

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八路軍のやり方に不満を隠せない国軍兵士たち

 九児は一緒に戦ったのにこのような言い方は不公平だと大春に言い、大春も同意する。大春に促された九児は、村人達に竜紹鉄や国軍の活躍を告げ彼らに対しても感謝するよう頼む。

 それを聞いた竜紹鉄は九児に対しては少しわだかまりを解く。しかし、八路軍に協力して作戦を失敗させたから処罰を受けるだろうと不満を漏らす銭国良ら国軍兵士と民衆を助けるのは当然という二勇やいっそ八路軍への参加を勧める大刀の間に険悪な空気が生まれる。竜紹鉄はすべての処罰は自分が受けると言って部下を安心させ、大春は竜に迷惑をかけてしまったことにますますいたたまれない気持ちになる。

 段旅では文軒が蘇雲暁に、竜紹鉄の今回の謎の作戦に対する不満を吐露していた。しかし、蘇雲暁は突然、竜紹鉄が芥川を狙いにいったのだとしたら逆に竜の身が危ないと言い出し、どこかに飛び出して行ってしまう。


 民衆を連れて抗日根拠地に向かう八路軍と段旅に戻る竜紹鉄の部隊。

 九児は彼が責任を問われないよう段旅長に今回の作戦の失敗について説明したいと申し出るものの竜紹鉄に断られてしまう。大春も竜に対して心からの礼と謝罪をしようとするが、冷たい反応しか帰ってこない。

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大春は「言葉では感謝の気持ちを表せない」と握手を求めるが拒絶されてしまう

 一方、ずっと竜紹鉄をつけ狙っていた芥川は、竜が仲間から離れた時に彼を狙い撃つ。竜紹鉄は一瞬早くそれに気づくものの胸部を撃ち抜かれて倒れる。さらに日本軍の増援部隊が彼らに襲いかかる。大春は銭国良らとともに応戦しながら、救援を呼んでくるよう九児を林団に走らせる。

 重傷の竜紹鉄は力を振り絞り、応戦する部下たちに自分を置いて撤退するよう命じる。日本軍の猛攻の前に銭国良もそうするより他にしかたがないとするが、大春はその一言に怒り、国軍ではない自分にはそんな命令に従う義務はない、と強引に竜紹鉄を背負って逃げる。

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竜を置いて逃げるのは彼自身からの命令だ、と怒鳴る銭とそれを拒否する大春

 大春は背中の瀕死の竜が意識を失ってしまわないよう必死に呼びかけ続ける。その中で、竜紹鉄の九児に対する気持ちを指摘し、九児は戦争が終わったら自分と結婚するのだ、と釘をさす。しかし、竜紹鉄からはなんの反応もかえってこない。

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瀕死の竜を背負って逃げる大春

 しかし芥川の名を聞くと、竜はわずかに意識を取り戻した。大春は竜紹鉄が死んだら、自分のライバルがいなくなるし九児も哀しむ、だからがんばれと呼びかけるが、竜は蘇雲暁のことを思いながら再び死の淵の中に飲まれていってしまう。

 大春は足をすべらせて竜紹鉄ごと斜面を落ちてしまう。竜紹鉄の命の火はほとんど消えかけようとしていた。大春は必死で呼びかけ、竜紹鉄が生きてくれるなら九児との仲を認めてもいい、とまで言うが、そこに日本軍が追いついてくる。しかし、そこに八路軍の増援を連れてきた九児と部隊を引き連れて駆けつけた蘇雲暁が現れて日本軍と交戦し、竜は林団へ送られる。

  林団の病院で手術を受ける竜紹鉄。銭国良たちは大春に竜を頼み段旅に戻るが、石頭はその場に残る。

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銭国良から竜紹鉄を託される大春

 銭国良から竜紹鉄が極めて危険な状態にあると聞いた蘇雲暁はその場で気絶してしまう。竜の容態を聞いた文軒は、今後の士気の低下を心配し、段旅長は文軒がすでに竜を戦死扱いすることに怒りを露にする。

 手術は終わっても危険な状態が続く竜紹鉄。大春、九児、石頭は、「あとは当人の気力の問題だが、竜は生きたいと思っていないようだ」という医者の言葉を衛生員の小梅から聞いてショックを受ける。

 大春は意識の戻らない竜に「死ぬのは生きることよりも簡単だ」と語りかけるが、反応の無いことに耐えられず病室を飛び出してしまう。石頭は、段旅に戻ることを拒否し、「長官は任務を終えるといつもこうしていた」と、泣きながら竜の足を洗う。しかし段旅の人間は留まってはいけないと、無理やり連れ出されてしまう。

 蘇雲暁は「彼が死んだ」と放心状態で自らの腕をナイフで切り刻む。さらにそれを止めた文軒に、「彼が死んで満足か」と当たり、「彼は忘れることのできない男だ」と言って夫を傷つける。

2011年6月14日 (火)

『鉄道遊撃隊』4話「飛賊・李九」 5話「汽車に飛び乗り銃を奪う」 あらすじ

あらすじ

※中国人=青,日本人・日本軍=緑で表記しています


 李九は弟子の彭亮から、やはり劉洪が「洋行」襲撃の真犯人であることを知り、彼らと縁を切るよう迫るが彭亮は納得できない。その結果、李九は妹の藍妮と彭亮の交際に反対するにいたる。

  さらに彭亮は事情を知らない魯漢から王強もその味方をする劉洪も彭亮も「漢奸」だと罵られてしまう。我慢ならなくなった彭亮は、「洋行」を襲ったのは自分達だと言ってしまう。 

 真相を知り気持ちが晴れた魯漢は、久しぶりに自分達のシマである賭博場に顔を出す。しかし、そこでは田六子をはじめとした近隣の町・臨城の若者たちが幅をきかせていた。怒った魯漢ら棗庄の男たちと田六子らは乱闘になるが、劉洪がやって来て仲裁する。「泣く子も黙る」劉洪の名は近隣に知れ渡っており、田六子らも彼への畏敬から礼をもって去っていく。

 退院した金山は新しく「洋行」の責任者に任命される。金山は中国人に日本の経済力と威信を示すため「洋行」で日本物産展を開くことにする。山東の山本司令官もそれに賛成し、協力を約束。一方、王強はこれ以上金山とつき合いたくない思いから、「洋行」を辞めることを考えるが、日本軍の武器や物資の運輸を探るための重要な役目だと説得され、自分の役割を自覚する。

 「洋行」で盛大に開催される日本物産展。

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盛大に演出される「中日親善」の日本物産展

様子を見に来た藍妮は、そこで物産展の目玉として展示されている二羽のオウムの名が『紅杏』と『紫玉』であると知り、李九に知らせに行く。

 一方、日本軍は中日親善を演出するため、炭鉱などを休業させ労働者を参観させる。「洋行」を辞めた後、炭鉱で働いていた魯漢と小坡は参観を渋るが特務隊の二牛から言葉を喋る鳥がいると聞き、見に行くことにする。魯漢と小坡は誤解を解いた王強に頼んでまた「洋行」で働かせてもらう。しかし、オウムが何者かに盗まれ、会場は大騒ぎになる。

 日本軍は中国人特務隊を使って犯人を捜す。特務隊長の張三と副隊長の二牛は列車の中を捜すが、そこには李九が堂々と盗んだオウムを持って乗り込んでいた。

Cap1295

特務隊に囲まれても堂々とした態度を崩さない李九

張三らは李九を逮捕しようとするが彼は超人的武術の達人。特務隊の隊員は次々と倒され、張三と二牛もコテンパンにされたあげく、悠々と逃げられてしまう。

 ある大邸宅にやってきた李九は、そこにいた美しい恋人・紫玉と再会を喜び、オウムを渡す。このオウムは元々彼女の死んだ父のものであったのだ。

 

 劉洪は司令部との連絡に成功し、本格的に抗日部隊を組織することにする。その最初の隊員として劉洪は王強,魯漢,小坡,彭亮そして林忠という投げナイフの達人を仲間に加えることにする。 

 しかし、その林忠には博打中毒という悪癖があり、その日も家族が泣いて止めるのを振り切って家の財産を持ち出し賭博場に向かう。しかし、日本軍からそれが盗んだ品ではないかと言いがかりをつけられて窮地に陥り、投げナイフ技でその場を逃げ、王強の仕事場に逃げ込む。王強は彼を匿い、追ってきた特務隊が仕事を邪魔すると金山に告げ追い払わせる。救われた林忠は、喜んで劉洪の仲間に加わる。

 劉洪,王強,魯漢,小坡,彭亮,林忠は抗日組織を結成し、杯を交わして仲間(義兄弟)の誓いをたてる。

Cap1304

杯を交わして義兄弟の契りを交わし、抗日闘争へ乗り出す6人

 ある日、「洋行」は日本軍より銃と弾薬を列車で輸送する仕事を引き受ける。王強からそれを聞いた劉洪は、列車に忍び込み武器を奪う計画を立てる。

 深夜、劉洪は<爬車>で走る列車に飛び乗り、王強が目印をつけた貨物車両をこじあけ、中の武器弾薬を次々外に放り投げ、待機していた魯漢らがそれを回収して隠す。

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列車に飛び乗った劉洪は貨物車両から次々運搬中の日本軍の武器を投げ落とす

 翌日、武器の盗難を知った憲兵隊は今度こそ王強を犯人として連行する。それを目の当たりにした「洋行」の中国人労働者たちも仕事を放棄して逃げ出してしまう。作業を台無しにされた金山は、猛然と憲兵隊に抗議に行き王強を奪還する。

 劉洪たちは奪った武器を山地でゲリラ活動をする中共軍に届けに行くが、その途上で運悪く日本軍と鉢合わせしそうになる。劉洪は自分がおとりとなって日本軍に追われ、ちょうど葬式の列に出くわす。

Cap1310

劉洪が出くわした山東の葬列

 葬られる男の妻であった芳林嫂は、劉洪が日本軍に追われているのを悟って、とっさに彼を葬列の中に匿う。日本軍は葬列を捜索しようとするが、芳林嫂は「日本軍は自分の夫を殺し、その葬式まで邪魔するのか」と泣き喚き場をうやむやにする。日本軍が去った後、劉洪は芳林嫂に礼を言い、「あなたの夫の仇は私が討とう」と言って去っていく。

 

2011年6月12日 (日)

『地道戦』後半 感想

 先日、近くの図書館で『地道戦』の上映会やっていたので見てきてしまいましたーsnow

 しかも無料。最近は共産党誕生90年の関連で近くの図書館で良くこの手の映画の上映会やっとるのですよ。 

 いやぁ、せっかくの機会だからちょっと大画面で『地道戦』見てぇ~、と思いまして。。まあ、上映を企画した側は、国民に共産党のすんばらしさを宣伝するのが目的で、日本人オタク女が見に来るとは一ミクロンも想定していなかったでしょうが。

 で、こんな60年代の人民戦争勝利万歳映画(いや、いい映画ではあるのですが)今更無料でも誰も見ないだろうなぁ~、と思って開始時間に行ってみたら予想通り私を入れて5人しか入ってなくて吹いた(しかも一人は日本人だしな)。でもまあ、それでもその後ちらほら見に来る人が増えて最終的には20人前後入りましたが・・・・・・まあ、無料でもこれだけかよって話ですが。


 それはともかく、大画面で見る『地道戦』はやっぱりなかなか良かったです。特に冒頭の緊急事態を告げる鐘の音が村に響き渡る場面、一面の麦畑の穂が風にたなびく中を主人公が負傷した村長を背負って戻ってくるシーン・・・・・・もう不吉さがハンパじゃなくてすごいシーンです。

 でも一番すごいのは、そうやって観客の不安が極限に達したところで始まる日本軍の侵攻シーン。これは本当に名シーン。

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 私は今まで多くの抗日モノを見てきて、その中で日本軍の残虐行為を克明に描く作品も見てきましたが・・・・・・でもそれらと比べても『地道戦』のこのシーンは印象に深く残ります(<戦闘シーン>では『狙撃手』の11話~12話が屈指なのですが)。べつに『地道戦』は他の作品と比べて日本軍の残虐シーンを克明に描いてはいないのですが(むしろ描いていない)、この日本軍が「突撃!」の声とともに大挙して平原を駆け抜けていくシーンがもうゾクゾクするほど怖い。しかも白黒映像なんでかえって臨場感がすごいことに・・・・・・。住民にとっていかに日本軍が恐ろしい存在だったが、百の残虐行為を描くよりも、この進撃シーンが如実に語りつくしているのですよ。大量の火薬や流血に頼らなくてもそういうのは表現できるのです。

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 後で書きますが、最近この映画『地道戦』をリメイクしたTVドラマ『地道戦』を見たのですけど・・・・・・やはりあの冒頭の日本軍進撃シーンははずせないシーンであったのか、第一話で展開から構図まで忠実に再現しようとしていました・・・・・・でもカラーなのに全然印象深くないんですよね(笑)。

 で、映画を通しで見た感想ですけど、全体として良い出来であるという評価は変わりませんが、やはり冒頭のインパクトが強すぎるのか、どうもだんだんと勢いが失速している感は否めなかったかなぁ、と。特に中盤はちょっと中だるみ気味になりましたね。



 と、前フリが長くなりましたが、長らく遅れていた映画『地道戦』レビューの最後、後半の感想を書いていきます。


※以下、映画『地道戦』のラストまでのネタばれを含みます。

続きを読む "『地道戦』後半 感想" »

コメントレス(追記あり)

>6月2日「ブログの説明とお願い」へコメントくださった方



 はじめまして! コメントくださりどうもありがとうございます。

 高希希監督の『三国志』がきっかけで『狙撃手』にも興味持っていただけましたか。わざわざ検索で拙ブログを見つけていただき、しかも「ツボ」と言っていただき嬉しいかぎりです。・・・・・・いや、特にあの電波な腐視点解説はいったい誰が引かずに読んでくれるのかと自分でも大いに疑問だったので・・・・・・今後ますます電波が強くなるかもしれませんが、どうぞ引かずにまた遊びに来てください。

 私は中国史全般的に好きで、高希希監督の『三国史』も気になっているのですが、いかんせんあの長さと一番の興味の対象である中国近現代史ドラマを追うのに忙しくて、なかなか手が出せないでいるのですよ。でもやはり于賓の演技はすばらしいのですね、しかも二勇と実の兄弟! これはやはり見なければいけないですね。

 『狙撃手』記事では主要人物の動きを追うのに手一杯でなかなか言及できませんが、二勇も良いキャラです。可愛い顔してけっこう過激な子(笑)です(大春が日本軍から銃を盗みたいと思っているのを聞いてソッコーで「やろう!」と言ったり、大春が危機に陥って待機を命じられていた他の部下がどうすればいいか迷っていた時に真っ先に飛び出して助けに行ったり)。

 二勇は大春を本当の兄のように慕っているし、大春も兄貴風を吹かせまくり(笑)なんです。例えば二勇はこの時代の一般的な農民として文字の読み書きができないのですが、大春はかろうじて読み書きできるのですよ。でも簡単なことではないので、上層部への戦闘報告書も書くの嫌がってなんとか口頭だけですまそうとするのですね。そんな書き物嫌いの大春が、二勇の故郷の母親への手紙はいつも辞書と格闘しながら代筆してあげるのですよ。二勇の給料の使い道も指導します、「兄貴の言うことを聞け」って言って。

 その二人が『三国志』では実の兄弟ですか! それも曹操の息子,S。高希希監督もやってくれますね。

 それでは、コメントありがとうございました。更新速度遅いですが、また来てください(実は『狙撃手』解説記事はfc2の別ブログに書いていた記事を訂正転載しているもので、別ブログの方では17話まで紹介が済んでいるのですが、諸事情によりこっちのブログでその別ブロのアドレス紹介は控えています。もしそちらも見たいけど検索で見つからない、ということでしたら、改めてご案内いたします)





追記

>6月8日 コメントレスへコメントくださった方

 再びコメントありがとうございます&こちらでのレスで失礼します。

 『三国志』の情報ありがとうございました! おかげで見るべきポイントが分かって助かりました。案の定、曹操にいたぶられる~の箇所に思いっきり反応してしまった私を許してください(笑)

 さっそくいたぶり祭りのある61話から見ましたよ。その後、59話~61話あたりをまとめて見ました。曹丕@于賓、なかなか良かったですね。特に61話の曹操に髪留め(?)を切られ、髪が乱れたあたりから萌えが加速しました。『狙撃手』でも思ったのですが、于賓は泣いている顔がなかなか可愛いと思います。二勇役の李継春もまた『狙撃手』とは全然イメージ違う役で大春(←違う)と絡んでおもしろかったです。・・・・・・そして曹丕と仲達がちょっといい雰囲気かと(すみません)。

 それにしても曹操はいい息子さんを持ちましたねぇ。そして、ちょっと曹操は信長っぽいかな、と思いました。あの曹操の息子やってたら胃にいくつ穴が空いても足りなそうです。



 『狙撃手』もどうぞごゆっくりお楽しみください。私は『狙撃手』の大ファンなので、ドラマを見てくれる人が増えて嬉しいかぎりです。・・・・・・そして私の気が違った別ブロもご覧いただきありがとうございました。引かないでいただけると幸いです・・・・・・あっちのブログは今私がいる中国から閲覧も管理画面へのアクセスもできないので帰国まで放置状態ですが。

 ブログではいつも萌え萌え言っていますが、このドラマはけっこう戦争描写キツイのでご注意ください。特に11話~12話がキツイですね(その分、監督の本気度が伝わってきますが)。あと、通しで見ると、けっこうご都合主義的なストーリー展開に気づかれてしまうかもしれません(汗)

 ちなみに大春と竜紹鉄に注目すると、8話(後半)と12話(後半)~13話(冒頭)が神回です(笑)

 それではまた遊びに来てください。もし何か『狙撃手』で分からない箇所などありましたら、お気軽に質問してください。

2011年6月 8日 (水)

『狙撃手』6話~7話 BL感想

 今回のあらすじ。

 竜紹鉄の元へ夜這いに行った芥川君。しかし、こんな深夜に段旅長が竜の部屋にいることに激怒した芥川君は旅長の殺害を計るものの、やっぱり夜這いにやってきた大春と鉢合わせし人の家(段旅本部)で銃撃戦に・・・・・・。

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2011年6月 5日 (日)

『狙撃手』6話~7話 感想

感想


 今回の見所は芥川の段旅本部への奇襲、竜紹鉄と九児の出会いと突然の恋愛フラグそして大春の大ポカでしょうね。


 まず、段旅本部への殴り込みという芥川の大胆不敵さが描かれ、暗闇の中での銃撃戦が楽しめます。そして夜間射撃は得意ではない竜紹鉄の欠点を補うがごとく、狩人の家系で暗黒の中でも音と気配によって相手の場所を正確につかむことのできる銃の使い手・女八路の九児が颯爽と登場。狩人の出身、鋭い感覚、女スナイパーと実に八路軍らしい設定のキャラクターです。

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九児は音と気配で敵のい居場所をつかむ

 で、ここで何の脈絡もなく(笑)この九児と竜紹鉄は出会った瞬間に魅かれあいいい感じな雰囲気になってしまうという展開に・・・・・・・・・・・・。

 ・・・・・・う~ん、なんというか、その恋の落ち方の脈略の無い唐突さといい、この二人の良く言えば清純さ、悪く言えばもどかしさは見ていてとてもむずがゆくなります(汗)。別に私が腐だから男女カプを嫌うわけではないのですが(むしろ好きですよ)・・・・・・なんともわざとらしくぎこちない恋愛関係なもので(笑)。ぶっちゃけあんまリアリティを感じませんね。竜紹鉄と蘇雲暁の関係も毎回毎回なんの変化もなくグダグダですし、もうちっと男女関係の描写はなんとかならないものかと思います。


 この展開にたまらないのが大春。彼はどうやら昔から九児のことが好きで、将来嫁に迎える予定だった模様。たしか大春は3話で「俺の嫁はどこ?」とか言っていたけど、九児のことだったんですね(「俺の嫁」って・・・・・・)。でも九児からはまったくこれっぽちも相手にされていない模様・・・・・・。

 その大春は、7話で「小さな鏡のついた銃」(狙撃用ライフル)欲しさに団の上層部には内緒で日本軍駐屯地に盗みに入ろうとしたあげく、失敗して仲間を死なせてしまうというありえないくらい馬鹿なまねをしてしまいます。

 ・・・・・・いや、これは本当に馬鹿ですね、成功するわけないだろ、って。

 これは与えられた任務の中で判断をミスってとか、功を焦って無茶な作戦をやってとかの結果、死ななくても良かった仲間を死なせてしまった、とかいう類のものとはまったく違います。許可がおりなかったため、団長らには秘密で私欲のために行った勝手な行動の結果です。仲間の死は戦争のためでも任務のためでもないものでした。

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大春の私欲に基づく勝手な行動で仲間が死んでしまう

 芥川の段旅襲撃騒ぎで中断されましたが、5話のラストで大春と部下達が向かおうとしていたのは日本軍駐屯地だったんですね。その時もみんなまるでちょっとしたスリルある冒険に行くような軽い気持ちでいるように見えました。それがこのような惨事になったわけです。


 八路軍が駐屯地近くまで来て銃撃戦となった、と聞いた大野と芥川は

芥川「八路が奇襲? あんな少人数で?」

大野「八路軍はずるがしこい。何かたくらんでいるのかもしれない。深追いは禁物だ」

 と、言っていますが・・・・・・いや、何かたくらんでいるのではなくて、むしろ何も考えてませんから! (しかし、大野のその勘違いな警戒心のおかげで大春らは追われずに逃げ切れたのだから笑える。「待て、これは孔明の罠だ」ですね)


 大事な仲間が死んだことで、大春はやっと自分が取り返しのつかないことをしたのに気がつき深く悔やみます。林団長に自分を銃殺刑に処してほしいとさえ頼みますが「おまえに自分を銃殺刑にするかどうかの権限を持っているとでも思うか!」と一喝されます。その後も再び自分を銃殺刑を希望しますが、林団長はそれを厳しく批判。

  この時の林団長の言葉がいい。

林団長「そんなに死にたいか。おまえはただ死んで自責の念から楽になりたいだけだ。・・・・・・泣くな! 泣いても戦友の命は返ってこない。どうしてこんなことになったのか、おまえは心から考え抜かなければならない。何度注意してもおまえは聞く耳を持たなかったが、今まで何事も起きなかったのはただ運が良かったからに過ぎない。しかし、ひとたび何か起これば、このような取り返しのつかないことになる。・・・・・・同志、我々は戦争をしているのだ。愛すべき戦士たちの命は我々指揮者の手に預けられている。おまえはほんの少しでもいい加減であってはならなかった。それがわからないのか!」

 その後、九児たちの嘆願もあって大春は連長から一般兵への降格処分だけで済みますが(この処分は軽すぎるように思えますが、死んだ二人は大春を救おうとして死んだのですし、そういうこともあって「最も厳しい処分」は避けられたのでしょう)、これを境に大春は人としても戦士としても格段に成長していく感がありますね。まあ、これだけやって成長しなかったら救いようのない馬鹿ですが。

 大春役の于賓も「大春は彼のあまりに軽率な行為で仲間を死なせて以来、よく反省し、成長した」と言っていますし。

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泣きながら自らの過ちを悔やむ大春



 ところで、大春はこの時点ですでに軍歴10年近くという設定です(彼の年齢に関する考察はまたいつか)。中国のネット上でもいくつか同様の疑問をみかけたのですが、そんな「老兵」である彼がこんな馬鹿な成功するはずもないことをやるでしょうか? これを監督のご都合主義、脚本のミスという声もありますが・・・・・・ちょっと好意的に解釈してみましょう。

 まず過ちを犯すことが大春の成長に必要な展開という理由だけでしたら、それこそ正規の任務の中で何か過ちを犯させて自省させるという話でも良かったはずです。しかし、大春がこんな馬鹿なまねをしたのも竜紹鉄が持つ「鏡のついた銃」(ドイツ製の98Kという種類みたいです)を見て以来、すっかりそれの虜になり自分も同じのが欲しくてたまらなくなったからです。

 貧弱な武器しかない八路軍の大春にとって、国軍や日本軍の武器は羨望の的であり、そんな武器があれば自分もひとかどの戦士になれると思ったのかもしれません。いわば「立派な武器」を手にすることにとりつかれていたのでしょう。

 4話で竜紹鉄は蘇雲暁から「あなたは自責の念にかられているように見えて、本当は(戦争を)楽しんでいるのよ!」と言われ、視聴者に竜紹鉄が実は戦争の魔力に絡め取られている可能性が示唆されています。同様に、大春が武器へ執着し老兵である彼をしてあまりに愚かな行動をさせてしまうほどに目が眩んでいるのは、彼が戦争の魔力にとりつかれていることの象徴だったのかもしれません。




 さて、そんな騒動はあったものの、芥川を倒すため段旅と林団は再び共同戦線。竜紹鉄の国軍部隊と一兵士となった大春が所属する部隊は、芥川が出没するという場所へ向かいます。

 そして、その途上でついに国軍と八路軍の対立が発生!

 ・・・・・・まあ、最初からあまり仲良くなかったですけどね。

 急行&隠密で行動しなければならない時に、両部隊はとある村が日本軍に襲われ、民衆が虐殺されているのを目撃してしまいます。 ここでどうするか? は両部隊ではっきりと別れます。


 芥川を倒すための千載一隅のチャンスを逃すわけにはいかない、とする竜紹鉄は

「芥川を倒すのは、日本軍の中隊を一つつぶすのと同じくらい価値がある」

「我々軍人が責任を負うのは任務に対してであって、他のことまで責任を負えない」

と主張します。その声は苦渋に満ち、また大春の怒りの声に対して怒鳴り返していますが、それは民衆を見殺しにしようとする彼の良心の咎めによるものなのでしょう。

 彼の論理は完全に「軍人」の論理と言えます。彼からすれば、芥川を倒すことは今後の戦いにおいて自軍を有利にすることであり、引いては今その作戦を壊して助ける民衆よりもより多くの民衆を救うことに繋がる、という論理なのでしょう。


 一方、目の前で殺されていく人々を見捨てることができず(しかもそれは彼らの知り合いだ)、また民衆に基盤を置く八路軍の大春は竜紹鉄の対応に怒り狂い

「おまえはあれが見えないっていうのかよ!」

「おまえのその狙撃術はなんのためにあるんだ!」

「この冷血動物! ドイツのファシストが生んだ小ファシスト!」(小説版)

とかなりの勢いで竜紹鉄を罵倒します。

 国軍と八路軍のあり方に基づくとも言える両者の論理の違いが真っ向から衝突し、ついには互いに銃を向けるまでになってしまったのだが・・・・・・。

 竜紹鉄の言い分には道理がある。それが認める。しかし、もし私がその場に居合わせたのなら・・・・・・やはりどんな理由があっても何と言われようと大春の側に立つかな。

 大春は、「おまえは何のために戦うのか」と問うている。





ピックアップ場面


夫婦漫才

 さて、深刻な話ばかりでなく、ここらで大春と九児の夫婦漫才(いや、夫婦じゃないけど夫婦漫才な感じ)でも。

 まず、芥川の襲撃を退けた後、竜紹鉄と初めてあった九児(足を負傷)の感想。

九児「なんだかあの人、かわいそうな人に見えるわ」

大春「あっ? おまえ頭も怪我したのかよ?」

 なかなかうまい掛け合いですね(違う)。



 続いて八路軍に戻ってきた九児は、衛生員の少女・小梅に手当てを受けるが、そこに大春が見舞いに来て

大春「そうだ、小梅。俺は九児と任務のことで話があるんだ。おまえがいると都合が悪い。はい、出て行って出て行って」

小梅「ええ、ちょっと連長ぉ・・・・・・」

大春、小梅の背中を押して外に出す。

九児「大春! 小梅はあなたのこと気にしているのよ。あなたが任務に出ている間はいつもとても心配しているわ。なのに、その態度はないでしょ?」

大春「へぇ? そりゃな、昔から「美女は英雄を愛す」って言うだろ? おまえに教えておいてやるけどな、俺のこと気になっているのは小梅だけじゃないぞ。町のたくさんのお嬢さんや女学生が俺のこと英雄だった憧れているんだ」

九児「あら、本当? あなたもやっと女運が良くなったのね。おめでとう」

 ・・・・・・あれ? っていう顔になる大春。

 俺って超モテるんだから! とうぬぼれるのはいかにも大春らしいけど、ここはちょっと九児に嫉妬させてやろうという気持ちもあったんでしょうね。なのに九児ときたら本気で全く微塵も一ミリグラムも嫉妬せず、おもしろがって「おめでとう」と言う始末。笑える。


  さて、九児は足を負傷していたため、昨晩は段旅の医務室に泊まらざるをえませんでした。そこで竜紹鉄と九児が二人きりで会ったことを知っていた大春は、いかにもさりげないふうを装って(だがかえって気になって気になって仕方ない様子が丸分かりなのだが)聞きます。

大春「なあ、昨日、あの竜大少爺(竜紹鉄のこと)と二人で話したんだろ? ・・・・・・何を話したんだ?」

九児「彼は段旅長に連れられて、病院にお礼を言いに来たのよ」

大春「・・・・・・で、なにを話したんだ?」

九児「ん~、べつに何も話してないわ。彼はとても無口な人みたい。私は話しながら眠ってしまったくらいよ」

大春「えっ・・・えっ! 眠った!? あいつがまだそこにいるのに!?えっ、で、で、あいつは何をしたんだ、なあ?」

九児「知らないわよ、私は眠っていたんだから」

大春「ちょっ、おま、なんでそんなに警戒心が無いんだよ!」

九児「なに騒いでいるよ」

 大春(泣)。なんかあまりの空回りっぷりに泣けてきたな。




恋の奴隷・大春

 さらに哀れなことに、大春は惚れた弱みから九児にはまったく頭が上がらない。

 この後、大春の混乱をまったく気にかけない九児は「ちょっと外に出たいから松葉杖取って」と言うが、大春がすぐに反応しなかったため、実に不機嫌な表情でいかにも『使えない奴!』とばかりに舌打ち(中国の女性は普通に舌打ちします)。

 慌てて松葉杖を渡し、椅子から立ち上がって道を開ける大春。しかも彼の座っていた椅子が邪魔だった九児に不機嫌な口調で「椅子が邪魔なんだけど」と言われると、『気が回らずにすみませんでしたー!!』といった感じでまたもや慌てて椅子をどける・・・・・・。

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「椅子どけてよ」と言われ、慌ててどける大春

 大春、あなたは九児の犬か何かですか?

 大春は九児を将来嫁に欲しがっているけど・・・・・・いや、万が一二人が結婚したら当人は幸せかもしれないが、周りは完全に下僕状態の大春が哀れすぎて目も当てられないかもしれない。



八路軍はビンボーです

 林団長と会談するため林団駐屯地を訪れた段旅長。歓迎する林団幹部たちだが、大春らは段旅長らが乗ってきたジープを見て

二勇「なんだ? あの車?」

指導員「あっ、これジープだよ! ジープ!」

大刀「アメリカ製だな。アメリカ軍が国軍にあげたんだろうよ」

二勇「へぇ、いいな」

大春「まったく、不公平だぜ!」

 ジープが珍しい八路軍の兵士たち。しかもうらやましがっています。このまま「なんかむかつくから十円傷(←?)つけちゃえー」とか大人気ないことやりだしても違和感の無いノリです。落書きくらいはしたかもしれない。で、後で林団長らにみっちり叱られる(笑)。なんとなく、『私たちは国共合作を破壊しません』という看板を首から下げて正座(←?)させられている図が目に浮かぶ。

 そんなビンボーな八路軍が好きなんだけどね☆




歴史解説

国民党軍の「スナイパー」と八路軍の「神銃手」

 ドラマ中で竜紹鉄はドイツの軍事学校で狙撃術を学んだとあり、また九児は狩人の家系であるという設定になっている。これには歴史的な根拠がある。

 まず、国民党軍(国軍)であるが、日中戦争前に国民党政府はドイツと親密な関係にあり、若い軍の士官をドイツの軍事学校に留学させていた。そこで特に力を入れたことの一つがスナイパーの養成であった。国民党サイドでは多くの若手士官がドイツで狙撃術を学び、彼らは日中戦争時の上海戦において日本軍を悩ませたという(ただし、竜紹鉄は国の斡旋ではなく、父親の希望でドイツに自費留学したようだ)。


 一方、九児は狩人の出身であるという。

 八路軍には厳密な意味で「スナイパー」と定義できる存在はいないという(なんで定義できないのかはよくわからん)。代わりに、著しく狙撃の腕がいい者を「神銃手」(神業的な銃の使い手)と呼んだ。武器の乏しい八路軍には狙撃専用のライフルは無く、三八式歩兵銃を使っていたことと思われる。

 八路軍もこの「神銃手」の獲得に力を入れた。なぜなら、3話で銭国良がいみじくも指摘している。

銭国良「そりゃ、あいつら(八路軍)弾が足りないんですからね、嫌でも銃の腕前があがりますよ」

 そう、八路軍は貧乏なので銃の弾も慢性的に不足しているのだ(だからよく白兵戦をします)。そんな八路軍にとって少ない弾で確実に敵を仕留める「神銃手」は必須の存在である。しかし、八路軍の幹部の中には日本やソ連の軍事学校で学んだ者もいるが、狙撃術を学んだ者は皆無であったろうし、一般兵士には全く学ぶ機会がなかっただろう。

 そこで八路軍は狩人を生業とする若者たちを積極的に軍に組織した。彼らは銃の腕前が確かなのはもちろん、野山を駆け回ることに慣れているだけでなく、夜間でも自由な行動が出来、自分の気配を殺すことができる一方、相手の気配を敏感に察することができる。後に「神銃手」として賞賛された者の中には多くの狩人出身の兵士がいたと思われる。


 ところで、ドラマ中では国軍と八路軍の射撃練習のシーンでも両者の装備の違いをはっきりさせていておもしろい。

 例えば、竜紹鉄は射撃練習の時、ちゃんと実弾を使っている。しかも竜紹鉄と喧嘩した蘇雲暁などはほとんど自分の苛立ちを発散させるために射撃場で実弾で撃ちまくっている。竜も自分を尾行する文軒の部下を追い払うために、実弾で威嚇射撃をしている。・・・・・・たぶん大春がこれらの光景を見たら怒るだろう。

 一方、大春の射撃練習だが、なんとこちらは実弾を全く使っていない。ただひたすら素振り百回のごとく、弾をこめる(ふりをする)→構える→引き金を引くという動作をいかに早くできるかだけをやっている。・・・・・・とりあえず、銃を構える動作だけは早くなりそうな訓練ではある。それもこれも演習で実弾を使うなどという「ぜいたく」が出来るほど弾丸が無いからであろう。大春から見れば、竜紹鉄や蘇雲暁などは無駄使いもはなはだしいことだろう。

 

2011年6月 1日 (水)

『狙撃手』6話~7話 あらすじ

※下記の文章は、以前別のブログに書いたものの再録です。




第6話

 酒を飲み交わしながら、竜紹鉄芥川についての分析を求める段之凡旅長。竜紹鉄は、芥川は恐れを知らない一匹狼で直接我が軍の重要基地や新八旅(段旅)の本部を襲うことも辞さないだろうと言う。

 また、文軒は個人的な恨みによって自分をスパイ扱いしているとグチを言うが、段旅長は「自分も彼を心より嫌っているが、彼は党と国に徹底的に忠実な人間だと理解している」とたしなめ、彼は南京で裏切り者の密告により祖父母,父母,兄夫婦,妹を日本軍に惨殺されており、それを目の当たりにして以来、漢奸の摘発に病的なまでに固執しているのだと説明する。

 一方、ある場所へと向かう大春たちは、馬を駆ってどこかへ急ぐ九児と偶然行き会う。九児は、八路軍は、日本軍が段旅長を暗殺しようとしているという情報を得た。それを知らせるべく新八旅本部に向かうところだと告げる。それを聞いた大春は強引に九児に同行する。

 芥川は暗闇に紛れて見張りを殺害し、新八旅本部へ侵入するが段旅長の部屋には誰もいない。士官の一人を捕らえて段の居場所を吐かせ、竜紹鉄の部屋を包囲し銃撃を浴びせる。襲撃に気付いた文軒は兵を指揮し応戦する。竜は段旅長をかばい、敵の注意をそらすため外に飛び出して銃撃戦を繰り広げる。

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侵入した日本兵たちと交戦する新八旅

 

 大春と九児は応戦中の石頭と合流し段旅長の救援に向かう。秘かに裏手に回った芥川は自分の存在に気がつかない段旅長に狙いを定めるが、暗黒の中でも音と気配によって正確な射撃を行う九児に阻まれる。

 しかし戦いのさなか九児は芥川によって足を撃たれ、竜紹鉄と石頭に助けられる。芥川との銃撃戦の中、二人は九児が女性であることに気付く。すでに機を逸した芥川は部下と共に撤退する。

 大春や竜紹鉄は治療を受ける九児の怪我がひどくないと聞いて安心する。竜紹鉄は何故か九児に魅かれるものを感じ、九児も「なんだかあの人、可哀想な人に思えるわ」とつぶやき大春を驚かせる。

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竜紹鉄のことが気になる九児

 日本軍の陣地に戻った芥川は、夜間射撃に優れた九児のことが気になる一方、竜は天性の才能を持つ恐るべき相手と大野連隊長に言う。

 段旅長は竜紹鉄とともに九児を見舞い礼をのべ、竜に彼女の付き添いを命じる。九児は竜紹鉄のぎこちない様子に無邪気に笑い、竜はそんな彼女にますます不思議な感情を覚える。

 出張から戻った蘇雲暁は昨夜の事件を竜から聞き、ショックを受ける。八路軍へと戻る九児は竜紹鉄を探し、いつか自分に会いに来て欲しいと約束を交わす。

 大春は衛生員の小梅の手当てを受ける九児の元を訪れ労わるが、彼女の態度はそっけない。さらに竜紹鉄と二人きりで何を話したのか尋ね、男の前で無防備な様子を知って怒り、九児はすっかり機嫌を損ねる。大春はそんな彼女をからかって笑わせる。

 竜紹鉄は芥川を討ちに行かせて欲しいと頼み、段旅長は彼がすっかりやる気になったことを喜ぶが、代わりに九児の見舞いにかこつけての林団訪問に同行させる。林団長ら幹部は段旅長の訪問の知らせを聞いて、新八旅にはスパイがいて段旅長は自軍を信用できないため八路軍に協力を求めに来たのだと分析し、彼を助けることを決める。林団長は手土産にいくらかの武器・弾薬を持ってきた段旅長を歓迎する。しかし、大春らは段旅長らが乗って来たアメリカ供給のジープを見て、国民党軍にばかりいい装備が回って不公平だ、と不満を募らせる。




第7話


 段旅長林団長八路軍林団幹部と親交を深め、今後も協力関係を維持していくことを確認する。一方新八旅本部では、文軒が段旅長が八路軍と親密であることの不満を蘇雲暁に言っていた。

 九児と再会した竜紹鉄は二人で抗日根拠地を散策する。射撃は誰に習ったのか、と聞く竜に九児は、うちは代々猟師の家系で祖父から習ったと答える。竜紹鉄は彼女に「狙撃手」という言葉を教え、また九児に「あなたは本当は優しい人だと思う」と言われてとまどう。

 九児が竜紹鉄と楽しそうに過ごしているのが不満な大春は、彼は国軍の士官なのだからもっと警戒感を持てと言うが、九児は耳を貸さない。大春は彼女に「鏡のついた銃」を贈ってやると言い、九児はそんなものをどうやって手に入れるのかと笑う。

 新八旅本部に戻った竜紹鉄に蘇雲暁は、八路軍と国軍は根本的に利益が違う、あまり彼らに近づきすぎないよう警告する。しかし竜は、ともに抗日をする相手との交流が何故いけないかと反論する。夜、蘇雲暁は子供の服を抱いて歎き「雲雲が生きていれば今日は彼女の二歳の誕生日だった」と泣く。文軒は彼女を慰めながら、ともに子供を失ったことを歎く。

 一方、先日目的を果たせなかった大春と仲間達は暗闇にまぎれて日本軍の駐屯地に近づいていた。大春らの勝手な行動に気づいた林団長はすぐに彼らを連れ戻すように言う。大春は駐屯地に侵入するものの帰還してきた日本軍部隊と運悪く鉢合わせになる。

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金網を切って日本軍駐屯地に侵入する大春たち

 二勇ら仲間達は大春を救うべく日本軍を攻撃するが、桂子小劉という二人の仲間が撃たれてしまう。大野は八路軍の何かの罠かもしれないと疑い、深追いを禁ずる。負傷者を抱えて安全地帯まで逃げる大春たち。しかし仲間二人はすでに息絶えていた。

 林団駐屯地に戻った大春は林団長から厳しい叱責を受ける。大春は自分を銃殺刑に処して欲しいと訴えるが、処分が決まるまで謹慎を命じられる。

 立派な銃に目が眩んだばかりに仲間を死なせてしまったことを悔やみ、面会に来た九児の前で泣き崩れる大春。再び林団長に自分を銃殺刑にしてくれるよう頼むが、林団長は「おまえは死んで自責の念から楽になりたいだけだ。何故こんなことになったのか、心の底から考えなければいけない」と叱る。団が「最も厳しい処分」を検討していることに対し、九児は彼に罪を償う機会を与えて欲しいと林団長に訴える。林団長は彼を連長から一兵士に降格させ、功によって過ちを償うよう命じる。

 八路軍からの情報により芥川の偵察行動の移動経路と時間を掴んだ段旅長は、彼を待ち伏せ攻撃する極秘任務を竜紹鉄に与える。またそこは八路軍の勢力下なので彼らと行動をともにするよう命じるが、竜は彼らとの共同作戦に不満を持つ。

 定例の偵察行動の名目で銭国良や強引についてきた石頭ら数名の兵士を連れて行く竜。真相を知らされていない文軒はそれでも彼らの行動に不審を覚え、部下の張脆に後をつけさせる。

 合流する竜紹鉄の部隊と八路軍。竜は大春が連長ではなくなっていることを不思議に思い、大春も彼と目を合わせることもできない。九児は石頭と交流を深めるものの、大刀らは竜紹鉄の指揮下に入ることが不満で、銭国良ら国軍の兵士らとも険悪な雰囲気になる。途中、尾行していた張脆を追い払い、また八路軍にリードされる形になったことで、苛立った竜は大春への嫌悪感を募らせる。

 急いで芥川の出没地点に向かう国共両部隊。しかし彼らは日本軍の部隊に襲われ虐殺と略奪を受けている村を目撃してしまう。すぐに村を助けに行こうとする大春ら八路軍。しかし竜紹鉄は自分達は敵に気付かれるわけにはいかない、芥川を倒すことは何より重要だと言って反対する。大春は怒り狂って竜を非難し、九児も失望のまなざしを向ける。強引に出撃しようとする八路軍とそれを止める国軍は互いに銃を向け合い、竜紹鉄はついに大春らを村人の救援に行かせてやる。

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村人の救援か任務を優先かで一触即発になる八路軍と国軍(マント姿なのが竜)

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