『狙撃手』第4話~5話 感想
感想
さて、分割することになった感想です。おまえの感想など本気でどうでもいい、という声が聞こえてくるような気もしますが・・・・・・まあ、いいや。
今回一番の問題シーンは、敵前逃亡を図った杜占明を竜紹鉄が撃つシーンだろう。
まだ十代の少年兵を後ろから撃つ主人公・・・・・・なんとも嫌な気持ちになるシーンだ。もちろん監督は視聴者を嫌な気持ちにさせるため、戦争への嫌悪感を募らせるためにやっているのだと思う。
で、ここに至るまでの、恐怖が極限に達して無意識のうちに逃げ出してしまう杜占明と、それを撃たざるを得ない竜紹鉄の苦悩という双方の立場が、なかなか説得力をもって描かれているのも良い。このような結果になってしまったのは、どちらのせいではないと言うか・・・・・・あえて言うなら八路軍の面々が指摘するように学生を戦場に動員する国軍のせいと言うか(←いや、史実上あんたらの方も少年兵たくさんいるはずだけど?)・・・・・・。
まず杜占明について。前話では日本軍の砲撃にパニックになって叫びながら塹壕から飛び出し連れ戻されるわけだが、今回はもうそのレベルも超えている。確かに当初は半泣きの状態で壕の中にうずくまり銭国良に叱咤されたりしていたが、芥川に狙撃された仲間の遺体が目の前に転がり落ち、さらに砲撃で自分の頭上に土砂が降りそそぐに及んで杜占明は呆然自失状態になる。
そう、パニックで泣き叫ぶのではなく、呆然自失。彼の中の何かが切れちゃったのが伝わるシーンだ。もう壕の外へ飛び出していくのではなくて、夢遊病患者のようにフラフラと出て行く様が痛々しい。砲撃が炸裂しているところにフラフラ出て行く方が塹壕の中よりも危険なのだが、もうそんな判断もつかない、ただこの場を離れることしか頭にないのね。
で、その杜占明に竜紹鉄や銭国良は必死に戻るよう呼びかけ、警告も発するがそんな状態の杜占明の耳に届くはずもない。そして杜占明の逃亡に触発されて危機的状況だった部隊の兵士たちの間にパニックが伝染し、多くの者たちが塹壕を飛び出して逃亡をはかり・・・芥川の狙撃の犠牲になっていく。この混乱を収拾するには、その引き金である杜占明を止め、みなの目を覚まさなければいけない、という状況。ややキレイごとぽっいが、あくまで任務達成のために部隊崩壊を防ぐというよりも、パニックが広がりその結果全員が犠牲になるのを避けるのが目的、というスタンスで描かれている。
小説版ではこの時の竜の心境がこう描かれている。
これはいったい誰のあやまちだ? 自分はとうとう彼を連れ帰ってやることができない。(P29)
・・・・・・・竜は、戦いの前に不安がる新兵&老兵たちにそう約束していたのだが、結局そのうち一人は己が射殺しなければならない事態に。
そして杜占明が撃たれたことで、兵士達はそのショックでパニックが一応収まるのだが、一番ショックを受けているらしいのが撃った竜紹鉄。撃った後、すぐに「衛生兵!」って言って自分が撃った杜占明を救助に行かせてるよ(後で明らかになるが、竜はわざと心臓をはずし杜占明が助かる余地を残していた、結局助からなかったが)・・・・・・なんかいろいろやりきれない場面。
まあ、一つ不満があるとすれば、「敵前逃亡兵の即決処刑」(督戦問題?)で、撃った側に同情の余地を残していることかな。私は、やはり「敵前逃亡は唾棄すべきもの」という軍隊的価値観には批判的であるべきだと思っているので、「パニックを抑え、被害を軽減するために仕方なかった」という流れだったのがちょっと気になる。
でも少し見方を変えれば、嫌悪感を引き起こす射殺シーンと、他に選択の余地はなかったという状況、そして撃った側の苦悩を組み合わせて描くことで、そのような嫌悪すべき状況がどうしても起きてしまい、しかも誰も救われないのが、戦争であり軍隊の本質の一つなのだ、ということを描こうとしているような気もする。そう、「敵前逃亡兵の即決処刑」という否定すべき事態は、しかし戦争・軍隊の中で必然的に起こる事態であり、だからこそ戦争・軍隊を安直に肯定してはいけない、と言える。
なにしろ、皆を救うため一人を犠牲にするという苦渋の選択をしたのに、結局最後はみんな死んだ(石頭ら4人を除く)というオチだったものなぁ・・・・・・・
で、パニックは静まったものの、さらに戦況は悪化し、部下達が次々芥川に殺されていく。激しさを増す砲撃と泣き叫ぶ石頭の泣き声が反響するシーンは秀逸。
そしてやっと規定の時間となり、竜は撤退を命令。しかし、その途上の闇の中で、生き残っていた部下達も一人また一人と竜紹鉄の目の前で芥川の狙撃によって殺されていく。この闇の中のどこからかわからない攻撃で一人ずつ消されていくのはちょっとホラーっぽいよね。もう少しホラーっぽく描けば良かったのに、と思う。芥川もわざとなのかなんなのか、部下から殺していって竜は最後まで残しているあたりえげつない。
その結果、あれだけ苦渋の選択でみなの犠牲の拡大を防ぐため杜占明を撃ったのに、最後に残ったのは自分も入れて5人だけ。しかもそこで日本軍に追い詰められて、死ぬ前に一人でも多く日本兵を道ずれにしようと白兵戦に突入する。
竜と銭国良は今までできるだけ石頭を守ってきたが、もはやそれはできない。二人は何より若くして死に赴かなければならない石頭の運命を無言で哀れみ、そしてやはり無言で怯える石頭に銃剣を装着して自分達とともに最後の突撃に出るよう促す。自分も一緒に死ぬから怖くはない、とでも言うように肩に手を添える竜紹鉄に石頭も半泣きの態で銃剣を装着する・・・・・・この時の表情が秀逸。
結局5人は大春の部隊のおかげで救われるのだけど、杜占明は駐屯地の病院で死亡し、張脆が竜紹鉄が撃ったことを広めたため、戦場に行かなかった兵士たちの間で竜紹鉄の評判はますます下がる。
その後、段旅長から「あの日本軍の狙撃手(=芥川)をこのままにしておいていいのか、と言われて、竜紹鉄は軍に残る決意を固める・・・・・・このへん「全員生還させる」と約束した部下達を一人一人芥川に殺されていったのがそうとう堪えたのだろう。芥川を何としてでも倒す、と動機づけ(及び運命的な結びつき)ができた感じ。
ピックアップシーン
台詞やりとりの見所は多くあるが、とりあえず三箇所をピックアップ。
任務から帰還した竜紹鉄は段旅長に退役を申請するが、あっさり棄却(申請書を見もせず丸めて捨てました)。「この任務を終わらせたら退役させてくれるって言ったのに!」とか騒ぐ竜だが・・・・・・いや、段旅長はあの時はっきりと「考えておく」って答えたのだよ? それを「承諾」だと解釈していたとは、もう竜も甘い甘い・・・段旅長も騙しやす・・・・・いや扱いやすよね。
その時の竜と段旅長のやりとり。
竜紹鉄「私にはなんの戦功ももういりません! ただ退役したいだけです」
段旅長「どうしてそんなことが認められるかね? 君はすでに戦区の英雄だ。私も戦区長官も退役など許可しないだろう」
竜「・・・・・・旅長、だめです。あなたは医務室のあの負傷兵のことを知らないのですか? あの新兵、心臓近くを打ち抜かれているあの新兵・・・・・・あれは私が撃ったのですよ、私が自分の手で彼を殺めたんです。私の手は彼の血で汚れている!・・・・・・私は二度とあんなことはできない。毎晩、眠ることもできません。私が任務に行けば、周りの人間はみな死ぬんです! 私もまた自分を殺すでしょう。わかっているんですか!」
段旅長「小兄弟、今君は思い詰めすぎているんだ。そんな話が文軒参謀長の周りに伝わったらどうする? 彼のことを考えるのはもうやめなさい」
竜「あなたは私の言うことがわからないんですか? いまや将兵たちの誰もが私を虐殺者だと罵っているんですよ!」
段「おまえは一般兵士か!? おまえは彼らとは違う立場にいるのだ! 杜占明の件は私もすでに知っている。君のやり方は正しかった。一人の責任ある士官であれば誰でもあのような時はああしなければならない!・・・・・・他にどうしろと言うのだね。私は長い軍歴の中で、戦場で処刑した逃亡兵は一人二人ではない! その中には中隊長や大隊長もいた! 今は戦争なのだ。断固としていなければ、何もかも終わりになる。わかったか!」
竜「・・・・・・どうあっても私を退役させてくれないのですか? ・・・・・・ならば私は自殺します。あなたの目の前で死んでやる!」
段「君には無理だ」
竜「なぜ無理だなどとわかるのですか! ここまで追い詰められたなら俺はなんだってできます!!」
段「いいや、君にはできない。なぜなら君は私と同じ運命だからだ。死ぬのならそれは日本人と戦った果てでなければばらない! 敵と戦った結果でなければならない!!・・・・・・だから、君は自殺などできない。君は天性の軍人であり、英雄だ。それが君の運命であり、責任であり、光栄なのだ。辛くても耐えられなくてもその運命から逃げてはならない。君はただ耐え、踏みとどまらなければならないのだ!」
竜「・・・・・・」
段「加えて、日本軍現れた極めて恐ろしいあの狙撃手・・・・・・恐らく彼は君を倒すためにここにやって来たのだ。君以外に、誰があの狙撃手と戦えるというのかね?・・・・・・彼を倒せば、私も君の退役を認めよう」
なんだかだんだんよくわからなくなってきたが、退役させてくれなきゃ自殺してやる、とまで言い出す竜紹鉄・・・・・・いや、本気でこの人軍人に向いていないと思うのが(逆に言えば逃亡兵を殺して夜も眠れなくなるようなまともな感覚を保持しているのだが)、段旅長はあくまで軍人の論理でそれに対する。
私、いまいち段旅長の立ち位置がわからない。善良で開明的、そして竜の理解者かつ保護者という感じで竜も全面的に信頼をよせているのだが(だからこうも本音を話せるのだ)、けっこう狡猾な気もするし、少なくても竜紹鉄を自分と同じ職業軍人の論理に取り込もうとはしている。段旅長だって自分の言っていることが正しいわけではないことを自覚しているけど、戦争中で自分達は軍人なのだから仕方ない、というスタンスなのだろう。また竜が大事なゆえに、戦場で生き延びさせるためその甘さを是正しようとしているようにも見える。
で、竜紹鉄は軍に残ることを了承してしまうけど、実はこれ、段旅長の論理に飲まれたわけではないようだ(それは後の回でさらにはっきりする)。とりあえず段旅長の軍人の論理の是非は保留。決定打だったのは、芥川が実は自分を狙っていたという可能性。芥川を倒せるのは自分しかいないという義務感、そして自分が狙われていたため部下達は全員死んでしまったという業ゆえ。竜の決意と芥川との運命的な因縁が印象づけらえる。
しかし、軍に残ることを決意した竜紹鉄は、どういうわけか彼に軍を辞めて欲しくてしかたない蘇雲暁から激しい批判を受ける。
蘇「あなたってあいかわらず世間知らずの大少爺(若旦那,ボンボン)ね! この旅の上から下までいったいどれだけの人があなたなんか死んでしまえばいいと思っているか知らないの?」
(略)
蘇「あなたは戦いが終わるたびに、出て行きたいと泣いたり喚いたりしていた。でも本当にあなたが出て行きたいと思っていたなら、誰も止めることはできなかったはずよ。結局、あなたは出て行かない。あなた、自分の手は戦士たちの血で汚れている、って言ったわよね。あなたは苦しんでいる、自分を責めている・・・でも本当はそうじゃない。本当はあなたは楽しんでいる、興奮しているのよ。兵士たちの言っていることは少しも間違いじゃない!あなたは天性の殺戮者なのよ!」
竜「うるさい!」
蘇「・・・・・・私の言う通りだったみたいね。すぐに激するんだから。あなたは周りに影響を受けすぎるのよ。それで、きっと簡単にあなたが最も嫌うような人間に変わってしまうわ。・・・・・・私はやっぱりここを出て行ったほうがいいと思う」
と、なんとも強烈な一撃。
でもこういうことを言う人も必要だったのだろう。基本的にドラマなので主人公の苦悩が視聴者に伝わり、それに同情ができるような造りになっているが、しかし戦争を厭う彼が本当に「楽しんで」いないかどうか、提起する必要はあった。一人の優秀な狙撃手として、殺し殺される戦場の危険さに興奮したことはなかったのか、敵兵を仕留めることが少しも楽しいことではなかったかどうか・・・・・・
芥川を倒すという目的のため結局軍に残ることを決めた竜紹鉄に対する批判的見解、視聴者の主人公に対する同情と共感に躓きを与えうる場面である。
さて、視聴者の見解はともかく、ドラマ中では元々孤立していたのに、杜占明を撃ったことでますます部隊内で孤立していく竜紹鉄。しかし、意外なことに理解者がいた。
任務を終えた大春は八路軍に戻り、林団長ら団幹部に任務の報告と竜紹鉄がいかにものすごい狙撃手であるか説明する。林団長らもそれで竜紹鉄に興味を持つのだが、
政治委員「大刀から聞いたのだが、その竜紹鉄という士官は逃亡兵を射殺したのかね」
大春「はい。ただ一発で心臓に命中させたんですよ」
政治委員「それはなんとも恐ろしい腕前だな」
大春「さらにとんでもないことにですね、心臓の中心を撃ち抜いたわけじゃないんですよ。俺は一緒に撤退した時に見たんですけど、心臓からわずかに数ミリだけ離れたところを撃たれていました。血もほとんど流れていなかったし・・・・・・俺が見たところあの逃亡兵は助かると思いますよ」
何気に竜紹鉄は逃亡兵を殺すつもりはなかった、とかばう大春。・・・・・・まあ、結局杜占明は駐屯地の病院で死んだのでこの見解ははずれたわけだが・・・・・・興味深いのは次の会話。
林団長「大春、君はこの件についてどう思うかね」
大春「・・・・・・団長、その質問は俺も帰り道でずっといろいろとよく考えていました。あなたが聞きたいのは、もし俺が同じ状況に置かれたら、部隊の混乱を収めるために何をすべきか、ということですね」
林団長「・・・・・・」
大春「・・・・・・俺も同じことをします。ああゆう状況では、彼を撃つ以外に混乱を収拾する術はありません。・・・・・・でもとてもつらい思いをすると思います。あの逃亡兵はまだ子どもでした。入隊したばかりの学生兵だったんですよ。くっそたれの中央軍、あんな学生を戦場に動員しやがるなんて」
「おまえが同じ状況に置かれたらどうする?」との問いかけに一瞬間を置いて「同じことをする」と答える大春。ここには、竜紹鉄を「殺戮者」「味方殺し」と非難する段旅の一般兵士たちと根本的なスタンスの違いがある。
大春は「自分が同じ状況に置かれたら」と、何よりもまず竜紹鉄と同じ立場になって考えた。しかも林団長に問われたから急いで考えたのではなく、「帰り道でずっと考えていた」とあれこれと思索した果ての回答である。その思索の中で逃亡兵を殺さずにすむ方法も考えてみただろう。そのような方法を採りたいわけはないのだから。しかし考えても考えても他に方法はなかった。
だから大春は、「自分も同じことをする」と答える。この台詞の前に一瞬の間があり、さらに苦虫を噛み潰したような顔で言うのである。この一瞬の間に大春の苦渋と決意が感じられる。その苦渋と決意は、実際に行動を起こした竜紹鉄の痛みと決断にリンクする。杜占明を撃ったのは大春ではない。しかし、それはたまたま運よくその場面に立たされたことがないからだけにすぎない。しかし、大春は「自分が同じ立場だったら」と考えることで、実際にそれを実行し、罪と業を背負った竜紹鉄と同じ位置まで自ら降りていこうとしたのである。
しかし、ここまでならまだ段旅長と同じだ。段旅長もまた長年の職業軍人生活の中で「処刑した逃亡兵は一人どころではない」と言っている。それが苦渋に満ちたものであり、しかし責任ある立場としてやらねばならないことだと竜紹鉄に教え諭している。段旅長も竜紹鉄を「味方殺し」とは非難しないし、同じ立場に立ったことさえある。
だが、大春が決定的に違うのは「でも、とてもつらい思いをすると思います」の一言だ。これは自分が同じことをしたらつらい思いをする、ということだが、図らずも竜紹鉄の現在の心境を言い当てている。同じ立場に自ら身を置いたことで、大春は竜紹鉄の感情をも追体験した。これが単に自分だったらつらい、というだけなのか、自分だったらつらいしならば今竜紹鉄もつらいはずだ、まで含んでいるのかはいまいちはっきりしない。しかし、擬似体験として「つらい」と感じ、その感情を肯定するなら、契機さえあれば容易に竜紹鉄の心境を察することもできるだろう。
実際に竜紹鉄は「つらい」のだ。「毎日眠れない」「二度とあんなまねはしたくない」と段旅長に訴えていた。しかし、それに対して段旅長は「思いつめすぎだ」「今は戦争なのだ。断固としていなければならない」と叱咤するだけだ。段旅長だって竜のつらさはわかっているはずだが、「戦争なのだから」そのつらさは乗り越えなければならない、でなければ生き残れないとしか言わない。確かにそれは竜紹鉄を戦場で生き延びさせるためのアドバイスではあっただろう。
しかし、大春ははっきりとまず「つらい」という感情を率直に吐露し、その「つらい」と感じることそれ自体を肯定した。仕方なかったとはいえ、戦争だからとはいえ、つらいものはつらいのだ、と。竜紹鉄が段旅内で唯一信頼している段旅長にさえ否定された「つらい」と感じる心を拾ったのが大春だったのだ。
だが、ここでちょっと考えなければならないことは、例え仕方なかったとはいえ、またそれが撃った側にどんな痛みをもたらしたとはいえ、撃たれた側の杜占明の痛みにはとうてい及ばないということである。自ら竜紹鉄と同じ立場に立ち、その行為と感情に寄り添い肯定する大春は、撃たれた側からみれば同じ加害と罪悪を共有していることになる。同じ立場に立ち、心情を共有する、とはそういうことだが、その点も大春はわかってはいるだろう。だからこそいろいろと考え続け、それがどういう意味かを承知し、一瞬のためらいを置いた後で、それでも応えたのだから。
竜紹鉄の痛みに寄り添い、その重みと罪を分け合おうとする。今度もこれが大春のスタンスとなっている。
さて、なんか深刻な場面ばっかりなのでちょっとなごみ系な場面を。
深夜、いずこかへ向かう大春ら八路軍の面々。
兵士一「俺らの勝手な行動、ばれたら批判大会にかけられるぞ」
二勇「批判大会はめんどうだなぁ」
大刀「おまえが嫌なのは大会じゃなくて、反省文を書かされることだろ? 大丈夫だよ、おまえが一文字も字を書けないなのは戦区中が知っているさ」
兵士二「俺らが黙っていれば誰にもばれないさ」
大春「・・・・・・あのなぁ、俺はやぶ蚊の大群でも連れてきている気分だぜ。帰りたきゃ帰れよ、俺一人で行くから」
兵士たち「いえいえ、俺らも行きたいです、行きましょ行きましょ・・・・」
批判大会は中国共産党の伝統文化ですなぁ。若い兵士たちには「めんどくさい」の一言で切られましたが。まあ実際にめんどいんでしょうな(実際には「煩」という言葉が使われていて、この「煩」はいろんな意味に取れるのですが、話のノリからして「めんどい」という訳が一番な気がしたので)
なんとなくアットホームでなごむ八路軍の面々。でもこんな深夜にどこ行くの? 勝手な行動って?
今週の芥川君
さて、何かと話題の芥川君だが。
段旅の調査により、彼は「元関東軍特殊部隊」の出身と判明。やっぱり何だかよくわからないが、とりあえずすごそうな響きである。竜紹鉄も直接会ったことはないものの、ドイツの軍事学校時代に教官より(芥川はその教官の友人との設定)噂を聞いており、「銃王」「殺人機械」と評していた。
で、4話よりその芥川君の天上天下唯我独尊ぶりの本領を発揮しはじまる。
作戦が失敗し芥川君に「計画が台無しだ! いったいどう責任を取ってくれるんだ!」と怒鳴りつける大野にあっさり一言。
「(大野旅団長の)情報が間違っていました」
と実にふてぶてしい態度でふてぶてしい一言。当然、大野は「私の情報に間違いはない!」と怒るが
「必ず! あの謎の狙撃手が何者かを洗い出すのです」
と、もはや大野の言葉など聴いておらず、さっさと自分の言いたいことだけ言って去って行ってしまう・・・・・・。
目力がすごい芥川君
その後、落ち着いた大野と日本軍内に中央軍か八路軍のスパイが入っているのではないかと話し合い、大野は一週間以内にスパイを見つけると約束する。その一方で芥川君は大胆不敵にも直接段旅に乗り込み、段旅長を暗殺する計画を立てる。どんだけだいたんな人なのでしょうか。そして
「中国の諺にこういうのがあります。盗賊を捕らえるにはまず頭目から、と」
この後ドラマ内で恒例となる芥川君の「中国の諺シリーズ」、記念すべき第一回です。
しかし大野は落ち着いていさえすれば極めて慎重な良き上官でした。芥川君の非常識な作戦に対してもまだ日本軍内のスパイが摘発されていないから危険だと常識的に諌める。しかしそれに対して芥川君は実にわざとらしい声で
「一週間以内にスパイを見つけるはずだったのでは?」
と言い、あからさまにフッと笑い声を出して、唇の端を一瞬小さく歪め(このへんの演技が絶品)
「もう一週間経ちましたが?」
と、上官をあざ笑います!!
上官をあざ笑う芥川君
しかし大野はよっぽど人間が出来ているのがやや憮然たる声で「期日までに回答は出す」とだけ言う。
いや、ほんと、芥川君みたいな部下を持つと何かと大変なようです。(芥川君は関東軍から(?)派遣されてきているので、もしかしたら大野とは上官―部下の関係にないのかもしれませんが……一応大野に対して警護使っているけど、単に年齢が上だからだけかもしれない……が、この二人は上官―部下としておいた方が何かと面白いので大野上官と部下の芥川ってことで)
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