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2011年3月 5日 (土)

『狙撃手』1話

※各エントリー初出の共産党・八路軍の人物と部隊名=赤,国民党・中央軍の人物と部隊名=青,日本軍の人物・部隊名=緑で示しています。

※この文章はブログ主が以前別所に書いたものを使用しています。

あらすじ

 白樺の林が続く美しい中条山の森。その穏やかな森の中で中央軍竜紹鉄は、部下とともに日本軍の小部隊を待ち伏せしていた。

 彼らの任務はその部隊と行動をともにしている裏切り者の元・軍統の男を生け捕りにすること。しかし情報が漏れていたのか、竜らは逆に日本軍に包囲されていた。

 一方、竜紹鉄の属する中央軍の段旅では、情報参謀の文軒が、段之凡旅長に抗議していた。軍人として問題がある竜紹鉄になぜ重大な任務を与えたのか、と。しかし竜紹鉄の資質を信じる段旅長は取り合わない。

 日本軍の猛攻撃の中、それでも竜紹鉄は射撃術を駆使して日本軍に損害を与え、標的の男を奪い取るが、部下は全滅してしまう。竜は生き残っていた瀕死の少年兵と標的を抱えて逃げるが、がけから落ちた際に標的を離してしまう。

 竜紹鉄は少年兵を隠して標的を取り返しに行こうとするが、「置いていかないで」と少年兵にすがりつかれる。「必ず迎えに来る」と行って少年兵を振り払い、標的を探しに行く竜紹鉄。しかし、標的は落ちた際に頭を打ち死亡していた。

 しかも竜紹鉄が少年兵の所に戻ると、彼はすでに日本兵に見つかりなぶられていた。彼を救えないことを悟った竜は、自分に助けを求める少年兵をなぶり殺しの苦痛から救うため射殺、追ってくる日本軍から逃げようとする。

A11

助けを求める少年兵を射殺する

 ちょうど付近を巡回中であった八路軍洪大春率いる中隊が銃声を聞いて駆けつけ、追手の日本兵を撃退し、竜紹鉄を救う。しかし、神経過敏になっていた竜紹鉄はとっさに大春にも銃口を向け、大春の部下の大刀二勇らも慌てて竜に銃を向け、一食触発になる。

B12

大春に銃を向ける竜紹鉄

しかし、大春は部下たちに先に銃を降ろすよう命じて場を収め、竜は無言でその場を立ち去っていく。

  段旅の駐屯地では文軒が漢奸の疑いのある商人達を取り調べていた。必死に弁明する容疑者たちだが、かつての日本軍の蛮行が脳裏に甦った文軒は、許しを請う男たちを射殺する。

A12

漢奸容疑者を蜂の巣にする文軒

 茫然自失の態で駐屯地に帰還する竜紹鉄。段旅長は彼をねぎらうが、戦場に嫌気がさした竜は退役を申請するものの拒絶される。一人で生還した竜は他の兵士達から「彼はいつもそうだ」と白い目で見られ、文軒にも呼び出される。

A13

段旅に一人帰還する竜紹鉄

 八路軍の林団駐屯地では林団長が幹部たちと、段旅長は我々に対して好感を抱いているが戦区の上部はそんな彼を警戒していると分析をしていた。その駐屯地に帰ってきた大春は突然、射撃の練習に熱中しはじめる。

 一方、日本軍の大野旅団長は中国軍に危険な狙撃手が現れたことに警戒し、上部に優秀な狙撃手を派遣してくれるよう要請する。

 夜になり寝床の中でも大春は銃をいじることをやめない。呆れる仲間たちに大春は、昼間のあの小さな鏡が付いた素晴しい銃のことが頭から離れられない,自分にもあんな銃があったらどんなにいいか知れないが蒋介石が支給してくれるわけもない、という。仲間たたちは彼をからかいながらも日本軍なら同じような銃を持っているのではないか、盗んできたらどうか、と提案する。
 
  文軒は何故待ち伏せに気がつかなかったのかと問い詰めるが、その高圧的な態度に竜紹鉄は答える気になれない。そこに長い出張から帰ってきた蘇雲暁が現れる。初めて顔を合わせた二人は互いを見て驚愕する。

 文軒から解放された竜は、人から蘇雲暁は文軒の妻だと聞かされショックを受ける。文軒は二人のことをいぶかしがるが、蘇雲暁は動揺しながら彼のことは知らないと答える。

 夜、竜紹鉄と蘇雲暁は互いの事情を話し合う。竜と蘇は幼馴染で婚約もしていたが、「日本軍が自分達の村を襲ったあの日」離れ離れになってしまっていた。蘇は竜が生きていたとは知らなかった、と話す。竜はつい、日本軍が村を襲ったあの日,自分は彼女を探しに行ったのにどこに行ってしまったのかと問いただす。蘇は、あなたは来るのが遅すぎた,父母が殺され自分も逃げるしかなかったと話す。

 竜紹鉄は彼女の結婚を祝福する言葉をかける。




感想

 竜紹鉄が少年兵を射殺せざるを得ない場面や文が許しを請う男たちを射殺しさらに死体に何発も銃弾を打ち込む場面など、初回からかなり精神的にきついシーンが続くので見る時はそのつもりでちょっと覚悟を決めて見たほうがいいだろう。それにしても文が漢奸容疑者を殺害した状況は完全に違法な私的処置にしか見えないのだが(汗)。
 


 竜が日本兵になぶられる少年兵を苦痛から解放してやる場面では、一度は銃口を少年兵に向けるものの日本兵に滅多刺しにされながらもそれでも生きようとする相手を見てどうしても撃つことは出来ず、銃口をいったん下ろしてしまう。しかし意を決してもう一度銃を構え直しとどめを刺してやる。少年兵を射殺する行為がいかに竜に巨大な苦痛を与え、彼がその感情をあえて押し殺し引き金を引いたかがよく伝わってくる。
A14
一度は引き金を引くのをためらう竜

 一人生還し、仲間たちから白い目で見られたり、いきなり退役を希望したりと、竜が抗日モノにとって異色の主人公であることもわかる。

 とりあえず今回はキャラの顔見せ的な回で、話が本格的に動いたり芥川君が出てくるのは次回以降です。・・・・・・ただ冒頭から連続する衝撃的シーンは充分高希希監督が「戦争」(と言うより「戦場」)を描くことに容赦しないことを宣言しているようですな。





ピックアップ場面
 

少年兵「(自分を置いて標的を連れ戻しに行こうとする竜に)長官、ぼくを見捨てないでください」
竜紹鉄「ここでじっとしてるんだ」
 少年兵、竜の軍服を掴み、必死に懇願する。
少年兵「長官! ぼくを置いていかないで!」
竜「迎えに来るから!」
 少年兵を振り払う竜。

 そして竜は約束通り戻ってきたが、すでに少年兵は日本兵に捕まってなぶられていた・・・というわけだ。



用語解説



漢奸


 漢民族あるいは中国人の裏切り者、売国奴。日中戦争時には、自己の利益のため積極的に日本軍や大日本帝国の政策に協力する人々を指した。協力とは主に、日本の傀儡政権で高い役職に就く,中国政府や軍の情報を漏洩する,日本軍に反抗的な言動をする人々や抗日組織の参加者を密告する,日本軍の通訳をする、などである。陣地構築や荷物運びなど日本軍によって強制的に労働に従事させられた人々は基本的に当てはまらない。しばしば政府・軍の方針に非協力的な中国人もこのレッテルを貼られ、不利益やリンチを受ける場合もあった。しかし一般的に公式の取調べ・裁判にかけられるのは積極的具体的に協力した者である。漢奸は時に日本軍そのものより中国人の憎しみを買い、この容疑をかけられることは最も不名誉なこととされていた。




 以下、腐女子話

今週の竜紹鉄争奪戦

 


この回の目玉はなんと言っても大春と竜紹鉄の運命の出会いであろう。

 B11

 いきなり銃を突きつけられるという実に刺激的な出会いです。(左が大春、背を向けているのが竜)
 パンを口にくわえて「遅刻、遅刻!」と言いながら走っていたら角でぶつかった相手と恋に落ちる、なんてレベルじゃないですよ。出会いがしらに銃口をつきつけられるんだから!(←しかし、中国の戦争ドラマ見ていると、銃をつきつけられたのが(腐女子視点的に)恋の始まりと言うネタが溢れているんだが(汗)。マジで日本の角でぶつかると同じですか?)

 って言うか、↑この構図すげーすばらしくない。この構図考えた人、相当センスいいよね! この構図見るだけでときめいちゃうよ!!

 少年兵を射殺後、一人日本兵から逃げる竜・・・を助けた大春。初めての出会い時から竜を助けるのは大春の役目のようだ。
 しかし、血まみれの竜は大春たちの呼びかけにも答えず去って行こうとする。大春がそんな竜に手を伸ばし肩に触れたとたん、上の写真のように竜は誰にも対処できないようなすばやさで銃をつきつけてきたのだった。

 ・・・・・・にしても肩に触られただけでそんな過剰反応をするとは、竜はセクハラでもされているのだろうか?(や、過酷な戦闘の直後で神経過敏になっていたためのとっさの反応だとは思うけど)。


 大春が竜紹鉄に対して恋に落ちたのかよくわからなかったけど、やっぱりこの時かね?

 残念ながら写真なくしてしまったけど、銃を突きつけられているのも失念しているかのごとく、竜から目が離せない大春の呆けたような顔が映し出されます。

  うん、確実に恋に落ちましたね。
  あまりの恋の衝撃で「すいません、突然だけど、俺の嫁さんになってくれませんか」と、思わず口走ってしまってもまったくおかしくない様子です。ってかよく口走らなかったな、大春。言葉を出す余裕もないほどか。

 その後、(竜を見つめたまま)部下に先に銃を下ろすよう命ずる大春。竜が去った後も呆然とその場に立ち尽くす。部下達が「なんだ、あの野郎!」「連長! どうしてあんなことされて耐えているんですか?」と口々に言っているがまったく耳に入っていない様子。

B13

部下の言葉がまったく聞こえていないらしい大春。

 やっぱり恋に落ちてしまったようです。


 林団の駐屯地に帰って来ても、さっきの美人さん(笑)との出会いで頭がいっぱいなので報告も忘れて司令部の前を素通りしていってしまう始末。
 うるさいのが帰ってきたぞ、とちょっと身構え気味だったのに、素通りされてしまって拍子抜けする司令部の面々。


「どうしたんだ、あいつ」「まるで恋でもしたかのような様子でしたね」(←その通り)「はは、まさか」とか司令部内で話題になっていたりして。(注:こんな場面はありません)


 さらにその後、竜が自分に銃を突きつけた時の機敏な動作をまねして突如射撃の練習に目覚める大春。
 大春自身の言葉によれば、あの「小さな鏡がついた銃」があまりに素晴しかったので、頭からその銃のことが離れられなくなったとのこと。この段階ではまだその持ち主よりも銃の方に関心がある様子。
 う~ん、でもやっぱり後の数話を見ると、竜のことにも相当関心を抱いていると思うけど。やっぱり実は竜にこそ関心があるのだとはまだ無自覚なのかな?


 ちなみにそんな大春の様子を見て仲間たちは
「まるで息子の美しい嫁を羨む舅みたいだ」
とからかったけど・・・言い得て妙かもしれない。(たぶん「息子の嫁を羨む」ってのは、手に入らないものを羨む時の中国の言い回しなんだろうな)
 息子の美しい嫁=国軍の美人(笑)士官の竜ってことで。・・・つーか監督はストレートに表現できない大春の恋心をそういうオブラートに包んで表現したんだろうか?

 あ、ちなみにこの段階では竜の方は大春のこと、全然意識していません。多分、会ったことも忘れている。


 なにはともあれ、二人の出会いは
 日本軍に追われている竜を助ける(最初は竜に気づかずに日本軍を攻撃した)→木立の中から竜が姿を現す→こちらに向かってくる竜に声をかける→いきなり銃を突きつけられる→恋に落ちる(笑)→名前も聞けないまま相手は行ってしまう。
 という一連の描写は実によく決まっていて、カメラワークも素晴しい。恋の始まり(違う)の瞬間を描く場面としては屈指の出来だろう。


 この二人の出会いが何故「運命の出会い」なのかは、腐女子のロマン趣味(?)があることは否定しないが、最終回まで見れば、確かにこれが「運命」であったことがわかる。言わば、大春の最終回での行動がこの出会いによって決定づけられていた、という意味で。

 まあ・・・・・・そう思っているのは私だけかもしれませんけど(汗)。詳しくは最終回まで終わってから。

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