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2011年2月11日 (金)

映画・ドラマで学ぶ中国語(3) クライミング・イン・ザ梁山泊

※注:ブログ主は中国語初級者です。けっこう推測を交えて書いているので、間違っていることもあります。


 

 今回は『西安事変』の楊虎城のセリフより、ある「成語」について。

楊虎城「天不由人啊  逼上梁山 汉卿 干吧」

仮訳「『天というものは、人の思うとおりにはならない。追いつめられて梁山泊に逃げ込む』だ。漢卿、やろう」


・天tian(1)不bu(4)由you(2)人ren(2)=天は人の思い通りにはならない

→どうしようもない

 辞書を引くと「天時不由人」という言葉があり、意味は「天の時というものは思い通りにならない」。ここから「時」が抜けて「天は人の思い通りにならない」という意味になると思われる。

 このまま「成語」として訳してもいいけど、その持つニュアンスを汲み取って「ものごとが自分の自由にならない(うまくいかない)」という訳にもできるだろう。場面の状況に合わせ、似た意味の言葉にしていけばいいと思う。

 「天不由人」だけで一つの言葉(成語)となっていると思うが、分解して見てみると

・天=空や天気の意味があるが、この場合は人の力ではどうにもならない超越した存在,神または運命という意味だろう。

・由人=人の思うとおりになる。「不」がつくと、人の思い通りにならない、という意味になる。




・啊a(軽)=感嘆詞。ああ~、~だなあ、などの意味。




・逼bi(1)上shang(4)梁liang(2)山shan(1)

 これは成語だが、その訳を書く前に一つずつ見ていこう。


・逼=迫る,追いつめる,無理に・・・させる。というように自己の意志では必ずしも了承していないまたはある条件が起きなければしなかったであろう行為を、他人や周りの状況によってさせられることを指す。

・上=「上」にはさまざまな意味があるがこの場合は、高いところへ登るまたは上がるという意味である。

・梁山=中国の代表的な古典『水滸伝』で108人の反乱者が集まった「梁山泊」のことである。転じて豪傑が集合する場所を意味する言葉にもなっている。

 というわけで、「逼上梁山」は「追いつめられて梁山泊に登る」ということになる。


 成語としての「逼上梁山」は辞書によると

①追いつめられて窮余の策として梁山泊に逃げ込む。

②追いつめられてやむなく反抗する

③のっぴきならず悪に走る

という意味がある。


 実は私は『水滸伝』ってちゃんと読んだことないのだけど・・・・・・どうも梁山泊に集結した108人の好漢たちにはそれぞれ通常の社会で平穏に生きることができなくなってしまった理由があり、それで梁山泊に上って官軍と戦うことになったらしい。

 つまり、彼らに何かしらの外的要因が作用しなければ、好き好んで反乱行為は起こしていなかったと言えると思う。だとすると「逼上梁山」は自分達の良いとは言いいがたい行為が、あくまで(往々にして理不尽な)何らかの事態に対するリアクションであることの表明と言える。逆に言えば、真に望むものは平穏無事に過ごすことであったということだ。


 ドラマ中でこの台詞は、張学良が再三「内戦停止、一致抗日」を訴えても蒋介石に相手にされなかったため「最後の手段」を具体的に計画し、それでも決行前の最後の機会と今度は楊虎城を説得に赴かせたがやはりだめ。そうして説得に失敗した楊虎城が張学良にかけた言葉である。

 自分達だとてこのような手段がベストだとは思えないが、今までさまざまな道理を尽くしてきたのに蒋介石こそそれを理解せず、かえって自分達を追い詰めている。すでに他に道はなく、しかもこのような事態を招いたのは(自分達にこんなマネをさせようとするのは)蒋介石自身が招いたことである、と言っているのだ。

 これだとちょっと責任転嫁っぽく聞こえるが、ここで楊虎城は、すでに決行を決めているがまだ蒋介石に執着を残しているように思えた張学良にダメ出しをする、あるいは精神的負担を軽くするためにこの成語を持ち出したのだろう。また、自分達が本来望んでいたのは平穏であり穏当な手段であり、血に飢えて好き好んで暴力的手段を行使するわけではない、ということをはっきりさせておくことは反乱者にとっては重要なことである。

 そしてこの後、二人は「西安事変」を起こすのである。



・漢han(4)卿qing(1)=張学良の字。



・干gan(3)=する、なす。

 いろいろな意味があるが、この場合は「する」。何をするかと言えば、会話をしている楊虎城と張学良の間でははっきりしていることであり、なおかつはっきり口にするのははばかられること、すなわち「蒋介石を監禁して抗日を迫る」ことである。

 ふだんの会話では、お互いに何をするか了解しあっている間柄で、わざわざ口にだして言うのは野暮な状況の時に使えるだろう。



・吧ba(軽)=~しよう、するぞ。命令文で命令の語気を弱める。


 というわけで、楊虎城の台詞は、故事成語っぽい雰囲気を残して

楊虎城「『天は人の思う通りにはならない、迫られて梁山泊に上る』ということだ。漢卿、やろう」

 でもいいいし、もう少しシンプルに

楊虎城「もう他に道はない。漢卿、やろう」

でもいいんじゃないかと思う。

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