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« 「我演林彪」(林彪の中の人のお話) | トップページ | 『西安事変』36話(最終回) »

2010年12月11日 (土)

『西安事変』34話~35話

あらすじ

 
 宋子文は共産党が西安入りしているのを聞き蒋介石の救出を絶望視するが、彼らも蒋介石の生存を望んでいることを知り、いったん洛陽に戻る。洛陽で合流した宋子文,宋美齢載笠ウイリアムは共に西安へ赴く。

 宋美齢は、多くの人の恨みを買っている載笠を同行させるのに難色を示すが、戴笠は蒋介石とともにいたいと主張する。また、美齢はもし張学良たちが自分も捕らえようとする時は自分を射殺してくれ、とウイリアムに頼むが断られる。

 西安についた宋美齢は張学良楊虎城に出迎えられまず張学良公館へ。宋美齢の身支度を手伝っていた趙一荻は、二人の関係に心を痛めながらも張学良と宋美齢を二人きりにする。宋美齢は起こしてしまったことについては言及せずこれからのことを話し合う。また張学良に一定の理解を示しつつ、毅然とした態度を崩さない。

Cap1203

張学良と面会する宋美齢

 また、蒋介石と面会した戴笠もその場で土下座し、蒋介石を守れなかったことを謝罪する。

Cap1204

(美齢より早く)蒋介石の監禁場所に飛び込んで土下座する戴笠

蒋介石と宋美齢は再開を涙ながらに喜ぶ。蒋介石は殉国の覚悟を告げるが、美齢は最後まで諦めてはだめだと諭し、周恩来と会談しに行く。

Cap1205

再会を喜ぶ蒋介石と宋美齢

 周恩来,宋美齢,宋子文の三人は話し合い、正式な談判を行うことに同意する。蒋介石は国家元首の権威を守るため、宋兄妹に全権を委任して自身は臨席せずその結果の承認は口頭のみとすることを条件に談判を認める。

 12月22日~24日にかけて、張学良・楊虎城,周恩来ら共産党代表,宋兄妹の三者が話し合い、政府の改造,内戦停止,言論の自由など抗日に向けての態勢作りの合意を見る。

 周恩来は蒋介石に会い、旧交を温めようとする蒋介石を牽制しつつ、今後のことを話し合う。

 自分の要求が叶った今、張学良は一刻も早く蒋介石を解放しようとする。しかし、東北軍内部では口頭のみでの承諾で蒋介石を解放することへの不満がうずまく。

 張学良は、自分も蒋介石を送って南京に行くことを提案するが、部下や周恩来に反対される。特に楊虎城には合意にサインしなければ蒋介石を解放すべきではないと主張され、すっかり頑なになった張学良は彼と決裂してしまう。

 また、東北軍・西北軍内部には、蒋介石を帰すまいと街の警備を強化する動きも出てくる。刻一刻と不安定になる西安内部と迫る何応欽との停戦期限終了を前に、張学良は今すぐ蒋介石と宋兄妹を南京に帰すことにする。

 趙一荻は、父を殺され故郷を失い不抵抗将軍と罵られてきた張学良の長年の苦難を理解するものの、彼との別れに嘆き悲しむ。張学良は自分が生まれて間もない頃に父・張作霖が作ってくれたお守りを一荻に贈り、彼女だけが自分のことを本当に理解してくれた、と言う。

 張学良は楊虎城を呼び出し、今から蒋介石とともに南京に行くことを告げ、さらに自分が帰らない場合は東北軍の処遇を楊虎城に一任するとの委任状を押し付ける。驚き抗議する楊虎城だが、そこに話を聞きつけた張学良の部下たちも入ってきて東北軍20万の兄弟を見捨てないでくれ、と張学良に嘆願する。しかし、張学良は拳銃を差し出し、自分を行かせるか今ここで射殺するか選べと迫り、呆然とする部下たちの横を通り抜け、楊虎城と空港に向かう。

 空港にて、蒋介石は南京に戻ったら自分にもおまえを守ってやることはできない、と言うが、張学良はやはり同行を願う。飛行機に乗り込もうとする張学良の腕をとっさに楊虎城が掴んで止める。張学良はしばしその場に留まるが、静かにその手をはずしタラップを上がっていく。自分の名を呼ぶ楊虎城に敬礼を残し、飛行機の中に消えていく。



感想

 いきなり急展開(しなきゃドラマが終わらんのだが)。

 とりあえず周恩来が来て美齢が来て、問題は解決しました・・・・・・みたいな。今までの蒋介石の抵抗はなんだったんだ? 的なものがあるが、美齢が張学良と蒋介石、二人の男の態度を軟化させたということなのだろう。しかし、美齢の登場が張学良の余裕をなくさせ、視野を狭めてしまった面もあるようだ。

 そして、ばたばたと話し合いが終わって、そしたら蒋介石の解放を巡って東北軍内に不穏な空気が流れ初めて、張学良はそれを何とかすることもせず蒋介石を送っていく! とか言い出して、共犯者の楊虎城の承諾を得ることもせず空港に行っちゃって(一応、直前には言ったが・・・・・・もはや後戻りできない段階で告げられてもね~)。

 25話目にして突然張学良の態度がここまで頑な、いや意固地になってしまって視聴者もとまどうんじゃないかと思う、しかもその理由も不明だし。蒋介石を抱えたまま何応欽と一戦交えることも厭わなかった張学良だが、一転して蒋介石の解放を急いだのも美齢までが西安に来てしまって、彼女を戦火に巻き込むわけにはいかないとでも思ったのか?・・・・・・ってだいぶエゴイスティックな論理だな。

 と言うか、29話から33話にかけてあれだけ堂々巡りに話数かけるくらいなら、この談判やら西安内部の不穏な空気やら張学良と楊虎城の決裂やら張学良の南京行き決断の経緯やらをもっと時間をかけた方が良かったんじゃないかと思うが・・・・・・。

 しかし、これも一種の製作者の苦肉の策だったのかもしれない。やはり西安事変のクライマックスは、張学良が南京行きの飛行機に乗り込むシーン。・・・・・・・だが、根本的な問題は、史実上のこの張学良の行動が意味不明という点だ。ドラマでは東北軍内部の不穏な動きとか、停戦期限の終了とかがもっともそうな理由付けが少しされているが・・・・・・やっぱり意味不明なものは意味不明だ(まずトップなんだから自分の軍の動揺を抑えろよとか、停戦何々だって蒋介石だけ帰せばいいじゃん・・・・・・)。

 それを長々と書いたりもっともらしくしようと小細工すればするほど破綻することを、この賢い製作者はわかっていたのかもしれない。だからスピーディーな展開でその変をごまかすという一種の力技に訴えたのかも・・・・・・。


 まあ、それはともかく、理由は不明だがこの時期に張学良がひどく頑なであったのは史実。その頑なぶりを(理由も不明なのに)シナリオ、役者さんともによく表現できていたと思う。

 あと、可哀想なのは趙一荻。彼女は張学良の宋美齢に対する気持ちを充分すぎるほど理解した上で、美齢の身支度を手伝ってあげたり、空気を察してさりげなく部屋を出ていった二人きりにさせてあげたり・・・と、すごく傷ついているのにあくまで笑顔で何事もなかったように対応。その「従順な愛人」ぶりがまた切ない。




ピックアップシーン

 今回は、張学良と楊虎城のやりとりが良かったのでそこ中心で。二人が蒋介石の釈放を巡ってケンカし、張学良が飛行機で行っちゃうまでの流れを。

張学良「虎城。解放しないわけにはいかない。南京にはもうすぐ王精衛も帰国してくる。日本も何か動き始めている。このままにしていては、きっと状況は悪くなってしまう」

楊虎城「ああ、漢卿。私だって決して彼の解放に反対なわけではない。しかし、それには条件が必要なんだ」

張学良「じゃあ、どんな条件ならいいというんだ?」

楊「委員会は三つの条件を提案している。一、委員長がこの西安から命令を発する 二、合意書にサインする 三、彼個人が声明を発表する。私としてはこのうちどれか一つでも実現できれば、解放していいと思う」

張「委員長はすでに自分の人格を担保に約束した。我々はそれ以上のことを彼に迫ることはできない。それに夫人と子文と保証人となってくれている」

楊「人格で保証? 言わせてもらうが、委員長には信頼に値すべき人格なんてものはないんだ。私は君よりもいくらか長く委員長と付き合っている。1929年から、彼のやりくちというものをさんざん見てきた。あいつは政治的なごろつきなんだ! 中国のいかなる軍閥、私や君も含めてだがね、彼にはかなわない。・・・・・・蒋介石にもし礼節や恥というものがあったなら、中国は今日のようなものではなかった! 漢卿、「虎を野に放せば、将来必ず人を傷つける」ということだ。蒋介石は南京に帰れば、すぐさま約束を反故にするに決まっている!」

張「私たちが今回事を起こしたのは、委員長に抗日の指導者になってもらうためであって、私たちがどんな結果を蒙ろうとそれは重要ではない。現在、彼はすべての条件を飲んでくれた。なのに、君はまだ何が必要だっていうんだ!」

楊「彼が帰ってしまえば、私たちの首はすぐに落とされると言っているんだ!」

張「楊虎城! 兵諌の前に、君は言っただろう。すべて私の指示に従う、と。その私が決めたことなんだぞ!・・・・・・事を起こす前、私たちは自分の利害や危険のことは顧みない決意だった。私も今回のことの指導者としてすべての責任を負うつもりだ」

楊(諭すような口調で)「・・・・・・張漢卿。君はきっと後悔する」

張学良、無言で背を向けて立ち去ってしまう。

 互いが感情的になってしまって、なんともまずい話し合い(この場合、内容が問題ではなくて互いに妥協点を探ろうとしていない点が感情的)。それでもどんどん頑なになるばかりの張学良に対して、最後にちゃんと冷静になるのが楊虎城(相手に感情的になられると、冷静になってしまうタイプか?)。

 「後悔する」という言葉も脅し的な意味ではなく、視野の広い楊虎城にはそれが既定のこととして予見できるのであり、激昂する張学良を諭し心配しての言葉というのもいい感じ。 

 しかし、ここでいったん二人は(と言うより張学良が一方的に)決裂してしまうのだが、後で張学良は楊虎城を呼び出し、

張学良「虎城、ここ数日、私もいらいらしていてね、君に当り散らしてしまったこともあると思う。あとでぶつなり罵るなり好きにしてほしい」

楊虎城(軽く苦笑)

Cap1206

張学良「でも今は時間が無い。君の助けが必要なんだ。(張学良、机から書類を出して渡す)これを」

楊「『東北軍の各軍長各師団長へ。私が陝西を離れた際に万一事故が発生した場合は、各自楊虎城の命令を聞き、その指示に従うこと。私は楊虎城を私の職務の代理に任ずる』・・・・・・漢卿、なんだこれは?」

張「・・・・・・ああ。君に私と一緒に空港に行って、委員長を送ってほしい。そして私も委員長と一緒に南京に行く」

楊「なにっ?・・・・・・漢卿、おまえ・・・・・・漢卿! 私は、どんなに止めても君が蒋介石を解放するつもりであることはもうわかっていた。だが、一緒に南京に行くのはだめだ! おまえはなんて奴なんだ。私に君が死に行くのを黙って見ていろと言うのか!漢卿!」

張「・・・・・・・私は他の誰も巻き込みたくないんだ。これは私がやったこと。だから私が行くべきなんだ」

 
 
 
 最初に、さっきは言い過ぎてごめんね、的なことを言う張学良をあっさり笑って許す楊虎城・・・・・・そんなに甘やかすからだめなんだよ、と言いたくもなるが・・・・・・次に張学良の一方的な宣言および20万の将兵押し付けに対して・・・・・・

「私に君が死に行くのを黙って見ていろと・・・・・」。

 これだけやられて、怒るポイントそこかよ!・・・・・・もう、なんていい人なんだ・・・・・・。

 そして張学良の部下の乱入もあって、いろいろうやむやのまま結局一緒に空港へ行くことに。その西安事変クライマックスの張学良蒋介石同行シーンをノンストップで再現。

空港に着き、蒋介石夫婦の後をついていく張学良。ふいに、楊虎城がその腕を掴む。

Cap1207

楊虎城「漢卿。ここまでだ」

張学良「・・・・・・」

Cap1208

蒋介石「・・・・・・そうだな。漢卿、ここまでにしておきなさい。南京に行ったら、ある者たちはおまえを罰するよう求めるだろう。向こうに行ったら、私もおまえを守ってやることはできない」

Cap1209

張学良「・・・・・・学良には、兄を送っていく義務があります。その後に何が起ころうとかまいません」

Cap1210

蒋「・・・・・・漢卿。それならこれだけは私の言う通りにしなさい。洛陽で飛行機を乗り換えろ。私と一緒の飛行機に同乗するな。南京の空港では、私の歓迎を準備しているだろう。おまえが私と一緒に飛行機から降りてきたら、彼らもいろいろと怪しむだろう」

張「・・・・・・」

蒋「美齢はどう思う?」

美齢「・・・・・・私もそれがいいと思います」

張「・・・・・・はい、ならば私はそのようにします」

(略)

蒋「よし、それでは行こうか」

(蒋介石、宋美齢飛行機へ。付き従う随員らとともに張学良も歩みだすが、再び楊虎城に腕を捉えられる)

Cap1211

楊「漢卿!」

Cap1213

張「・・・・・・」

Cap1196

 張、楊の手をはずし、タラップを上る。それを見つめる楊虎城。

Cap1214

楊「張学良!」

Cap1215

 張、振り返り、しばし見詰め合った後、ゆっくりと敬礼。

Cap1200

Cap1201

その後、飛行機の中に入り扉が閉ざされる。

 いやぁ~、もう感動的な場面ですね。楊虎城(泣)・・・・・・当たり障りの無い感想は書けないので、以下反転で当たり障りのある感想を(ここまで読んで嫌な予感がしている人は見ないでね☆)。






 監督GJ!!!

 うわっ、こんな切ない二人の別れのシーンをやってくれるとは! ありがとうありがとう×100

 楊虎城が張学良の腕を掴んで止めようとした!

 これだけでも充分すぎるほどなのに、↑のような表情までしてくれて・・・・・・なに、この置いていかれる男の悲哀+いろんなものが混ぜこぜになったような絶妙な表情は? 

 何か、張学良が蒋介石と楊虎城の間に挟まっているので、別の男と行ってしまう相手を見送る男と言う構図にもなっているよ(←なってねぇ)。

 しかも楊虎城は張学良が自分を無視して他の男と行ってしまうのを嘆いているんじゃなくて、張学良の未来を案じて(ってこの人も現段階でさえ人のことを気にしている場合じゃないんだが)でもそれを回避させられないことを嘆いているのね。

 張学良もそれまではもう蒋介石と美齢のことしか目に入らなくなって、しかも皆に解放を反対されて頭に血が上っていて強引に動いていたのだろうが、ここで腕を掴まれて、「正気」に返ったんだろうな。楊と見詰め合うシーンは、それまで蒋介石と美齢ばっかりだった視界に楊虎城のことがもう一度入ってきたのだろう。

 でも「正気」に返って、それでもやはり蒋介石と行くことを選んだのだろう。楊虎城にもそれがわかったから、もう何も言えない。振り払われたのではなく、静かに手をはずされたのだから。おそらくその行為は、張学良にとっても初めて痛みを伴うもので、それもわかってしまったから。・・・・・・そこで強引に出て力ずくでも止めてたらなぁ(歴史改変上等)。変な所で張学良の意思を尊重するんだから。

 そしてそして・・・・・・最後に「張学良」ときましたか! それまでずっと字(あざな)である「漢卿」だったのに、いきなり本名の「張学良」。以前にも一度「張学良」って呼びかけたことはあるけど、その時も西安事変が失敗しそうになって張学良が責任取って死のうとした時に、おまえが死ぬなら俺も死ぬ、みたいなことを言う超真剣深刻なシーン。

 ここぞという時に字から本名に呼びかけが変わるのはなんなんだろう? 現代日本人にはよくわからない感覚だけど、字で呼ぶか本名で呼ぶかは当時の中国男性にとっておそらくとても特別な意味を持っていただろうし。

 とにかく楊虎城がすてきで可哀想なシーンですが、とても理想的(楊が可哀想なのこみで)なお別れシーンでした。



おまけ

 そう言えば、楊×張シーンではないけど、宋美齢らが西安に向かう飛行機の中でこんな修羅場も。

戴笠「学生(戴笠自身のこと。軍事学校で蒋介石の教え子だったため)が今回西安に行くのは、校長(蒋介石)と生死をともにするためです」

美齢「雨濃(戴笠のこと)。私は本当のところ、あなたが一緒に西安に来るのは反対よ。あなたは多くの人に恨みを買いすぎてるわ。それがわからないの? (略)」

戴笠「・・・・・・古人の言葉にあります。「主を憂慮させるのは臣にとって恥ずべきこと、主が辱められてしまうのは臣にとって死に値する」。校長が私のことを今までどれほど愛してくださったか。それを思えば、校長の危機にどうして私がそのお側から離れていることができましょう」

 ・・・・・うわっ、戴笠、なに美齢と蒋介石を取り合っているの? 二人の表情もなんか固くて、怖いよ・・・・・・。

  

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