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2010年9月

2010年9月29日 (水)

ドラマ「地道戦」&「雁翔英雄」キタッー!

 もう少し前の話になりますが、映画『地道戦』について調べていたら思わぬ情報が・・・・・・

 なんと、50年代の映画『地道戦』をTVドラマ向けにリメイクした同名ドラマがつい最近放送されていたとのこと。

 以下の中国版ウィキとも言えるサイトの「地道戦」の項目の「三、電視劇『地道戦』」に詳しく載っています。(電視劇とはTVドラマという意味)主要人物の名前も同じ完全リメイク作品。

http://baike.baidu.com/view/9158.htm

 中国ではここ数年、『紅娘子軍』や『林海雪原』など古典革命映画のTVドラマ用リメイクが相次いでおり、あれだけおもしろい『地道戦』だってリメイクされてなきゃおかしい、むしろあれこそリメイクするべきだろう、と思っていたのですが、つい最近、2010年9月にとうとう放送されたようです

・・・・・・って、なんで私が帰国した後に放送する!?ひどいよっ!(←知らんがな)

 そういうわけで、私は今「クイックチャイナ」などの中国ドラマを扱うショップがこの作品の通販を始めるのを虎視眈々と待っているのですが・・・・・・当分まだみたい・・・・・・(って言うか扱ってくれなかったらどうしよう・・・・・・)


 ところで「地道戦」のリメイクと言えば、私はてっきり『地道英雄』という作品がそうなのかと思って、ばっちりゲットしてしまいました。(と言うか、「クイックチャイナ」はなんでこの作品を「現代劇」に分類してるんだ?)

http://www.quick-china.com/movie/detail/dj16663.html

 ただ、この作品は「地道」という舞台装置だけを利用したまったくのオリジナル作品ですが、これはこれでかなりおもしろい。



 さて話は変わってもう一つ朗報(?)。

 中国で活躍されている日本人俳優・三浦憲一さんのブログによれば『雁翔英雄』というドラマの製作が進んでいるとのこと!

http://blog.sina.com.cn/s/blog_4eea22af0100l1ie.html

 『雁翔英雄』の「雁翔」とは抗日戦争中に河北省白洋淀という湖水地方で活躍した水上遊撃隊、その名も「雁翔隊」のこと。

 白洋淀は大少無数の湖や河川があり、地区の7割近くが水域という地域で、漁業の盛んな場所です。抗日戦争中はこの地の漁民たちが遊撃隊を結成し、その船を操る腕前を駆使して水上で日本軍との熾烈な戦いを続けた場所でもあります。今では、その美しい湖水風景のため、国家級の観光地となっています。

 この白洋淀の水上遊撃隊の話は中国ではわりと有名な話でして、私としてもこの地区の抗日戦争時代のことをちょっと調べたことがあるという関係もあり、ちょっと注目していた事柄ではありました。なのでそれを舞台にしたドラマ作品の製作は楽しみですね。ドラマの内容がちょっと・・・・・・という人でも白洋淀の美しい風景は充分楽しめると思いますよ。

 ・・・・・・まあ、今製作している段階では公開&DVD販売はずっと先の話になると思いますが。


 ちなみに上記のブログによると「中国の抗戦ドラマ史上初の航空撮影+船上撮影+潜水撮影を合わせた大型作品。リアルで非常に見どころがある」とのこと。あと、一面の葦の中での撮影で蚊の襲撃がものすごかったらしいです。

2010年9月25日 (土)

『太行山上』ピックアップシーン

 さて、いろいろどうしようもない映画だった『太行山上』だけど、それでもいくつかピックアップできるシーンもあるので、そのへんを紹介。・・・・・・あらすじは特に必要ないと思う、あらすじ書くほどの内容なかったし。



・林彪モード全開

 TVドラマ『八路軍』の外見も中身も原型を留めていなかった林彪とは違い、『太行山上』で別の役者さんが演じる林彪は外見も中身もけっこう林彪林彪してました(←変な表現)

 さっそく林彪節が炸裂したのは、平型関の戦いの前の国民党軍将軍らとの作戦会議の時。一応その場に一緒に座っているもののやりとりは115師(林彪は八路軍115師の師長)の他の幹部にまかせて、国共双方の話し合いを聞いているのか聞いてないのかまったくわからない様子(たぶん聞いていない)。あげくに話し合い中にいきなり立ち上がって、ふらふらと(笑)歩き出し、もはや皆を無視して戦場となる場所を無言で見つめ続けている・・・・・・・

 そう、これが林彪なのである。それまで黙って自分の脳内だけで考えて出した結論だけを、TPOもそれまでの話の流れも無視して発言あるいは行動に移し、周りがついてこれなくてもおかいまし・・・・・・という、これこそ「無口キャラ」とも言うべき行動様式。

Cap860

前フリなしに会議の場を去る林彪

 共産党の面々は慣れているからいいけど、話し合いの途中にいきなり無言で席をはずされそれっきりにされた国民党の面々は・・・なんだ?coldsweats02と思ったに違いない。林彪的には、考えをまとめるために歩き回りたくなっただけだろうけど(笑



・林彪in平型関

 『太行山上』では、タイトルで「太行山」の名を出しているにも関わらず、前半30分を平型関の戦いに費やした。や・・・・・・平型関の戦いを30分もやられちゃ見ているほうはもうおなかいっぱいって感じになるのですが・・・・・・。

 で、八路軍側のある部隊が危機に陥ったシーン。

「101(林彪の暗号名)、101!、聞こえますか!? 敵が11回目の突撃をしてきます。我が部隊はすでに弾薬が尽きました!」

 と必死の通信が送られてくるのだが、無線機を取った林彪の返答はただ一言。

「いかなる犠牲を払っても死守せよ」

Cap1036

 ほとんど表情を変えず淡々とした口調で言うあたりが林彪らしくてちょっとゾクゾク。林彪役の役者さんは、だいぶ林彪について勉強しているらしく、役作りがなかなかいい感じ。




・スメドレー→朱徳

 男ばかりのこの映画の数少ない女性で、ヒロイン(!)とも言えるのが、ジャーナリストのアグネス・スメドレー。

 彼女は抗日戦争前から朱徳や共産党を取材し、また抗戦初期には八路軍に従軍して『偉大なる道』(朱徳の伝記)『八路軍従軍記』などを書いている。

 で、この映画では、スメドレーは朱徳のことが(恋愛的な意味で)好きなんですよ?という設定らしい・・・・・・

 えええええっ?

 まあ、その噂は無きにしもあらずでしたが、ここまではっきり描いちゃうのは珍しいんじゃないかな?

Cap933

朱徳とスメドレーin秋の原っぱ 

 それがあからさまになったのは、戦局が厳しくなり朱徳が前線で取材していたスメドレーを後方(延安?)に帰るよう命じた場面。スメドレーはしぶしぶその命令に従うが、別れに際して朱徳にある要求を・・・・・・

スメドレー「では、私に西洋風の別れの挨拶をしてくれますか?」

 ・・・ああっと? 「西洋風の別れ」ってつまりここで暗に朱徳に「抱擁してくれ」あるいは「キスしてくれ」って言ってんですよな? で、朱徳はスメドレーの気持ちは百も承知だろうが、実にうまいかわし方を。

朱徳「私達は今、二人とも八路軍の軍服を着ているのですよ」

 ・・・つまり、あなたも私も八路軍、西洋はともかく八路軍には別れの時に抱擁したりキスしたりする習慣は無い、ってことでこれまた暗にスメドレーの気持ちを拒否しているのですな。スメドレーもそれで諦めたのか、

スメドレー「私は愛しています・・・八路軍のこと」

となかなか粋なことを言って失恋を受け止め去っていきます。

 まあ、スメドレーの片思いを朱徳が大人の対応でかわしたという感じですな(私は朱徳は奥さんとラブラブ派)。




・秘密の会話はロシア語で

 日本軍の大部隊が八路軍の司令部に迫り、朱徳たちは撤退。しかも無線の暗号が日本軍に解読されたらしくて(史実では日本軍は国民党軍の暗号の大半は解読していたが、八路軍の暗号はほとんど破ることができなかったのだが)他との無線連絡ともままならない。

 しかし、逃亡の途中で日本軍がある村を襲うのを目撃。警備兵くらいしかいない自分達の戦力ではどうしようもないので、近くにいる劉伯承・鄧小平率いる129師を呼び出そうとするが、しかし暗号が解読されている中で通信したら日本軍にこちらの動きが丸わかりになってしまう!

 と、そこで参謀長の佐権が妙案を思いつき、暗号も何も無しで129師に無線連絡をする。ただしロシア語で。

 佐権も劉伯承&鄧小平もソ連留学経験があり、ロシア語を話せる。だからこそ使える「暗号無し、そのまんまの会話」という無線連絡の最大の禁じ手を使えたというわけ。

 案の定、日本軍は無線を傍受したもののロシア語での会話であったので、「××地点に日本軍が×人くらいいるから急行して叩いてくれ」という超ストレートな会話だったのに、内容を把握できなかった、という展開。

 なかなか機転が利いていておもしろい場面でした。




・雄大な太行山の自然

 ぶっちゃけ、この映画ではロケ地が一番の魅力だったような気がします。

 

Cap855_2

 まず、OPで空から太行山(脈)を楽しませてくれます。2000メートル級の山々。OPは期待が持てるOPだったんですけでねぇ・・・・・・・・・・・・。

Cap965

 秋の風景もきれいです。

Cap1003

 瀑布! こういうのこそ中国自然の醍醐味の一つ。もしかして撮影場所は、有名な壷口瀑布なのかな?


Cap1006

で、最後はその瀑布での総司令部組の会話で締め。・・・・・・でもこの人たち、なんでわざわざこんなところで会話してるんだろう?



・楽しいメイキング映像

 DVDにはおまけ特典でメイキング映像が入っていました。ぶっちゃけ本編より面白かったです。

 その中でも(私が)萌えるのが。

Cap1007

 林彪役の役者さん、待機モード。相当寒い季節らしく(しかも雨?)、風が吹いた瞬間に小さくぶるっと震えて首をすくめるシーンをばっちりカメラが捉えていました!

 このりんぴょ(役)、萌え!!

 いやぁ、本編での林彪の演技もうまかったですが(さすが実質準主役)、この待機シーンが一番いい!! いかにも林彪って感じ! いかにも林彪らしい首のすくめかた!(←どんなすくめかた?)

Cap1008

 エキストラの皆さんによる戦場(シーン)作り。 あんな山の中、重機も入りづらいだろうから大変だなぁ・・・・・・。

 と、いうわけで、『太行山上』ピックアップシーンでした。次回はもっとマシな抗日映画を作っていただきたい。

※設定ミスで「続きを読む」モードになっていますが、続きはありません(直せない)。

続きを読む "『太行山上』ピックアップシーン" »

2010年9月22日 (水)

映画・ドラマで学ぶ中国語(0) 

 一応、私は中国語を勉強する身でして、中国の映画やドラマを見るのも勉強の一環です。映画やドラマを見るのは語学の勉強の良い方法らしいですね。

http://www.chinesemaster.net/modules/study_chinese/index.php?id=36

 ↑の他にも中国ドラマ視聴で学んでいるという中国語学習者のブログもちらほら散見されます。

 もちろん語学は話すのが何よりの勉強ですが、「多聴」のためには映画・ドラマ視聴もけっこう役立つでしょう。何より語学テキストのように無味乾燥な会話ではなく、生き生きとした面白い中国語が学べるのが長所でしょう。

 そういうわけで私が映画・ドラマを買い込むのは中国語学習のためでもあります・・・・・・・・・・・という自己欺瞞で「ううっ、もう見切れないほど買っているのに、またこんなに買ってしまって・・・・・・って言うか、こんなにマニアックなドラマ買い込んで・・・わたし・・・・・・・なにやっているんだろ? 馬鹿?」と、ふと冷静になった時に自分で自分にいいわけしています。

 というわけで、私が中国ドラマを見るのは中国語学習のためです。決して萌えるため(だけ)ではありません、自分で言っていて説得力を感じていませんが。

 まあ、嘘も方便と言いますし、せっかくですので、ドラマで覚えた中国語を紹介し、中国語学習の皆様の役に立てるようなコーナーでも作ってみようかと思います。なにしろ、同じようなことをやっているブログ見ていておもしろそうだったので(←単純)。

 しかし、このブログで扱っているのは、他のブログが扱っているような生ぬるいトレンディ華流ドラマではなく、「革命&抗日ドラマ」です。

 ぶっちゃけ「保証完成任務!(必ずや任務を達成します)」というこの手のドラマで頻出する言葉を覚えても、今後の人生のどこで使ったらいいのか皆目見当がつきません。

 まあ、人生何が起こるかわからないので使う時もあるかもしれませんが、そんな「革命言葉」ばかりでもアレですので、取り扱うのは

  1. 基本的な言葉
  2. 会話で覚えとくと便利な言葉
  3. ユニークな言い回し
  4. 革命言葉

を主に取り扱っていこうと思います。

 ・・・・・・ただ、ブログ主も初心者に毛の生えた程度の中国語能力しかありません。セリフの訳や解説に著しい間違いがある可能性があります!

 なので間違っていたらすいません。パソコンの向こうで「ぷっぷっ!こいつ間違ってやんの、やーいやーい」とか嘲笑ってください。こっそりコメントで指摘してくれるとなおいいです。


 また中国革命の主な舞台が農村であるため、ドラマの舞台も農村、特に華北の農村の場合が多く、登場人物のセリフも田舎の粗野な言葉遣いである場合があります。(や、田舎をバカにしているわけでは決してありませんが・・・・・・)

 そしてドラマ中で使われた言い回しも全国的なものではなく、ある地方でしか使われていないものである可能性もあります。そしてブログ主にはそれを判別できるほどの能力はありあません。そのへん、ちょっと気をつけてお読みください。

 あ、ちなみに4声は、(1)=一声、(2)=二声などで表します。基本、普通話の発音でいきます。

 

  教材に使うドラマはすでにここで取り上げたものをランダムに使います。

 

2010年9月15日 (水)

『西安事変』20話~22話

 1936年10月、張学良閻錫山とともに、蒋介石の元へ「内戦停止、一致抗日」の説得に行く。日本軍の山西侵略の可能性に大きな危機感を抱く閻錫山は、ついに蒋介石に向かって共産党よりも日本軍の方が脅威だと告げる。しかし、蒋介石は「共産党との合作を言う者は、漢奸よりも悪い」と言って己の意見を翻さない。

 すっかり失望し自分たちで自衛の方法を考えるべきだとする閻錫山に張学良は蒋介石が意見を翻さないなら自分は東北軍を率いて共産党に行くと打ち明け、閻もそれを支持する。

 紅軍は、王以哲から胡宋南軍が侵攻してくるという情報をもらう。王以哲は胡軍との連絡をわざと絶ち攻撃に協力しない一方、紅軍を心配する。紅軍総指揮官に任命された彭徳懐は、胡軍を飲料水のない地方に誘導した上で、彼らがわずかな水源に集まったところを包囲攻撃し、大勝を収める。

  張学良を静かな場所に誘った楊虎城は、故事を引いて蒋介石を捕らえ、彼を擁する形で張が天下に号令を出す案をほのめかす。しかし蒋介石に深く忠誠を誓う張学良には到底受け入れられない案であり、何も聞かなかったことにする。

 一方、満州から綏遠省(現在は内モンゴルと山西省の一部)に侵攻した関東軍を、博作義将軍の軍が撃退する。東北軍をはじめ多くの人々が喜びに沸き、抗戦への熱が再び高まる。

Cap889

 中国軍の勝利を喜ぶ西安市民たち

 楊虎城は、張学良と蒋介石の関係を不思議に思い、また妻に「この後に及んで臣下が君主の過ちを正す方法は二つしかない。一つは自殺を以って訴える、もう一つは反乱する」と胸のうちを漏らす。

 蒋介石は親共抗日意識が深く浸透している東北軍と西北軍を対共産党殲滅戦からはずすことを考慮し、さらに「抗日七君子」と呼ばれる7人の民主人士を逮捕する。

 七君子逮捕に怒った張学良は、極秘中の極秘の話しをするため楊虎城と三人の側近だけをつれて甘粛の知人の家で秘密会議をし、もしもう一度蒋介石を説得してだめだった場合は、「非常な手段」を用いて抗日を迫り、「天子を擁して天下に号令する」挙に出ることを決心する。

 「最後の説得」のために蒋介石と面談する張学良。しかし、激怒した蒋介石は「私が国家元首だ、私が政府」だとまで言い、張学良は多いに失望する。一方、蒋介石は督戦のため西安に行くことを決める。

 毛沢東アグネス・スメドレーのインタビューに応じ、共産党の方針と情勢分析を語る。   

 西安に戻った張学良は趙一荻に、昔自分はアメリカに行って医者になることを志望していた、と語る。しかし父の張作霖に「今の中国では医者が手術刀で一人を救う間に、軍刀で十人以上の人間が殺される、そんな中国で医者が何の役に立つ」と言われ、「結局、人の命を救いたかった自分は、人を殺す軍人になった」と自嘲する。また、蒋介石と決裂した苦悩を語る。

 西安にやって来た蒋介石は華清池に泊まり、側近や護衛の甥とともに国家の将来を語る。

  多くの国民党高官が集結した西安では、最大級の警備体制が敷かれ、高官たちが泊まるホテルは中央憲兵団の管轄となる。

 蒋介石は会議の場で有無を言わせず、対共産党殲滅の大規模な最終作戦を行う計画を話す。張学良と楊虎城は反対するが、すでにそれを見越していた蒋は、東北軍と西北軍が従わない場合は両軍を西安から追い出すという最後通牒を伝え、二人を追い詰める。

Cap1059

蒋介石の最後通牒に追い詰められる楊虎城と張学良

 蒋介石はさらに東北軍と西北軍の幹部を一人づつ呼び出し、意見を聞く。西北軍の馮敬業は楊虎城への不満と彼が共産党と内通しているらしいことを告げ、蒋介石の歓心を買う。

  今後の対応に悩む張学良,楊虎城,閻錫山。張学良は絶対に再び内戦をしないと心を決めているが、楊虎城にどうやって蒋介石の意見を変えさせるのか、と問われる。その時、苗剣秋ら東北軍の若手将校たちがやって来て、東北軍の者たちの抗日を願う血盟を見せ、東北奪還の思いを訴える。

 蒋介石の護衛を担当する彼の甥の蒋考先は、万が一に備え東北軍の警備隊を中央軍の警備隊に変えることを提案するが、蒋介石に却下される。

 1936年12月7日、これが最後のつもりで蒋介石話し合いに行く張学良。しかし、蒋介石は、「もうその話はうんざりだ」と言う。張学良もまた蒋を「兄」と呼び、「かつて東北を取り戻すため戦うとあなたが誓ってくれたから私はそれを信じて五年待った、私こそもう耐えられない」と本心を語る。さらに東北軍の将兵から託された血盟を見せるが、蒋介石は意見を変えない。

Cap1061

 東北軍が血の決意が書かれた青天白日旗(中華民国国旗)を蒋に見せるが

 絶望した張学良は自宅に帰って荒れ狂う。




感想

 ついに西安にやって来た蒋介石。21話目にして西安事変がカウントダウンに入りました。22話が終わった時点で1936年12月7日になっていたので、事変勃発まであと5日となったけど、張学良はまだ何も具体的には決めてない・・・・・・。

 ところで今回気になったのが、楊虎城の行動。

 張学良を連れ出した楊は、無言でホコリのたまった机の上に文字を書き、張に見せる。そこには・・・・・・

Cap888

「挟天子」

 この言葉は正史版三国志の「挟天子以令諸侯(天子を擁して(護持して)諸侯に命令する)」という言葉が出典だろう。

 つまり天子=蒋介石を従わせ、その名を利用して全国に抗日の号令をかけろ、というのだ。

 ・・・実は前々から思っていたことがある。

 西安事変の首謀者って張学良じゃなくて楊虎城じゃね?

 楊虎城が蒋介石の逮捕を考えつき計画して、張学良を説得して前面に立ってもらった・・・・・・西安事変に関する本をいくつか見ていると、そんな印象を持つ。楊虎城が前面に立たなかったのは、例え本当に正当な動機(抗日救国)によって行ったとしても単なる権力争いとしか認識されないからだ。対して張学良には、故郷東北を日本に奪われる、という背景があり、彼がこのような挙に出たのは抗日のためだということが理解されやすい。

 やはり張学良という人物を考えれば、蒋介石を逮捕して言うことを聞かせる、などということを彼が自力で考えつけはしないだろう。ただ自分では考えつきもしなけど、一連の経緯を経て1936年の秋頃には、その提案を誰かがすれば受け入れることは可能だったと思う。

 ただ、前面に立たされた、とは言っても楊虎城に騙されてとか利用されてというわけではない。立案したのは楊だが、その計画に賛同し「東北を追われた者」という自身の背景の意義を理解して、納得ずくでその役目を引き受けたのだと思う。

 そういう意味で、私は日本の西安事変研究が楊虎城を無視してきたのが不満だった。張学良は花があって(笑)研究しがいのあるのもわかるが、もっと楊虎城に目を向けろ! より重要なのは楊虎城じゃないかぁ~!って。・・・・・・まあ、今は変わったかな?

 とりあえずドラマ『西安事変』は、このまま楊虎城首謀説でいくのかな?

 あと、閻錫山。やっぱり閻錫山も西安事変には大きく関わっていたのかな?このへんは全然知らなかったけど、ちょっと調べてみる価値はあるかも。



 ところで「最後の談判」(←何度も「最後」がある気がするが)で、張学良が本音で話す時、蒋介石のことを「哥哥(兄さん)」と呼ぶのだが・・・・・・見事なまでに似合わないなぁ。兄弟萌えな私にとっては「哥(兄)」という中国語は中国語の中で一番美しい言葉なのだが、今回は萌えられなかった(びっくりしたけど)

2010年9月 5日 (日)

『井崗山』12話~17話

あらすじ

 宜章を占拠した朱徳たちは、林彪の意見を入れ、討伐に来る国民党軍を待ち伏せし、多くの戦利品を得る。さらに新陽を攻略した朱徳は、そこで伍若蘭という女子学生と知り合い魅かれるものを感じてしまう。

Cap337_2

朱徳と伍若蘭

 毛沢東新城という街を攻略する。そこで捕虜の虐待が発生したので、毛沢東は捕虜優待政策を徹底させる。一方、茶陵を防衛している陳浩団長は、当地で我が物顔で振舞っていた。また農民会が地主として捕まえてきた男を所有する土地が地主の規定にわずかに満たないということで解放し、農民たちとの間に対立が生じる。家には以前打倒した県長の妾・若媛を囲っていた。
 毛沢東によって派遣されてきた張子清宛希先は農民たちから話を聞き、大地主がいない土地では中小地主を打倒するのが、毛沢東の方針だと陳浩を問題視する。陳浩と彼の弟分たちも、張たちが派遣されてきたことに危機感を抱き、陳は昔の恩師である国民党の方鼎英の元へ行くことを考え始める。

 さらに侵攻してくる敵に対する増援として特務連が茶稜に派遣され、張子清と宛は、増援は名目で自分たちの任務を助けるために派遣されたのではないか、と解釈する。

陳浩は特務連長の曽士峨を取り込み、さらに若媛に方鼎英の元へ手紙を届けに行ってくれるよう頼むが、実は彼女こそ陳浩を離反させるために敵から送り込まれていた女だった。陳浩は宛希先と張子清を謀反の疑いで逮捕し、宛希先は曽が陳の側についたことに失望する。


 農村調査に同行した毛沢譚賀子珍は、毛沢東の様子がおかしいのを心配する。紅色政権でも陳浩のように封建的なふるまいをする人間が出てくるのは何故か、どうすればこれを克服できるかと毛は自分の悩みと考えを二人に打ち明ける。

陳浩に騙されていたことを悟った曽士峨は、密かに鐘大竜を毛の元に派遣するが、彼は陳浩に見つかり撃たれて重傷を負いながらも井崗山に帰還する。


 鐘大竜は井岡山で亡くなり、ポケットからは入党申請書が見つかる。毛沢東は彼の身重の妻には出産が終わるまでこのことは伏せておくことにし、自ら陳浩の元に乗り込む。

毛沢東は謀反の証拠として、赤衛隊が手に入れた陳浩が若媛に託した手紙と鐘大竜が命と引き換えに届けた手紙を突きつけ、陳浩らを逮捕する。解放された宛希先らが取り成すが、毛は彼を厳しく処断することにする。また今後は民主選挙によって県長を選ぶことにする。

Cap339_2

連行される陳浩
 
 伍若蘭と結婚した朱徳の元には、党中央からの使者・周魯が新しく決議された革命方針を伝えに来る。それは農村を焼き払って農民を革命への参加を迫ること、また地主や反革命者を殺しつくすこと、そして朱徳の部隊が毛沢東と合流するのではなく毛の方が井岡山から出て朱徳と合流すること、という常軌を逸したものであった。井岡山に入った周魯は歓迎に出た党員たちの中で袁文才一人を無視しする。


 周魯は会議の場で中央の決定を伝える。それは毛沢東のやってきたことを全否定する内容であり、彼の除名さえ含んでいた。毛はショックのあまりその場を去り、紅軍の幹部たちは口々に周魯を非難するが、党籍解除をちらつかせられ強く出れない。その中でただ袁文才と王佐だけが、毛を守るために周魯に宣戦布告をした。

夕方、ふいに毛沢東の姿が見えなくなったので、紅軍の将兵や井崗山の民衆は心配してみなで彼を探しに行く。自分のやってきたことを全否定されて落ち込んでいた毛沢東はみなが自分を心配していてくれたことに自信を取り戻す。

一方、紅軍兵士や井崗山の民衆からすっかり嫌われた周魯は毛と話し合いに行くが、決裂してしまう。


 周魯は毛沢東を師長の座に落とし、さらに井崗山の紅軍を朱徳らのいる湘南に向かわせることにする。毛沢東をはじめ紅軍幹部は井崗山から下りるのは自殺行為だと批判し、結局一部は井崗山の防衛に残すことにする。

賀子珍と袁文才は密かに毛沢譚を呼び出し、行方を探していた毛の妻子はすでに国民党によって襲われたことを告げる。毛沢譚はそのことを兄に告げられないまま、状況を確認するため周魯とともに朱徳部隊の陳毅の元へ向かう。





感想



 今回、陳浩との内部対立問題が出てきて、このドラマも少しだけおもしろくなった。

興味深いのは、裏切り者となる陳浩が少なくとも当初は一方的に悪くは描かれていない点か。(まあ、地主の妾を奪って囲っていたものの)気さくな人物として民衆から親しまれていたし、農民たちと対立した際も、無闇な地主認定を避けようとする彼の言い分はそれはそれで道理があった。ただそれをみなに納得させる努力をせず、一方的に振る舞ったから心象悪くなっただけで・・・(正論は正論だから支持されるわけではなく、発言者の態度や人徳によって左右される・・・というのはやっぱ真理かね)



 で、このドラマは毛沢東礼賛ドラマなので、みんなが毛沢東好きすぎて、そしてそんな毛沢東に逆らう奴は次々「自業自得」でひどい目にあるというパターンで見ててキモイのだが・・・その「好かれ方」がちょっと興味深い。

これが最近の傾向なのかどうかは他の革命ドラマをいろいろ見てみないと何とも言えないが、少なくとも『井崗山』において毛沢東が皆から好かれるのはその「指導力」ゆえでもなければ、「カリスマ」や「思想の正しさ」ゆえでもない。むしろそのような従来強調されてきた毛沢東像は極力消去されてさえいる。


 なんとか見い出される好意の理由は「親しみやすさ」であり、それも単に「民衆や一般兵士と同じ生活をする」という従来のパターンに加え、「悩み傷つく等身大の人間である毛沢東」というものをドラマは前面に押し出す。・・・・・・とにかくこのドラマの毛沢東は、繊細で精神的に脆いのだ(汗)。

そしてそのような毛沢東に周囲のものは保護欲をそそられ(爆笑)、自分が彼を守ってあげなきゃ!とかいう不思議な心理状態になっている節さえある。


そう、このドラマが推し進めているのは、毛沢東のお姫様化なのである!!
(←何そのホラーなドラマ)


 だが、この「親しみやすさ」さえも決定的な理由ではないかもしれない。彼はとにかく無条件に好かれるのであり、それは彼の「人徳」としか言いようがない・・・・・・

つまりこのドラマは中国古来の思想、徳の高い人物が「天」の代理人たる天子になり、その「徳」によって人民を指導し中華世界に秩序をもたらすという「徳治思想」を主張しているのかもしれない。そして人民は思想でも権力でも(国家統治に必須の)暴力でもなく、天子の「徳の高さ」にこそ服し、毛沢東の「徳」が理解できない反対勢力は次々と「自業自得」「天罰」としか言いようがない破滅のしかたをするのである・・・・・・。




 さて、「徳治」何々はともかく、そのために毛沢東のお姫様化が激しくなってしまった。

そんなプリンセス・毛委員を守る騎士(と言うより下僕)の筆頭は、やっぱり袁文才&王佐である・・・と言うか袁文才である。

Cap391_2

周魯に宣戦布告する袁文才と王佐


 中共中央から周魯という特派員が派遣されてくる。中央からえらい人が来る!と袁文才は侮られないよう精一杯身なりを整え皆と一緒に出迎えに出る。

その一連のシーンは袁の「えらい人」と会える喜び、そして「山賊風情と思われたくない!」という彼の内面が実によく伝わってくる場面であった。



 だが、袁の主観はどうあれ中央の周魯にとって袁文才は、「(人間扱いする必要さえない)山賊風情」であった。周魯は出迎えに出た党員一人一人と握手したが、最後に袁文才の番が回ってきて、袁が実に無邪気な笑顔で手を差し伸べているにも関わらず、周魯は完全に無視する。山賊なんかと握手するなんて汚らわしくてできないという本音がはっきりとわかる。

一人だけ無視された袁の失望と周魯に対する敵意は、期待が大きかった分だけ大きい。すっかりふてくされてしまった袁はその後の周魯の主催する会議で、反抗的非協力的態度を取る(その態度があまりに大人げなくていっそかわいいが)。



 中央から来た「えらい人」に会えると舞い上がる袁は、すさまじいまでの権威主義者と言える。言い換えれば、「承認願望」が人一倍強烈であったと言えよう。それは彼の屈折した強固なコンプレックスが原因だと思われる。「挫折した知識人」である彼の心の傷は、権威ある人に認められ受け入れられることでしか癒されないのであろう。だからこそ、彼は自分を始めて認めてくれた毛沢東を盲目的に愛し従うのである(・・・・・・ここにも一種の「徳治」が・・・・・・)。



 そうして周魯に再び「山賊風情」と見下されてふてくされた彼は、しかし毛沢東の危機に敢然と立ち上がる。彼を奮起させたものは、自分のやってきたことを否定され深く傷つけられた毛沢東の後姿だった。

周魯が中央の決議として延々と毛沢東を延々と糾弾する会議の場で、袁文才はただひたすら毛沢東を見つめていた。必死に動揺を隠そうとする毛沢東のその一挙一動を見つめ続けていた。

Cap390_3

退席する毛沢東の後ろ姿を見つめる袁文才は彼を守る決意をする


 周魯の毛沢東糾弾には多くの紅軍幹部から不満が出るが、周魯が中央の決議に逆らうものには除名(党籍剥奪)をちらつかすと、皆それ以上強く出れない。しかし、除名を怖れる幹部たちを侮蔑するように、袁文才と王佐は立ち上がった。

あれほど「山賊」扱いされることを嫌っていた袁は、しかし銃をちらつかせながら自分が無法者で何をしでかすかわからない「山賊」であることを演出し、周魯を脅迫する。周魯は「除名」で袁を脅そうとするが、袁はそんなもので自分を止めることはできない、自分は「山賊」であるから「党中央」も何も関係ないという態度で臨み、周魯がこれ以上毛沢東を傷つけることがないよう牽制するのである。

すべてはただ毛沢東を守りたいがゆえ、心から毛沢東を愛したゆえであった。



 とにかく袁文才役の役者さんの演技が秀逸で、袁の「屈折」「承認願望」「可愛げ」「毛沢東への盲目的愛」を演技で表現しつくしている。・・・・・・なんかもう袁文才が主役でいいんじゃないかと思えるほどの存在感である。




 以下、腐女子話

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2010年9月 1日 (水)

抗日祭り終了

 終戦記念とこじつけて8月いっぱい開催していた抗日戦争映画・ドラマの集中紹介ですが、8月も終わりましたので、いったん終了します。

 今後は、通常モードに戻り、ほったらかしにしている(汗)『西安事変』と『井崗山』の紹介を。

 と言っても、8月に始めたすべてのドラマ・映画の紹介がどれも終わっていませんので(大汗)、合間をぬってなんとか終わらせようと思います。


未終了分は

・『地道戦』→歴史解説、後編紹介

・『晩鐘』→後編紹介

・『太行山上』→レビュー

・『回民支隊』→論考

・『馬賊的妻』→論考

・ドラマ『八路軍』→5話~25話紹介

ですね。まあ、細々とやっていきます・・・・・・。



なにはともあれ、この機会に抗日戦モノをたくさん見れて楽しい一月でした。まだまだ紹介したいにもたくさんあるので、『祭り』とは関係なく随時紹介していきます(しかし、このペースだといつ終わるんだ?)。

 とりあえず毎年8月には『抗日特集』をやるかなぁ。

 
 あと、9月は林彪の命日(1971年9月13日林彪事件)があるので、『林彪祭り』とかやりたたいとかちょっと思ったけど・・・・・・2ヶ月連続で祭りをやるのもアレだし、まだそこまでストックもないので見送り。・・・・・・12月は林彪の生誕103年なのでそこを目指してみるかな。

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