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2010年9月 5日 (日)

『井崗山』12話~17話

あらすじ

 宜章を占拠した朱徳たちは、林彪の意見を入れ、討伐に来る国民党軍を待ち伏せし、多くの戦利品を得る。さらに新陽を攻略した朱徳は、そこで伍若蘭という女子学生と知り合い魅かれるものを感じてしまう。

Cap337_2

朱徳と伍若蘭

 毛沢東新城という街を攻略する。そこで捕虜の虐待が発生したので、毛沢東は捕虜優待政策を徹底させる。一方、茶陵を防衛している陳浩団長は、当地で我が物顔で振舞っていた。また農民会が地主として捕まえてきた男を所有する土地が地主の規定にわずかに満たないということで解放し、農民たちとの間に対立が生じる。家には以前打倒した県長の妾・若媛を囲っていた。
 毛沢東によって派遣されてきた張子清宛希先は農民たちから話を聞き、大地主がいない土地では中小地主を打倒するのが、毛沢東の方針だと陳浩を問題視する。陳浩と彼の弟分たちも、張たちが派遣されてきたことに危機感を抱き、陳は昔の恩師である国民党の方鼎英の元へ行くことを考え始める。

 さらに侵攻してくる敵に対する増援として特務連が茶稜に派遣され、張子清と宛は、増援は名目で自分たちの任務を助けるために派遣されたのではないか、と解釈する。

陳浩は特務連長の曽士峨を取り込み、さらに若媛に方鼎英の元へ手紙を届けに行ってくれるよう頼むが、実は彼女こそ陳浩を離反させるために敵から送り込まれていた女だった。陳浩は宛希先と張子清を謀反の疑いで逮捕し、宛希先は曽が陳の側についたことに失望する。


 農村調査に同行した毛沢譚賀子珍は、毛沢東の様子がおかしいのを心配する。紅色政権でも陳浩のように封建的なふるまいをする人間が出てくるのは何故か、どうすればこれを克服できるかと毛は自分の悩みと考えを二人に打ち明ける。

陳浩に騙されていたことを悟った曽士峨は、密かに鐘大竜を毛の元に派遣するが、彼は陳浩に見つかり撃たれて重傷を負いながらも井崗山に帰還する。


 鐘大竜は井岡山で亡くなり、ポケットからは入党申請書が見つかる。毛沢東は彼の身重の妻には出産が終わるまでこのことは伏せておくことにし、自ら陳浩の元に乗り込む。

毛沢東は謀反の証拠として、赤衛隊が手に入れた陳浩が若媛に託した手紙と鐘大竜が命と引き換えに届けた手紙を突きつけ、陳浩らを逮捕する。解放された宛希先らが取り成すが、毛は彼を厳しく処断することにする。また今後は民主選挙によって県長を選ぶことにする。

Cap339_2

連行される陳浩
 
 伍若蘭と結婚した朱徳の元には、党中央からの使者・周魯が新しく決議された革命方針を伝えに来る。それは農村を焼き払って農民を革命への参加を迫ること、また地主や反革命者を殺しつくすこと、そして朱徳の部隊が毛沢東と合流するのではなく毛の方が井岡山から出て朱徳と合流すること、という常軌を逸したものであった。井岡山に入った周魯は歓迎に出た党員たちの中で袁文才一人を無視しする。


 周魯は会議の場で中央の決定を伝える。それは毛沢東のやってきたことを全否定する内容であり、彼の除名さえ含んでいた。毛はショックのあまりその場を去り、紅軍の幹部たちは口々に周魯を非難するが、党籍解除をちらつかせられ強く出れない。その中でただ袁文才と王佐だけが、毛を守るために周魯に宣戦布告をした。

夕方、ふいに毛沢東の姿が見えなくなったので、紅軍の将兵や井崗山の民衆は心配してみなで彼を探しに行く。自分のやってきたことを全否定されて落ち込んでいた毛沢東はみなが自分を心配していてくれたことに自信を取り戻す。

一方、紅軍兵士や井崗山の民衆からすっかり嫌われた周魯は毛と話し合いに行くが、決裂してしまう。


 周魯は毛沢東を師長の座に落とし、さらに井崗山の紅軍を朱徳らのいる湘南に向かわせることにする。毛沢東をはじめ紅軍幹部は井崗山から下りるのは自殺行為だと批判し、結局一部は井崗山の防衛に残すことにする。

賀子珍と袁文才は密かに毛沢譚を呼び出し、行方を探していた毛の妻子はすでに国民党によって襲われたことを告げる。毛沢譚はそのことを兄に告げられないまま、状況を確認するため周魯とともに朱徳部隊の陳毅の元へ向かう。





感想



 今回、陳浩との内部対立問題が出てきて、このドラマも少しだけおもしろくなった。

興味深いのは、裏切り者となる陳浩が少なくとも当初は一方的に悪くは描かれていない点か。(まあ、地主の妾を奪って囲っていたものの)気さくな人物として民衆から親しまれていたし、農民たちと対立した際も、無闇な地主認定を避けようとする彼の言い分はそれはそれで道理があった。ただそれをみなに納得させる努力をせず、一方的に振る舞ったから心象悪くなっただけで・・・(正論は正論だから支持されるわけではなく、発言者の態度や人徳によって左右される・・・というのはやっぱ真理かね)



 で、このドラマは毛沢東礼賛ドラマなので、みんなが毛沢東好きすぎて、そしてそんな毛沢東に逆らう奴は次々「自業自得」でひどい目にあるというパターンで見ててキモイのだが・・・その「好かれ方」がちょっと興味深い。

これが最近の傾向なのかどうかは他の革命ドラマをいろいろ見てみないと何とも言えないが、少なくとも『井崗山』において毛沢東が皆から好かれるのはその「指導力」ゆえでもなければ、「カリスマ」や「思想の正しさ」ゆえでもない。むしろそのような従来強調されてきた毛沢東像は極力消去されてさえいる。


 なんとか見い出される好意の理由は「親しみやすさ」であり、それも単に「民衆や一般兵士と同じ生活をする」という従来のパターンに加え、「悩み傷つく等身大の人間である毛沢東」というものをドラマは前面に押し出す。・・・・・・とにかくこのドラマの毛沢東は、繊細で精神的に脆いのだ(汗)。

そしてそのような毛沢東に周囲のものは保護欲をそそられ(爆笑)、自分が彼を守ってあげなきゃ!とかいう不思議な心理状態になっている節さえある。


そう、このドラマが推し進めているのは、毛沢東のお姫様化なのである!!
(←何そのホラーなドラマ)


 だが、この「親しみやすさ」さえも決定的な理由ではないかもしれない。彼はとにかく無条件に好かれるのであり、それは彼の「人徳」としか言いようがない・・・・・・

つまりこのドラマは中国古来の思想、徳の高い人物が「天」の代理人たる天子になり、その「徳」によって人民を指導し中華世界に秩序をもたらすという「徳治思想」を主張しているのかもしれない。そして人民は思想でも権力でも(国家統治に必須の)暴力でもなく、天子の「徳の高さ」にこそ服し、毛沢東の「徳」が理解できない反対勢力は次々と「自業自得」「天罰」としか言いようがない破滅のしかたをするのである・・・・・・。




 さて、「徳治」何々はともかく、そのために毛沢東のお姫様化が激しくなってしまった。

そんなプリンセス・毛委員を守る騎士(と言うより下僕)の筆頭は、やっぱり袁文才&王佐である・・・と言うか袁文才である。

Cap391_2

周魯に宣戦布告する袁文才と王佐


 中共中央から周魯という特派員が派遣されてくる。中央からえらい人が来る!と袁文才は侮られないよう精一杯身なりを整え皆と一緒に出迎えに出る。

その一連のシーンは袁の「えらい人」と会える喜び、そして「山賊風情と思われたくない!」という彼の内面が実によく伝わってくる場面であった。



 だが、袁の主観はどうあれ中央の周魯にとって袁文才は、「(人間扱いする必要さえない)山賊風情」であった。周魯は出迎えに出た党員一人一人と握手したが、最後に袁文才の番が回ってきて、袁が実に無邪気な笑顔で手を差し伸べているにも関わらず、周魯は完全に無視する。山賊なんかと握手するなんて汚らわしくてできないという本音がはっきりとわかる。

一人だけ無視された袁の失望と周魯に対する敵意は、期待が大きかった分だけ大きい。すっかりふてくされてしまった袁はその後の周魯の主催する会議で、反抗的非協力的態度を取る(その態度があまりに大人げなくていっそかわいいが)。



 中央から来た「えらい人」に会えると舞い上がる袁は、すさまじいまでの権威主義者と言える。言い換えれば、「承認願望」が人一倍強烈であったと言えよう。それは彼の屈折した強固なコンプレックスが原因だと思われる。「挫折した知識人」である彼の心の傷は、権威ある人に認められ受け入れられることでしか癒されないのであろう。だからこそ、彼は自分を始めて認めてくれた毛沢東を盲目的に愛し従うのである(・・・・・・ここにも一種の「徳治」が・・・・・・)。



 そうして周魯に再び「山賊風情」と見下されてふてくされた彼は、しかし毛沢東の危機に敢然と立ち上がる。彼を奮起させたものは、自分のやってきたことを否定され深く傷つけられた毛沢東の後姿だった。

周魯が中央の決議として延々と毛沢東を延々と糾弾する会議の場で、袁文才はただひたすら毛沢東を見つめていた。必死に動揺を隠そうとする毛沢東のその一挙一動を見つめ続けていた。

Cap390_3

退席する毛沢東の後ろ姿を見つめる袁文才は彼を守る決意をする


 周魯の毛沢東糾弾には多くの紅軍幹部から不満が出るが、周魯が中央の決議に逆らうものには除名(党籍剥奪)をちらつかすと、皆それ以上強く出れない。しかし、除名を怖れる幹部たちを侮蔑するように、袁文才と王佐は立ち上がった。

あれほど「山賊」扱いされることを嫌っていた袁は、しかし銃をちらつかせながら自分が無法者で何をしでかすかわからない「山賊」であることを演出し、周魯を脅迫する。周魯は「除名」で袁を脅そうとするが、袁はそんなもので自分を止めることはできない、自分は「山賊」であるから「党中央」も何も関係ないという態度で臨み、周魯がこれ以上毛沢東を傷つけることがないよう牽制するのである。

すべてはただ毛沢東を守りたいがゆえ、心から毛沢東を愛したゆえであった。



 とにかく袁文才役の役者さんの演技が秀逸で、袁の「屈折」「承認願望」「可愛げ」「毛沢東への盲目的愛」を演技で表現しつくしている。・・・・・・なんかもう袁文才が主役でいいんじゃないかと思えるほどの存在感である。




 以下、腐女子話






 12話ではついに(私が)待ちに待った林彪の登場。当時林彪はまだピチピチの20代前半!(2122くらいかな)。

 その林彪が↓これだっ!!

Cap153_4




うおおおおおーーー!! かわえええええーーー!!


 うわああ、まさかここまで可愛らしい子を用意してくれるとは。もう、いっそ十代に見えるよ。
 良かった、良かった。ドラマ『八路軍』の悪夢が繰り返されなくて!



 で、登場した林彪はさっそく活躍。なんと一介の中隊長のくせに朱徳にその軍事的才能を評価されて、討伐に来る国民党軍将軍・許克祥に対する迎撃作戦についてアイデアを求められてしまう。

 林彪はまず敵将の許克祥についての情報を求め、そして敵は必ずここを通るはずだから、と紅軍の待ち伏せ場所まで設定する。

 (まだ中隊長なのに)林彪の言葉を信じて朱徳はその場所で潜伏するが、陳毅などは本当にここに敵が来るのか心配になり、林彪を呼び寄せる。

 その時の会話がこれ。



朱徳「林彪同志。君は許克祥が必ず坪石鎮を通ると思うのか?」

林彪「思います」

陳毅「自信はあるのか?」

林彪「当然です」

朱徳「根拠は?」

林彪「敵軍指揮官についての情報です」

朱徳「許克祥のことを言っているのかね」

林彪「はい。袁崇全同志が気づかせてくれました。ある部隊の戦闘のやり方というのは、その部隊の指揮官の性格と密接な関係があるのです。我々は許克祥についてよく理解しているはずですよ。彼の手は共産党員の血で染まっている。彼は狂った狼のようで、血の匂いを嗅いだならそれを無視することはできない」



 紅軍の最高幹部クラスを前にしても実に落ち着いた態度。と言うより、いっそ朱徳より態度がでかい。

 彼にとって自分の予想が当たるのは当然のこと。むしろ、幹部陣が何故こんな簡単なことがわからないのか、とさえ思っているようなナマイキな態度だ。



 上のやりとりの短すぎる返答も実に「無口キャラ」林彪らしい。そう、この頃の林彪は聞かれたことしか答えない。発言が原稿用紙1行分を超えない@ハルヒ。

 「思うか?」と聞かれたら「はい/いいえ」としか答えず、その理由や根拠は言わない、だって聞かれてないのだから。おかげで、林彪が根拠を言うまでには上のようにやりとりがやたら長くなってしまうのである。

 とにかくそのナマイキぶりも含めて、この林彪は可愛い。おかげでこのつまらないドラマを見続ける励みにもなるというものだ。

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