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2010年8月31日 (火)

『地道戦』中篇

あらすじ

 地下道の存在に気づいた日本軍は、地下を煙攻めにし、林霞たちは穴を布団などでふさいで煙の侵入を阻止する。だが、日本軍は今度は大量の水を流し込んでくる。

Cap914

 住民の隠れる地下道に水を流し込む日本軍

 このままでは全員溺れ死んでしまう、と民兵隊長の高伝宝は、屋内のカマドに設けた入り口から皆を地上に逃がすことにする。出口のある家は日本兵が占拠し、カマドを使って略奪した食料を調理していたが、高伝宝は外の日本軍に気づかれることなく彼らを倒す。

 一方、高平庄が包囲されたことを知った越区長は、彼らを救うため周辺の村の民兵を総動員して「麻雀戦」を発動。「麻雀戦」で日本軍が混乱する隙をついて、高伝宝は山田指揮官を狙撃し、負傷させる。山田は復仇の念に燃えるが、ひとまず退散する。

Cap1037

 高平庄を救うため、近隣村の民兵らによって麻雀戦が発動される

 期待をかけていた地下道がかえって危険だったことに落ち込む高伝宝。しかし、もう一度毛沢東の「持久戦論」を読み直し、ただ隠れるためだけに地道を使うという消極的な考え方が間違っていたことに気づく。高伝宝は地下道を隠蔽だけでなく、積極的に攻撃のために使え、さらに防毒,防水,防火などの「五防」を備えた高度なものに改造することにする。

 村人たちの工夫で、地下道も村も攻撃にも防御にも適したものへと生まれ変わり、趙区長は彼らを褒め、さらに作業を助けるため「武工隊」を派遣するという。

 しばらくして「八路軍武工隊」を名乗る6人の男たちが村にやってくる。歓迎する村人たち。しかし、彼らは傀儡軍の湯司令によって地下道の構造を探りに来た漢奸の偽武工隊であった!

 高伝宝は彼らが偽者だと見破るが、冷静を装い、地下道を見せて欲しいという欲求をかわす。そこに偽武工隊と連動して日本軍の部隊が村を襲いに来る。高伝宝はうち3人を地道の中に招きいれて倒すが、地上の三人が民兵や新村長の林霞を人質にとってしまう。

 だがそこに趙区長と崔連長が本物の武工隊を率いて現れ、偽武工隊を捕らえ、日本軍を追い返す。村に残った崔連長は日本軍の報復に備え、高伝宝らと迎撃態勢を整える。




感想

 前回、村を救う希望となるはずだった「地道」は、あっさり日本軍に弱点を看破されてかえって村人を危機に陥れてしまった。だが、失敗したからと言って、必ずしも間違いだったわけではない、やり方がまずかったのだ。

①「秘伝の書」から秘策を得た!→②実行してみた→③失敗した!→④この方法はだめなのかと落ち込む→⑤いや、もう一度「秘伝の書」をよく読んでみよう→⑥改良だっ!

という展開。定石しか踏んでいないが、物語としてメリハリのある実に良くできた骨組みではないだろうか? 一言付け加えるなら、秘策がいきなり失敗するのではなく、一度は大成功を収めるが、二度目はパワーアップした敵に破られこちらも改良を迫られるという展開の方がきれいに決まったような気がする。

さて、今回の見所は。



見所1、ストーリーを盛り上げる麻雀戦の発動。

 高平庄が日本軍に包囲されたことを知った趙区長は急遽近隣の民兵を招集し、麻雀戦を発動することにする。

 すでに地道が失敗した高平庄は自力での状況打開が不可能。その彼らを救うべく趙区長が命令を下し、各村の民兵がいっせいに行動を起こして、日本軍をかく乱するシーンの盛り上がりっぷりは見事だった。

 ところで民兵たちにはまともな武器がない。なので、できるだけ大声を上げるなどして大部隊を偽装するなどさまざまな方法で日本軍を騙す。

その方法の一つがこれ↓

Cap1038

これは木にドラム缶(ブリキ缶?)を吊るし、中で爆竹を爆発させているシーン。なんと、こうすると爆竹の爆発音が銃声のような音になるのだ!


ドラム缶の中で爆竹をすると銃声と同じ音がする。

さすが「軍事教育映画」とも言うべきトリビアである。




見所2、偽の八路軍

 危機を脱し、失敗を教訓に地下道を改良した高平庄を区の隊長らは褒め、彼らの作業を手伝うべく八路軍の武装工作隊(武工隊)を派遣してくれることに。

 ところがその情報が敵に漏れたらしく、この機会に乗じて高平庄の地下道を調べるべく、傀儡軍から偽者の武工隊が派遣されてきたのだ。

Cap1041

本物と見分けがつかない「偽武工隊」 

や、ここで「偽者」ネタを持ってくるとは、これまた定石だが、話が盛り上がることこの上ない。この「偽者」は偽造の命令書まで持っていて、ちょっとやそっとでは見破れない。このまま主人公たちは騙されてしまうのか? と観客をハラハラさせる良い演出である。

 ちなみに「軍事教育映画」的には「スパイには気をつけましょう」というメッセージなのだろうか?

 

 さらに、偽武工隊の一部は地下道に招きいれ、そこを利用して倒したはいいが、地上では女性村長の林霞らが人質に!

 その危機を解決したかと思ったら、今度は再び日本軍が大挙して村に押し寄せてきた!

 と、畳み掛けるように危機的展開が続くのも、この映画がおもしろい理由だろう。




見所3、なんかかっこいい音楽

 さて、定石を踏みつつ息もつかせぬような展開のストーリーだけでなく、音楽も多いに映画を盛り上げる。

 基本は革命歌っぽいメロディーなのだが、それが中国楽器を用いて、中華風かつ民謡的な音楽に仕立て上げている。これが河北の農村を舞台した戦争映画のストーリーと絶妙にマッチしている。(・・・・・・このへん、言葉で説明してもあんま伝わらないと思うが)

 また要所要所で2つの挿入歌も歌われる。

 一つは『毛主席的話児記心上(子どもたちよ、毛主席の話を心に刻め)』・・・・・・はかなり本気でどうでもいいとして、二曲目の『地道戦』が流れるシーンの盛り上がりぶりは異常。中国で映画関連の名曲の一つとされるのも納得。



おまけ

Cap1040

あいかわらず、主人公の妹の萌えっ娘ぶりが異常だ。村の女たちに子ども扱い(子どもだが・・・・・・)されてふくれっ面になる場面なんか時代を先取りしすぎかと・・・・・・。




地道百景2

 
↓は物語中盤で示された、「地道」設計図。

Cap918

地上から降りてきた敵は側面の隠し穴から攻撃する、落とし穴を設ける、煙を遮断する、流し込まれた水は井戸に流れ込むようにする、井戸の水を汲み上げる機械を使って土を排出・・・・・・などさまざまな工夫が見られる。

Cap919

さらに村それ自体をそこに踏み込んだ敵に対する「罠」に改造。家々の壁はもちろん、屋根や井戸にさえ設けた射撃口で四方八方から敵を狙撃。しかも狙撃者は危険になれば各家に作った地下道を通じて別の家に移動し攻撃を再開するので、敵はその姿さえも見ることができない。

Cap916

↑落とし穴の底で罠を作成中。

Cap1043

↑実際の地下道の断面図。敵をこの複雑な地下道の中に誘い込んで倒すこともできる。



歴史解説

麻雀戦とは?→民兵が用いた戦術。数人の小グループを何組も作り交代で延々とヒットアンドランを繰り返し敵を疲弊させる(民兵に振り回されて疲弊したところを正規軍が攻撃する)、大声や爆竹などで大部隊を偽装し敵を驚かせて撤退させる、偽の攻撃を繰り返す(そして敵がどうせ今回も脅しだろうと油断したところで正規軍が本物の攻撃を行う)、など貧弱な武器で日本軍をかく乱する臨機応変な作戦全般を指す。

武工隊とは→今度調べます・・・・・・(なんとなくわかるが説明できるほどではない)

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