2015年8月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          
無料ブログはココログ

ランキング

« 紅色(第一級)豪雨警報 | トップページ | 『西安事変』登場人物紹介1 »

2010年5月27日 (木)

『西安事変』17話~19話

あらすじ

 張学良は自身の36歳の誕生日に書かせた肖像画にヒゲを書き込む。この年になっても偉大な父親・張作霖(彼の命日(=日本軍に爆殺された日と張学良の誕生日は同じ日である)に似ないことに悩み、自分は何者であるかと考える。

Cap370

自分の肖像画にヒゲを書き込む張学良

一方、趙一荻は、自分の贈り物より宋美齢からの贈り物に張学良が感動していることを悟っても静かに耐え忍ぶ。

 西北軍の軍需工場では、厳重な警備の下、『活路』の出版が行われる。だが、工場の工人の一人が省憲兵隊に密告。憲兵隊の雷剣峰は口封じのためその工人を殺害した後、戴笠の厳命を受けて軍需工場を捜索し、王処長を連れ去って厳しい拷問を加える。

 口を割らない王処長は無残な姿で楊虎城の前に引き出され、黒幕を言うよう雷らに迫られるが、王処長は楊虎城を守るため隙を見て窓から投身自殺を遂げる。

Cap373

省憲兵隊によって拷問を受けた王処長(すべての爪が剥がされている?)を支える楊虎城  

 南京では蒋介石が抗日に積極的になったかのような演説をし、共産党も期待を持つ。しかし、張学良に対しては共産党殲滅戦をまじめにやらないことを批判する。戦闘を迫られた張学良は、共産党に通知して別の場所へ移動させる。 

 王処長から情報を得られなかった雷剣峰は、金徳茎劉鼎の医院を襲わせ、劉鼎と柳葉児ら東北大学の学生を逮捕させる。しかし、通りかかった西北軍の憲兵隊が逆に金徳茎を逮捕し、柳ら学生を救出。

 劉鼎や東北大学の学生が逮捕されたことに激怒した張学良は東北軍の憲兵隊を完全武装させ、特務機関を襲撃させに行く。東北軍憲兵隊は劉鼎を救出するとともに、多くの秘密資料押収し、省党部の人間を拉致していった。

Cap376

張学良の命令で省憲兵隊を襲撃する東北軍

 押収した文書から中央政府の自分への大きな不信感を知った張学良は、抗日のためにはソ連の援助が不可欠との認識も伴って、東北軍を紅軍と一緒にしたいという要望を共産党に伝える。受け入れれば階級闘争の原則を完全に崩し、また蒋介石との連合を考えているソ連の計画も台無しにしかけない張学良のこの申し出に共産党内では激論が交わされる。結局、広大な抗日戦線の形成のため、当面は紅軍と東北軍が一緒になることは避けることにする。

 李宗仁らの蜂起の教訓から、蒋介石はかえって自分の安内攘外論の正しさを確信し、西安に向かう。張学良と楊虎城は、蒋介石が共産党殲滅の決意を強固にしていることに愕然とし、両軍の兵士たちも蒋の方針に反発を募らせる。

 東北軍の情報部では、ついに謎の二重スパイ「八条」の暗号を解読する。だいたいの発信地点もつかみ、雷剣峰はその周囲一帯の店を荒らし無線機を探させる。店を荒らされ父親を殴られたことに起こった鐘本鶴は、金徳茎に抗議し逆に逮捕されてしまう。趙文青は、養父の楊虎城に救出を頼み、本鶴は無事解放される。



感想

 今回もまた見所は多いが、一つあげるなら「王処長の自殺」だろう。

 西北軍の軍需工場で「危険思想」のパンフレット『活路』が印刷していたことが、省党部の雷剣峰にばれてしまう。楊虎城を追い詰めたい雷は、一気に攻勢をかけるため軍需工場の処長・王維之を連行して拷問、楊虎城の指示があったことを吐かせようとする。

(補足すると、西安には全部で三つの憲兵隊がいる。

 一つは中央政府およびその特務機関・軍統の直属である「省党部憲兵隊」で雷剣邦がトップ。あとの二つが、西北軍の憲兵隊と東北軍の憲兵隊。それぞれ西安市内で政治犯(共産党員)やスパイの摘発を行う権限を持つが、命令系統はまったく異なる。

 その中で省党部憲兵隊は、以前より張学良と楊虎城の動向にも目を光らせ、その弱みを握ろうと画策していた。と言うのも、張学良の軍も楊虎城の軍も南京の中華民国政府に帰順しているとはいえ、当初から蒋介石に従っている直系の軍とは違う「傍系」(外様)の軍であり、特務機関からすれば完全には信用できない存在だからである。特に最近は張学良と楊虎城が共産党と通じているという疑惑が浮かんでいるので、その証拠探しに彼らは血道をあげているのである)

 雷剣邦らは動揺を誘うためか楊虎城を呼び出し、拷問でぼろぼろになりながらも口を割らない王処長に対面させる。しかし、楊虎城は内面の葛藤を隠し、何気なく振舞う。

 雷剣邦らは猫撫で声で王処長に「おまえがこれ以上苦しむことなない」とか「おまえに命令をした人間は、おまえをこんな目にあわせて(←って誰が拷問したんだ)のうのうとしているんだな」とか言って、王処長に自白を迫る。

 そして王処長は行動を持って雷らのその甘言に回答した。

 王処長は無言で楊虎城を見つめると、突然窓に向かって走り出し、そのまま飛び降りてしまう。拷問に屈して楊虎城の名を言ってしまう前に自殺を図ったわけだが、その部屋は二階であったので必ずしも死ねるとは限らなかった。しかし、彼は自殺を遂げた。

 窓の下にあった柵の槍状の部分に身体が串刺しになって死んだのだ。

 ・・・・・・・・・・・・むごい。

 下のは生前の王処長。人の良さそうな親切でまじめな普通のおじさんという感じの人が串刺しになって死ぬとは・・・・・・二重にむごい。

Cap372

 また彼が自殺を選んだのは、楊虎城の抗日の大儀を守るためというより(なんとなくだが)楊虎城自身を守るためであったように思える。登場してからたった1話で退場するにはなかなか惜しい人物だった。

 で、楊虎城に方だが。

 彼は部下が拷問を受けて無残な姿にされているのを見て激怒するが、雷剣邦らの挑発には乗らず表面上は何気なく振舞う。

 このへん、本来人情家であり、王処長の身を気遣う一方で、決して自らが命令したとは名乗り出ず、部下を切り捨てることも辞さない冷酷さという楊虎城の相反する側面が同時にうまく表現されていると思う。

 自己保身と言えば言えなくもないが、彼には抗日の大儀と西北軍とその将兵たちの命運を預かる責任があり、雷らにつけいる隙を与えるわけにはいかなかったのだ(また王処長がここまで耐えて自分をかばってきたのに、名乗ってしまってはその思いさえも踏みにじることになる)。

 結果、王処長は自殺するのだが、彼が飛び降りた窓に駆け寄り、串刺しになった部下の遺体を見た楊虎城の表情にはさまざまな感情が見出せる。彼の人生にはその死に対して報いるべき多く相手があったと思うが、ここにまた一人報いるべき命が加わった。

Cap374



ピックアップ場面

 王処長から情報を得られなかった雷剣峰ら省党部憲兵隊は、次に『活路』を出版したと思われる柳葉児ら東北大学の学生と劉鼎を捕まえる。劉鼎は先に連行されてしまったが、ちょうど柳葉児らが外に連れ出された時、西北軍の憲兵隊が通りかかった。

柳葉児「放して! この土匪! なぜ私たちを捕まえるのよ!」

西北軍憲兵「おまえたち! 何をしている」

柳葉児「長官! 助けて、人攫いよ!」

学生「長官! 長官! こいつら、勝手に俺たちを逮捕しようとしています!」

金徳茎「私たちは、省党部の憲兵隊です。ちょうど今、この二名の共産党員を逮捕したところです」

柳葉児「私たちは共産党員ではありません!東北大学の学生です!」

学生「そうです長官! 私たちは東北大学の学生です」

西北軍憲兵「東北大学の学生、か。(金徳茎に)おい、君たち、逮捕状はあるのか?」

金徳茎「・・・・・・私たちは蒋委員長の命令を執行するため、共産党員を捕らえているのですよ。私たちはお互いそれぞれの任務があるでしょう、こちらの任務に口を出さないでいただきたい!」

西北軍憲兵「・・・・・・(笑って)そうですな。あなた方はあなた方の、そして私たちは私たちの任務を執行しましょう。(部下に)おい、連れていけ!」

西北軍憲兵隊、いきなり金徳茎らを取り押さえる。

金徳茎「えっ? お、おい、何をする!」

西北軍憲兵「おまえらは、この学生たちを共産党員だと主張する。そしてこの学生たちはおまえらを人さらいだと主張している。どちらも我々の司令部で取り調べるべき人間だ!」

 いや、お見事。

 どうやら、省党部によって王処長が死に追いやられたことを西北軍全体が怒っているらしい。こういう内部結束は正しい方向に向っているならなかなか良いものです。

 それにしてもこの雷剣邦の部下の金徳茎、彼は9話で土匪の馬上飛らに襲われ、護送中の汪峰を強奪されたはずだが・・・・・・まだ生きていたのか。しかも大失態を犯したのに、まだクビになっていなかったのね。

 で、その金徳茎。西北軍憲兵隊によって、柳葉児らが超形ばかりの取調べで釈放される中、一人無視されて拘留され続けてしまう(笑)。

Cap349

金徳茎の訴えを完璧に無視する西北軍憲兵隊

 この人は土匪に捕まったり、憲兵隊に逆に捕まったり・・・このままギャグ要員となるのだろうか?

 で、保護者・・・・・・・もとい雷剣邦がちゃんと迎えに来てくれました。迎えに来てもらってよかったね!

雷剣邦「楊主任! 誤解です、これは誤解ですよ!」

楊虎城「おやおや、雷主任ではありませんか。どうやら今夜この街では眠っている者より起きている者のほうが多そうですな」

雷「どうしても急ぎの用件がありまして。・・・・・・楊主任、あなたにはいろいろと申しわけないことが多いのですが、ですがすべては党と国のためなのです。どうぞご理解ください。どうか私の部下を解放してください。それと共産党員の容疑がかかっている者を引き渡してください」

楊「(部下に)寿山。雷主任が自らいらっしゃったのだ。あの男たちが本当に土匪ではないことを説明して、雷主任に引き渡してやりなさい。それと、今回の教訓をよく覚えておきなさい。もし今後、この街で犯罪者のような人間がいたら、それはすべて雷主任の所の人だそうだ

雷剣邦、絶句する。

 楊虎城もなかなか性格がいいな。

« 紅色(第一級)豪雨警報 | トップページ | 『西安事変』登場人物紹介1 »

『西安事変』(TVドラマ)」カテゴリの記事

歴史人物」カテゴリの記事

辛亥革命~抗日戦争」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1302395/34858237

この記事へのトラックバック一覧です: 『西安事変』17話~19話:

« 紅色(第一級)豪雨警報 | トップページ | 『西安事変』登場人物紹介1 »