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2010年5月19日 (水)

『西安事変』14話~16話

あらすじ


 張学良は自ら飛行機を操縦して、周恩来との会談場所である延安の教会に向かう。張学良と周恩来は、お互いの縁を話して親交を深める。ひとしきり歓談した後、張学良は周囲に厳重な警戒を敷き、会談を始める。


 欧米を訪問したことのある張学良は中国が強くなるためには一人の指導者に強大な権限を与えるファシズムこそ理想的と言い、それに対して周恩来はファシズムは民主主義を潰し結局は民衆を苦しめるものと言う。張学良は共産党の具体的な抗日の展望を質問し、周恩来は民衆の力を信用し、党派も民族も貧富も別なく一致して日本にあたることだと答える。


 張学良と周恩来は激論を交わし、周は西安に抗日政府を樹立し張学良が総司令官になるならば紅軍は全力で擁護する、とまで言う。しかし張学良は蒋介石は立派な民族主義者で中国の実権を握る者であり抗日戦線に加えるべきだと譲らない。両者の主張は平行線になりかけたが、ついに張学良がそれまでの「連蒋抗日」を引っ込め、「逼蒋抗日」を提唱。周恩来もそれに応え、両者はついに一致して抗日に当たることを合意する。張学良は周恩来に中国全土の地図を送り、ともに国土を守ろうと言う。

Cap315_4

中国の地図の前で握手する張学良と周恩来

 張学良は、日本の次の狙いは山西省だと強い危機感を抱いている山西省軍閥・閻錫山と会談する。東北軍,西北軍,閻の山西軍そして紅軍で抗日連合軍を作るという提案に閻錫山は同意し、張学良の仲介で共産党と連絡を取り合うようになる


 そのような中、広東と広西の李宋仁らの国民党軍(桂系)が反蒋抗日を掲げて反乱を起こした。東北軍の若手将校らは彼らが抗日を掲げているなら支援するべきだと主張するが、西北軍の将軍たちは新たな内戦が起こればそれだけ日本を利することになると主張する。張学良は即座に蒋介石の擁護する声明を出そうとするが、楊虎城は彼らが抗日を掲げているため民心が傾いており、様子を見るよう諭す。蒋介石はこの反乱をうまく収めるが、これを教訓に地方の実力派軍閥の力を徹底的にそぐ決意をする。


 楊虎城の元には、彼の古い親友で東北の民族活動家である高崇民が訪れる。高崇民は国民党への徹底的な失望を語り、張学良に抗日統一戦線の結成を説得しに来たと言う。高崇民は、楊虎城の援助で共産党地区へ医薬品を運びこむが、それを東北軍に見つかってしまう。


 楊虎城もすでに共産党と通じていることを確信した張学良は、医薬品を運んでいた西北軍の特務連長・梁宇豪の身柄を引き連れて楊虎城に面会。

Cap317_4


 楊は張と二人だけで話し合い、自分も東北軍が紅軍に武器弾薬を送ったことを知っている、とぶつける。ついに二人は互いがそれぞれ共産党に通じていた秘密を明かしあう。

 
 楊虎城は自分の考えを腹を割って打ち明け、張学良も周恩来と会ったことを打ち明ける。二人は一刻も早く、西北に抗日の基地を築くことを確認し、張学良は幹部を養成するための軍校を建て、その学校では対日戦専門の戦術講義などを行うこととする。さらに東北軍内に抗日同志会を結成する。


 しかし、抗日同志会のことは「媟娥」=鐘笑天によって戴笠の元に伝わる。蒋介石は各地の地方軍閥が不穏な動きをする中でこの件の処理は後回しにすることにする。


 だがこの極秘情報は日本側にも漏れ、日本大使が中国軍隊の中に抗日組織が出来たことを厳重に抗議しに来る。外交部長の張群は、このようなものは日中の離間を狙ったデマ情報、一国がスパイの情報で重要な国策を左右されるな、とやりこめる。また蒋介石は逆に、日本が大量の移民を満州に派遣していること、中国を仮想敵国にしていること、大陸に軍を増派していることを正式に抗議する。


 鐘笑天は、養子として育てている鐘本鶴が、親友であり実の父親の日本軍人の覇気を受け継いでいないことを嘆く。また彼が中国人の少女に恋していることも叱責する。


 劉鼎と高崇民は東北大学の柳葉児ら学生とともに、国民党の不抗日政策を暴露する雑誌・「活路」の発行を計画する。と、銃声が響き、街中で子供が撃ち殺されたていた。その子供は、戴笠の情報員が手紙の運搬に利用していた子供であった。


 高崇民は張学良に「活路」のことを話し、張学良は安全に印刷するため楊虎城に協力を頼む。楊虎城は、西北軍の軍需工場内で印刷することとする。

 



感想



 張学良の内戦停止の決意,張と楊虎城はついに互いの秘密を明かしあい、また共産党や山西の閻錫山、東北の学生たち、日中双方の特務などそれぞれの動きが活発になってきた。これがやがて一本の流れに合流していく複線も随所にちりばめられていて、実にわくわくする展開だ。

 特に張学良と楊虎城がお互いの持つカードをひっくり返すように、今まで疑惑止まりだったそれぞれの共産党との関係を明かしあう場面が極めてスリリングだった。


すっかり仲良くなったようで


 広東と広西の反蒋抗日を掲げた反乱に自分たちはどう対処するべきか、を話し合っている東北軍と西北軍の将軍たち。どうやらこれは互いの司令官が召集した会議ではなく、彼らが自主的に集まって自由に話しているらしい。

Cap323_4

あらすじ

 って、当初は、西北軍は東北軍を警戒し、東北軍は西北軍に遠慮して・・・その結果、お互いあまり関わらないようにしていた頃と比べるとすごい変化だ。しかもその内容と言えば、政治的になかなかきわどい話題。

 結局、両軍の間で意見はまったく一致しなかったが、それでもこうも率直な見解を口にし、それを遠慮なく批判するとは、一定の信頼関係や仲間意識がなければできないだろう。そう思うと、なんかほほえましい場面だななぁ(笑)



むかつく日本の外交


 東北軍内で抗日同志会ができた情報が伝わり、蒋介石の元に抗議しに来る日本の駐在大使。これがまたむかつくむかつく。「日本は中国との友好を心がけているのに、中国の軍隊の中に抗日の主張が出るのはどういうことだ」とか、もうどうしようもないこと言っていたけど・・・・・・


いや、それ当然ですから

んで、特に軍の№2である張学良の軍でそういう主張が出ていることを怒っているけど

だから、それ、さらに当然ですから!

 もう何でもかんでも自分の思い通りになると思ったら大間違いですね。日本大使の「抗議」は聞いていてムカムカしましたが、張群と蒋介石にきっぱりとやり込められ、さらに蒋が逆に抗議したのを見て少しすかっとしました。いいぞ、もっと言ってやれ・・・とか思いました。



馬海徳=ジョージ・ハテム登場

Cap32_3


 紅軍に外国人医師が登場。彼の名は、ジョージ・ハテム。中国名は馬海徳。シリア系アメリカ人医師で中国共産党員というなかなかイロモノおもしろい属性を持った男だ。

 ちなみに「馬」という苗字は、中国では回民または回族、つまりイスラーム教徒がよく用いている苗字だ。「海徳」はおそらく「ハテム」の当て字だろうが、「馬」は彼がシリア系であることに由来していると思われる。あるいは彼の実家がムスリムだからなのかもしれない(彼自身はたぶん無神論者だろうが)。

 シリア系アメリカ人医師で元ムスリムの中国共産党員・・・・・・ますますカオスになった。(中国共産党って時々こういう人がいるからおもしろい)




ピックアップ場面

 共産党に医薬品を送ろうとした楊虎城の部下を捕まえた張学良。楊虎城共産党と通じていることを確信した張学良は、言い逃れできぬよう楊の部下の身柄を伴って楊の家に乗り込む。もちろん、彼を問い詰めるためではなく、その本心が自分と同じであることを彼の口からはっきり言わせるためである。


 だが楊虎城の方だって、張学良が共産党と通じていることを
8割方確信していたし、彼が紅軍に武器弾薬を送った秘密も握っている。だが慎重な楊虎城はそれを切り出すタイミングを計っていただけだろうし、もしかしたらずっと黙っているつもりだったかもしれない。しかし張学良の方が乗り込んできた今、彼も慎重策を放棄した。


 この後、二人は丁々発止なやりとりを繰り広げるが、この時点で二人とも相手が共産党と通じていることを確信していただろうし、自分の秘密を明かすべき時だと決心していたのだろう。


「おまえが共産党と通じているのを知っているぞ、自分もだけど」という裏の声が聞こえてきそうな以下の二人にやりとりは役者さんの演技も含めて実に秀逸。特に、最後に二人がこらえきれなくなって笑い出す場面は本当にいい。


張学良「虎城兄、あなたに贈り物を持ってきましたよ」


楊虎城「贈り物?」


張(部下に)「連れて来い」


 張の部下、楊虎城の特務連長を連行して部屋に入る。


張「この男、軍用車で紅軍に医薬品を送っていたので、我が軍が洛川の前線で拘束しましたのですよ。西北軍の対共産党の先鋒隊の人間が共産党と通じていたとはね。・・・・・・(拳銃を楊の机に置きながら)この男の身柄はあなたに預けますよ」


(中略)


楊「漢卿(張学良の字)」


張「はい?」


楊「二人だけで話をしたいのだが」


張(部下に)「出ていきなさい」


楊「漢卿! これは何の悪ふざけだ?」

Cap318_4


張「悪ふざけ? 仰ることの意味がわかりませんが?」


楊「西北軍も君の対共産党部隊の指揮下にある、つまりは全員君の部下だ。共産党に通じた人間の処罰する権限ももちろん君にある。だと言うのに、彼を私の所に連れてくるとは、なんだ? 実は私自身が共産党に通じているとでも暗に言いたいのか?」

Cap319_4


張「いえ、違います違います、そんなつもりではなかったのです。私はただ、彼が西北軍の人間ならば、処置はあなたにまかすべきだと思っただけです。」


楊「なるほど。漢卿は私に面子を立てさせてくれるというわけか。それなら・・・・・・敵に通じた者は厳しく処罰しなければいけないな、もちろんその長官も責任を免れない。私の知る所によると・・・・・・東北軍の六十七軍、王以哲の部隊もかつて前線で紅軍に武器弾薬を贈ってやったことがあるそうだ。さて、漢卿、このことをを知ったからには、君はどう処理するかね?」

張「ああ、虎城兄。もうごまかしあうのはやめましょうよ」

 二人、笑い出す。

Cap321_3




歴史解説

「反蒋抗日」「連蒋抗日」「逼蒋抗日」・・・・・・なんかいろいろでてきましたが、ちょっとまとめてみます。

 って、私もちゃんと調べないで、ハンパな知識だけで書いているので、あんまり信用しないでください。特に「逼蒋抗日」なんてほとんどノリで書いています。

反蒋抗日:蒋介石に反対し、抗日をする。共産党の当初の主張。蒋介石を売国奴と見なし、抗日統一戦線には当然含めない(統一戦線に愛国的民族的ブルジョアジーおよび国民党員も加えるのが従来の主張と違う)。むしろ抗日のためには「売国奴」蒋介石の打倒が先決であるとする見方。ドラマ中でも李宗仁らが「反蒋抗日」を掲げて蜂起し失敗した。現実的には受け入れられない主張。

連蒋抗日:蒋介石と連合して、抗日を行う。張学良の当初の主張。蒋介石は今のままで十分に愛国的民族主義者だと見なし、彼をリーダーとする。しかし蒋介石は抗日に消極的だと見なされており、これまた現段階では非現実的な主張。

逼蒋抗日:蒋介石に抗日を迫る。蒋介石は売国奴ではなく民族主義者であるが、現段階では抗日に消極的でその内実にも問題がある。蒋介石が抗日に積極的になりやすい世論,情勢を形成し、その過程で彼の抗日の問題点を矯正する。統一戦線結成後の彼の位置づけはあいまい。しかし、反蒋も連蒋にも距離を置きたい多くの勢力の支持を得やすく、国民的合意を得られそうな案である。

以下、腐女子語り(反転)。

 楊虎城の命で共産党に医薬品を送っていた現場を押さえられ捕まってしまった西北軍の特務連長・梁宇豪。捕まえたのは東北軍の特務連長・孫銘九。

 かつて(2話)で、喧嘩を始めた両軍の兵士をなかなかの連携プレーで取り押さえた二人が、いまや捕まえた者と捕まった者になってしまった。

 梁宇豪は張学良によって楊虎城の前に引き出されるが、楊への申し訳なさからうつむく梁を見る孫銘九の複雑そうな表情がなんとも言えない。

 なんだか、特務繋がりという枠を超えた感情がそこにはあるように思える場面だった。いっそ二人の間に何かあっても全然違和感なし! というよりむしろありそう(何かって何が?)

 このドラマは張学良と楊虎城メインで進んでいるが、その裏でこの二人が密かなサイドストーリーを進行させていたら萌える! いっそ一話使ってやってくれ!

 で、その二人がいまやこんなことに!

 でも孫銘九は張学良の忠実な特務なので、彼のためなら何でもするし、意見しようなんて思ってもいない。なかなかつらい立場だ。でもでも張学良が何とか梁のことを見逃してくれないかなぁ、とでも言いたげな目で張学良と梁宇豪を伺っている様子が良いのです。

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