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2010年2月

2010年2月19日 (金)

新聞の無知

 毎日新聞は、一部のネットウヨに意味不明の理由で叩かれており、それに迎合したくはありませんが・・・・・・ちょっとこういうブログをやっている者としてあんまりだと思ったことを一言。

 「日中歴史共同研究」という日中の歴史学者による両国の歴史研究プロジェクトというのがあって、共同とは言っても同じ時代を日中双方の学者がそれぞれ書く(つまり近現代なら二つの論文が出てくる)らしいのですが・・・・・・これがけっこう大きな話らしく、各大手新聞がこぞってその結果について論評しています。

 ・・・・・・まあ、どの新聞社も「中国も実証的な研究ができるようになった」とかテンプレのように上から目線でものを言っていますが・・・・・・それは深くツッコミますまい。

 ただ、これはひどい。 (引用はこちらのまとめサイトのものを使いました。赤字強調はブログ主によります。「http://www16.atwiki.jp/pipopipo555jp/pages/2504.html」)

『 中国側の革命史観にとらわれない記述で注目されるのは、抗日戦争での共産党と国民党との関係性だ。「国共両党の間にいろいろ摩擦が起きているが、両党が協力して日本に抗戦する大局は一貫して変わらなかった」と記述した。

 中国では中台関係改善の流れを受け、抗日戦争での国民党の役割を見直す動きが進んでいる。報告書は、国民党が中国を代表して行った列強との交渉や当時の国際情勢にも多くの紙幅を割き、日中戦争をより広い視野からとらえている。

 日本の敗戦についても「歴史の転換点」と指摘し、「平和発展の道を歩み出した」と評価した。これは日本の「軍国主義化」を警戒する中国の若者を中心とした「愛国世論」とは異なっている。

 だが、こうした歴史研究は国内で論議を呼ぶ可能性もあり、革命史観に基づく歴史教科書や大衆向けドラマに反映されるには相当な時間がかかりそうだ。』(毎日新聞2月1日 朝刊)

 

 はあああ? なに言ってんの?

 教科書はどうか知らんけど、大衆向けドラマについてはとっくの昔に反映されているよ。

『また、某新聞は今回、中国が革命史観でない、国民党を評価する歴史観を示した、などと書いている。最近の中台接近によるものだ、とも。ただ、こうした歴史観がドラマなどに反映されるのは時間がかかるとか。笑いを通り越して脱力する。
 中国では、抗日戦争における国民党軍の貢献や役割については80年代から触れられており、映画「血戦台児庄」(1986年、楊光遠監督)ですでに描かれ、当時問題作として大変話題になった。最近の「南京!南京!」でも、南京大虐殺を描きながらも日本人兵士の戦争への苦悩を描いている。勉強してない記者が読者をミスリードするいい例だ。(http://blog.goo.ne.jp/xmengfu/e/e8988cd4947c95aa0cd3f7d1b9cd7631)』

 「血戦台児庄」だけでなく、最近中国のテレビドラマで流れている抗日戦ものを見れば、むしろ国民党の活躍や「共同抗日」を描くのはすでに当たり前になっている感さえある。「狙撃手」(2009年)とか「中国兄弟連」(2008年)とか「我的団長我的団」(2009年)とか「〔シ真〕西1944」(2010年)とか・・・・・・

 まあ、私も中国に来て、あまりの国民党の扱いの変化や国共が仲良く抗日をやっていること自体はネットであまり議論になっていない(つまりすでにそういうドラマが登場して久しいということ)ことに随分驚いた。まさか、そういうことになっているとは中国に来るまで思っていなかった。

 だから毎日新聞の記者に、中国のドラマについても熟知しておけ、というのは少し酷な要求かもしれない。

 しかし、全国に多くの読者を持つ新聞がいつまでも古い情報を繰り返したり誤解を再生産するのは、やっぱりダメだろう。

 ・・・・・・しかも、よく見たらこの解説書いている人、北京特派員みたい・・・・・・おいおい、日本にいる記者が旧聞に基づいて適当に書いているならまだしもさ(汗)

 ともかく、その政治的意図や是非は別として、中国のドラマにおいて国民党の活躍や国共が仲良く抗日するのはもう当たり前のことです。

 いっそ仲良くしすぎて(以下、腐女子向け文章。反転してお読みください)

 もうおまえらBLか! BLなのかーー、とか思うほど仲いいんだけど。長年の国共対立の反動のように、イデオロギーを超えてカップルが成立している模様です。

 しかもCPとは言っても、国民党と共産党は本来は敵。ロミジュリ的な要素や愛憎劇が加わってもう非常に萌える。

 「狙撃手」なんて絶対狙ってやっているとしか思えないし、「中国兄弟連」もまだ最初の方しか見ていないけどOPがいかにもBL要素に満ち満ちています。はああ、毎日新聞はこんな素晴らしい萌えドラマの存在を抹殺するなんて!

 ・・・まあ、そういうわけで、毎日新聞の解説は間違っていますよー、という話でした。

2010年2月12日 (金)

『西安事変』一話あらすじ

あらすじ



 
1930年、柳条湖事件によって日本軍に父・張作霖を殺された張学良は蒋介石に帰順し、彼が受け継いだ東北軍閥の軍隊は東北軍となった。

 張学良の易旗によって中華民国による中国統一が実現。蒋介石は盛大な晩餐会を開いて、張学良を歓迎し、中国の平和を祝福する。

Cap026

ダンスパーティーで蒋介石夫人・宋美麗と踊る張学良

 しかし共産党は革命根拠地を築いて蒋に抵抗。さらに31年には満洲事変が勃発。張学良は蒋介石の命令によって戦わずに20万の東北軍を東三省から撤退させる……。

1934年。張学良の住居には連日学生たちが押し寄せ、彼を「不抵抗将軍」と罵り、東三省の奪回を訴えるデモを起こしていた。張学良は部下にあえて自分を非難する新聞の記事も読み上げさせるが、自分の愛人の趙一荻まで非難する記事には激怒する。超一荻はそんな学良を慰め、「あなたが戦わずに撤退したのは蒋介石の命令に従っただけなのに」と言うが、学良はあくまで蒋をかばう。また屋敷を包囲する学生達と対話を試みるが、学生達は聞く耳をもたない。

 移動中の蒋介石の元にも学生達のデモ隊が押し寄せる。中には焼身自殺をして東三省を見捨てる蒋に抗議するものもいたが、蒋介石は目をそらす。

Cap028

焼身自殺で蒋介石に抗議する学生

 張学良の申し出に応じ、二人だけの会談をする蒋介石。二人はお互いを気遣いあう。学良は、自分が日本軍と戦わずに撤退したのは外交手段によって問題を解決することに期待したためと言い、また残った兵士たちは問題をこじらせないため無抵抗であったにも関わらず関東軍に惨殺された、と悲しむ。今こそ日本に宣戦し、東三省を取り戻すため戦わせて欲しいと訴えるが、蒋介石はそんな彼をなだめ、中国に居場所の無い彼のために欧州行きを薦める。


 一年後の
1934年、帰国した張学良は対共産党殲滅作戦の副指令に任命される。陝西省による共産党も今ではすっかり虫の息だと高をくくる蒋介石だが、国民党の精衛部隊が惨敗をきしたという情報に激怒し、東北軍を派遣することを決める。

 表向き蒋介石に帰順しているもののあくまで自主独立を貫く陝西省西安の楊虎城率いる西北軍は、自分達のなわばりに20万の東北軍が派遣されると聞いて大きな不満と危機感を抱く。楊虎城らは、共産党の殲滅だけでなく自分達を牽制するためにも東北軍は派遣されるのだと分析するが逆らうことはできない。

 陝西に派遣されるに当たって、張学良は出征大会を開き、将兵たちに一本ずつ酒を配る。張学良は西北軍の地盤である陝西ではいっそう軍紀を正すことを命じ、またこの酒は自分達が東三省を取り返した時に、松江花河(東北地方の有名な河)を見ながら飲もうと言う。

Cap029

東北軍の出征大会

 そして西北軍の兵士が見守る中、東北軍の大部隊は陝西入りをした。

Cap025

西北入りする東北軍と見守る西北軍




感想



 なかなかおもしろそうである。特に音楽がかっこいい。あまり有名では無い登場人物が多いのがやや難点か。


 同じ中華民国の軍でありながら、楊虎城の西北軍と張学良の東北軍の間には微妙な溝がある。特に自らのなわばりによそものを派遣される西北軍側の不満、危機感は非常に大きい。ラストシーンで西北軍が東北軍を迎え入れる場面は、両者の間の緊張感が視聴者にまで伝わってくる名場面である。

Cap030

「あっ、東北軍が来たぞ」と言う西北軍の見張り兵


 中華民国の各地の軍は、非常に地縁主義が強く、同じ国の軍だからといって容易には連携しない。

特に西北軍は自らの土地に対する愛情が非常に強く、ゆえに「よそもの」を排除しようとする気分も強いように思える(権力闘争も関係しているが、感情的にはそうなのだろう)。


 西北軍が拠ってたつ陝西省は黄土の真っ只中の土地で、非常に貧しく自然環境も厳しい。しかし彼らはそんな故郷を理屈を越えてどこよりも美しく素晴しい所だと思い、恋人のように愛している。

そしてそれは日本軍によって故郷を失った東北軍も同じ。彼らも(資源は豊富にあるのだが)やはり過酷な自然環境であった東北を激しく恋慕しており、そこから無理やり引き剥がされた苦痛の中にいる。

愛する故郷に根を下ろす西北軍と、そこから無理やり引き抜かれた東北軍、両者の出会いがいかなる歴史を作るか。そのような観点で見るのもまたおもしろいと思う。

・・・で、蛇足ながら一言。

 張学良は充分に美しいからいいとして・・・・・・・あの楊虎城はなんだ! あの虎城は! いやああー!! なにあのおっさん。モノホンの楊虎城、もっとかっこいいもん!(って言うか、写真見るとちょっと丸っこくてむしろかわいい?)。それが・・・それがぁあんなのってないよ!(や、俳優さんに恨みがあるわけじゃない。腐女子の心が傷ついただけ)責任者出て来い!

Cap023

楊虎城・・・誰? このおっさん?

2010年2月 7日 (日)

『西安事変』(TVドラマ)総合案内

36集テレビドラマ

Cap016_2

放映2007

監督:葉大鷹

脚本王兵

作曲:徐磊

出演:胡軍(張学良)、劉交心(楊虎城)、鄭玉(蒋介石)、姜南(宋美麗)、葉叶叶(超文青)


評価

ストーリー:★★★★☆  キャラクター:★★★★★

エンタメ度:★★★★★  文学度:★★☆☆☆

萌え度:★★★★★    総合お勧め度:★★★★★


簡単あらすじ:
日本の満州(東北)侵略により故郷を追われた東北軍。総司令官の張学良と兵士たちは、日本と戦い満州を取り戻すことを望むが、かえって蒋介石の命令により、共産党の討伐のため西安を中心とする西北地方へ行かされる。楊虎城を司令とする地元の西北軍との軋轢と歩み寄り、共産党との戦いと抗日への呼びかけの中で、張学良は日本の脅威が迫る中で中国人同士で争うことに疑問を抱き……

解説・評価・感想:

 西安事変70周年の記念作品。監督はドラマのエンタメ性にとことんこだわる葉大鷹監督。中国の映画・ドラマでは視聴者そっちのけで自分の言いたいことばかりを描いてしまう監督も多い中、葉大鷹監督の作品からは、視聴者に楽しんでもらうことを何より重要視している姿勢がうかがえる。

 それは本作も同様で、毎回毎回飽きがこないストーリー構成で最後まで楽しんで見れる。それは「西安事変」というそれ自体ドラマチックな史実を扱っているからおもしろいのも当然、というわけでもない。逆に「西安事変」という超有名歴史事件のネームバリューに振り回されることもなく、完全にうまく料理し新たな「西安事変」物語を構築している。

 そして徹底的に細部にこだわり、また歴史オタクの心をくすぐるトリビアを配置。また人物造形も見事なもので、登場人物は誰もがそれぞれ善悪では割り切れない完全無欠で高潔な英雄でもなく悪人でもない人々として描かれている。そのような人々が各々の事情と信念を抱え、それが触れ合いあるいはぶつかりあった時に歴史は動く、というのがドラマの基調となっている。特に楊虎城と蒋介石のキャラがいい感じである。

 難点と言えば、エンタメに徹しているため人の魂を揺さぶるような力はあまり無い。ただ、二元論で割り切れない人物造形と史観のため、「西安事変」とは何だったのか? ということを視聴者が自由に考えるきっかけには充分なるだろう。「よく出来た歴史大河ロマン作品」としては文句なしにお勧めの作品。

 



購入可能なショップ
(2010年2月現在)

・書虫

http://www.frelax.com/cdrama/

※同タイトルの映画版があります。間違わないようお気をつけください。

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